立川談志の正体: 愛憎相克的落語家師弟論

  • 彩流社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779117572

感想・レビュー・書評

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  • 愛憎と照れとシャレが入り混じった愛すべき追悼。晩年の声も出ない体調でも落語を続けた全身ドキュメンタリー落語家の追悼には、野暮な神格化よりこういう俗世臭い文のが相応しいのではないか。

  • 談志さんが亡くなってから、所謂、礼讃やちょうちん記事が多くて、正直うんざりしていた。
    本著は、変に褒めちぎる事もなく、良い事も嫌な事もすべて、等身大の立川談志が語られている気がする。
    ある意味、偉人伝だと思う。

  • 談志がケチなのは有名ですが、いろいろと面倒くさい人だったわけです。「悪口」という意味では談志へのオマージュとも言えるわけで、こういう愛され方もいい。故人のことは美化されがちですが、談志が死んだ後のコメントでは柳家小三治のそれがかっこよかったなぁ。参考までにhttp://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/800/102201.html

  • 立川談志から唯一破門された(破門と言っても実際に判決を下したのは立川流顧問の吉川潮だが)落語家、快楽亭ブラックの「素顔」の立川談志評、と銘打った追悼作品?およそ、落語家は死ぬと名人で良い人、となるのだが、「あれじゃ、まるで談志がいい人みたいじゃないか」ということでペンを取ったのがブラック師匠。

    ブラックの毒舌は満載で談志が如何に弟子に対してヒドい師匠であったか、特に金に汚いのか、と声を大にして罵っている。が、しかしそれは既にあちこちで立川流の弟子達が語っている談志像であり、決して新ネタではない。新ネタと言えば破門された後も浅草のとんかつ屋とかで会ったりしたという懐かしい思い出を語るもので、却って弟子想いの談志像が浮かび上がってくるのだから皮肉なもんだ。

    弟子の頃のブラックは外ではメチャクチャをやっても談志の前ではおどおどしていた、と自ら書くように流石のブラックをしても談志には頭が上がらないのかもしれない。ブラックを持ってしても悪人に描けないのなら「本当に談志は良い落語家だった」となってしまいそうだ。

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著者プロフィール

1952年町田市生まれ。父は米国人、母は日本人。落語家。映画監督、脚本家、俳優、映画評論家、風俗体験リポーター等をこなす多才な芸人。元妻は女優の川口朱里。立川談志の命により「二代目快楽亭ブラック」襲名するまで16回改名。しかし借金がもとで落語立川流を除籍となる。古典落語に加え、艶話や放送コードに抵触するネタを盛り込んだ新作でファンを魅了。主な著書に『日本映画に愛の鞭とロウソクを―さらば愛しの名画座たち』『快楽亭ブラックの放送禁止落語大全(1)』『快楽亭ブラックの放送禁止落語大全(2)』(洋泉社)。『歌舞伎はこう観ろ!』(彩流社)。現在、自主製作CDシリーズの「借金男」が10巻、「ふたたび借金男」が3巻まで、そしてDVDが多数出ている。

「2012年 『立川談志の正体 愛憎相克的落語家師弟論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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