コバルト文庫で辿る少女小説変遷史

著者 :
  • 彩流社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779122750

感想・レビュー・書評

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  • 私が少女小説を読んでいたのは短い期間。
    小学校高学年から中学卒業まで。
    …にも関わらず「あぁ〜、懐かし〜!」の連続。
    ジャパネスクで平安時代を知ったつもりになり、折原みとの新刊を買いに自転車を漕いで本屋に行った。
    新井素子は読後の余韻で眠れなくなった…など。
    友達5、6人でリレー小説を書いて回して、BL好きの友達の後は何を書けば良いのか本当に困った。

    高校生になり青年マンガでエロやグロを知り、青春パンクを爆音で聴いた。現実の生活から掛け離れたファンタジー、純愛、キラキラなストーリーが空虚で幼く感じて楽しめなくなった。

    読書の時間が取れる今、私は興味のある物はなるべく何でも読むようにしている。
    幼い私に文章で胸キュンやドキドキを教えてくれたのは少女小説。
    大人になった現在、離れた後のコバルトを読み返してみようかな??


  • 少女小説というものありけり。

    コバルト文庫は「マリみて」くらいしかお世話になっていない……角川ビーンズ文庫派でした。ビーンズ大賞初期は大体制覇していた件。そういえば最近ビーンズ変わったなとは思っていたけれど。

    コバルト文庫を中心に、いわゆる“少女”を対象にした小説の流れを解説。講談社X文庫ホワイトハート懐かしい。「姫嫁」って、ええそうなんだ、一人に愛される方がいいんですか最近。私はよりどりみどりのハーレムモノの方が慣れているからやはりちょっと世代が古くなっているのか。(別にお気に入りキャラが振られてもいい、自分で幸せになる道を模索するし)(そして二次創作へ)(あ、ここらへんはもしや夢か腐かの分かれ道に関係するのでは)

    コバルト関連で言うならば、意外と今集英社オレンジ文庫が好きだなと思っているので、もしかしてコバルトは読んでいたら好きだったのかも。「伯爵と妖精」シリーズって気になっていたのに読めていない。ビーンズの「シュガーアップル・フェアリーテイル」「貴族探偵エドワード」「身代わり伯爵」あたりも気になっているのに。電子書籍を始めたら、たぶんここら辺の文庫一気に買ってしまいそう。そういう電子書籍の流れはどうなのだろうか、あまり言及がなかったようだが。ある意味BLとか手に取りやすいと思うし、長期シリーズ(最近は長期化しないらしいが)の一番のネック・場所が解決するし。

    新しい流れが起これば、それまでの読者は離れる。でも、新しい「読者」が現れなければ? 少女小説の大きな岐路が来ているのかも。

  • コバルト文庫をメインとしつつ、戦前の「少女倶楽部」「少女の友」からボカロ小説、ネット発系まで幅広く少女小説の変遷をまとめている。
    本屋や新古書店に入り浸っていたので、なんとなく「あの頃はああいう系統が流行ってたっぽいなあ」「あのレーベルはこういうのが多かったなあ」というイメージはあるのだけど、個人的には少女小説系には触れるのが遅かった(富士見・電撃辺りのラノベが先だった)ので、まだまだ名作に出会っていきたい今日この頃である。

  • 思春期をコバルト文庫とともに過ごし、コバルト文庫に救われ、美青年美少年しか愛せない病に今もなお罹患している。そんな私のような病を生きている人があの頃の作品やキャラを懐かしみつつ愛を語る本なのかと思って手にとったのだが、少女小説の成り立ちや変遷を様々な角度から解説したものすごく真面目かつ硬派な本だった。ここに書かれてる作品をすべて網羅できているのは作者くらいなのでは…と思ってしまうほど時代やジャンルが多岐にわたっているため内容としては薄めに感じてしまうのだが、この多様さこそが少女小説の魅力なんだろうな、きっと。

著者プロフィール

1979 年生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。現在明治学院大学非常勤講師・フリーライター。主著『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』(彩流社)は多くの反響を呼び、少女小説の専門家として多方面で講演・執筆している。共著に『カワイイ! 少女お手紙道具のデザイン』(芸術新聞社、2015 年4 月)など。

「2019年 『氷室冴子とその時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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