- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784779122750
作品紹介・あらすじ
常に少女たちの「居場所」となり、
「読者」と共に歩み続ける「Cobalt」/コバルト文庫!
そんな「コバルト」を追うからこそ見える少女小説史!
雑誌「Cobalt」の前身である『小説ジュニア』から、
Web マガジンCobaltまでの時代を追い、
各時代の読者と「少女小説」の移り変わりを徹底追跡。
少女小説雑誌の編集部の方針からうかがえる読者への
アプローチや、作品群がもつ主題の傾向と時代との対応などを
辿っていくことで、
少女小説が読者にどのような「場所」として
とらえられてきたかを浮き彫りにする。
帯文は新井素子先生!
【2016年は「少女小説」にとってこんな年!】
コバルト文庫40周年記念です。
WebマガジンCobaltオープン!
など
ライトノベル世代の中高生から80年代のコバルト読者まで、
幅広い女性層に楽しんでもらえる一冊です。
書店様併売可能性類書に…
大橋崇行著
『ライトノベルから見た少女/少年小説史』(笠間書院)など…
感想・レビュー・書評
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私が少女小説を読んでいたのは短い期間。
小学校高学年から中学卒業まで。
…にも関わらず「あぁ〜、懐かし〜!」の連続。
ジャパネスクで平安時代を知ったつもりになり、折原みとの新刊を買いに自転車を漕いで本屋に行った。
新井素子は読後の余韻で眠れなくなった…など。
友達5、6人でリレー小説を書いて回して、BL好きの友達の後は何を書けば良いのか本当に困った。
高校生になり青年マンガでエロやグロを知り、青春パンクを爆音で聴いた。現実の生活から掛け離れたファンタジー、純愛、キラキラなストーリーが空虚で幼く感じて楽しめなくなった。
読書の時間が取れる今、私は興味のある物はなるべく何でも読むようにしている。
幼い私に文章で胸キュンやドキドキを教えてくれたのは少女小説。
大人になった現在、離れた後のコバルトを読み返してみようかな??
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読んでいる最中にふと、昔読んだ「理系白書」の中にあった「理系の人間のあいだでは知識はシェアされやすいけれど、理系の人間は非理系の人間へ説明するのが苦手なひとが多いから、理系的な知識を理解できる、非理系の人間への説明のうまい人材が求められている」という箇所を思い出しました。
アカデミズムをここまでわかりやすく、しかしクオリティを失わずに書けるのは、すごいことだと思います。
内容についてもそうですが、まずは作者さんのこの才能を高く高く評価したいですし、この本を書いてくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。
私自身も、気づけば少女小説を読んでいた身なので、内容のすべてではありませんが、当事者(=消費者)として存在していた時期があり、なるほど、そういう世の中の流れに巻き込まれていたのかと納得しきりでした。
少女小説がどのような作家を輩出して、どのような作品が多く作られて、どのような歴史を迎えてきたのか、という事実ももちろん面白いですが、時代背景の移り変わりが実に面白かったです。
良妻賢母にならねばならないことが決定している時代のモラトリアム、開放感に溢れた時代、閉塞感にあえいでいる時代、不安定で不透明なものを嫌がる時代、社会進出に心踊らせる時代。
それはつまりは、日本の女性史でもあるのだなあと感慨深く思いました。今、世の中の女性が「当たり前」だと思っているいちいちは「当たり前」なんかではなくて、その当時の女性たちが悩み葛藤し、主張したり隠れ蓑を見つけたりして作ってきてくれたものなのだなと、改めて思った次第です。
口には出せない悩み事や、親しい人間には(だからこそ)聞けない内容があって、それに対する答えを求めるのは健康的な精神なのだなと思います。そして、小説は、そういう悩み事に直接的・間接的に答えを与えてくれるものなのだなと。
少女小説の多様性が失われてきていることは、数年前から意識せずとも感じていて、それが個人的には少女小説(特にコバルト文庫)から離れる原因のひとつになったなと思っています。
これまでの歴史の中で、何度も変革と変貌を続けながら、でも核の部分は変わらずに(一番最後にあった、久美沙織さんのおっしゃる「寄り添う」がそれに当たるのかなと)、これからも変わり続けているのかと思うと、これからまた多様性も戻ってくるんじゃないかと期待が持てました。
最後に。膨大な量の資料を、ここまで綺麗にまとめるためには、膨大な時間と膨大な力が必要だったと思います。それを考えると、本の値段は安いと感じました。
あと、章ごとにページの上部に入っている模様?が違うのですが、それが往年のコバルト文庫を思い出させてくれて、とても好感的でした。 -
私がコバルト文庫をシリーズ・ブランドとして熱心に読んでいたのは、中学生から高校生のほんの入り口くらいの期間だったと思います。雑誌『Cobalt』を買っていたのがどれくらいの期間だったかは、思い出せないのですが。
私が熱心な読者だった時期に当てはまるのは『80年代少女小説ブーム』の、ここで書かれている『四天王』4名や新井素子氏がコバルト作家の中心だった時期ですね。高校後半くらいから、読書の傾向が一般小説やミステリに移行していき、コバルト以外のレーベルには手を出したことがありませんでした。氷室冴子氏、新井素子氏といった、特定の作家さんの本は読んでいましたが。
そのもっと前の時代から、まさに今、2016年頃までの約半世紀に渡る少女小説の状況の移り変わりの、時代の変化を踏まえた分析結果は、ほんの一時期の読者でしかなかった自分にとっても、興味深く読めました。もちろん、自分が愛読していた作家さんや作品の名前がバンバン出てくる時期の箇所が一番楽しかったです。
そして、私自身が好きな傾向と、ちょうどその時のトレンドと、自分の年代とがぴったり合っていたんだな、と、改めて思い、幸せな時期を過ごせのだと思うと、なんだか感慨深いです。ま、自分が10年遅く生まれていたら、それはそれでその時のトレンドに乗っていたかもしれませんけどね。
また、出版業界も商売ですから、ちゃんとその時代に売れるものを模索し、売ろうとして仕掛けていった結果の栄枯盛衰みたいな部分も面白かったです。
終盤のボカロ小説、ケータイ小説、ラノベ、TL、ライト文芸までくると、全く触れていない領域なので、ふとした記事なので言葉を聞いてもピンとこなかったのですが、こういうものだったのかと、勉強に(?)なりました。
色々懐かしくなったので、当時の愛読書を再読してみようかしら、という気持ちになりました。 -
少女小説は、読む少女たち、そして書く少女たちにいつだって寄り添ってきた。
その歴史を、お姉さまがわたしたちに熱っぽく時にはクールに教えてくださる一冊。
わたしは少女小説を通過してこなかった。
だからこそ、読みたいというよりも、実際に挙げられた本を全部並べてみたい。
それはわたしではない、あの子の歴史。
各レーベルの背表紙のカラフルさも相まって、きっと美しい虹色の本棚となることだろう。 -
コバルト文庫を中心にしつつも、少女小説全般について、明治から現代まで紐解いた本。
面白かった。
氷室冴子、藤本ひとみ、折原みと、倉橋燿子、樹川さとみ、小野不由美、結城光流、雪乃紗衣。懐かしい名前がいっぱい。現代だと、子どもが読んでいる作品も。
好きで読んでいたが、レーベルごとの戦略や特徴、時代背景と流行などは考えたことはなく、分析が興味深い。
文庫専門で母体雑誌は読んだことがなく、折々の企画も新鮮。
少女漫画家が小説を書く、というパターンが一定数あるのが面白い。少年漫画家にも同じパターンがあるのか、気になる。 -
後半は斜め読みになってしまったが、懐かしい作品の当時の位置づけや、その後の少女小説の流れがわかってなるほどなるほどと面白く読みました。私は割とメインストリームを行ってるなと確認。
個人的には有川浩の作品やトワイライトシリーズなども少女小説の範疇ではなかろうかと思ったりもします。
次に夢中になって読めるシリーズに出会えるのはいつになるだろう。 -
刊行前、そして刊行後にタイムラインで熱く盛り上がっていて手に取りました。とはいえ、コバルトのことも少女小説のことも正直よく知らない自分が読んでいいものかと思いながら手に取ったのですが、すごーく面白かった。
「少女のための開かれた物語」、「新たな世界への入り口」として時代のニーズに合わせて柔軟に変化を続け、一時代を築きあげてきた文学史には残らない「少女文学」の歩み。
作家陣には現在では他分野で活躍する有名作家が数多くいたことなど、なるほどと興味深い記述がたくさん。
ほぼこの手の作品を通らずに小学校高学年からは大人向けの小説を読んでいて、書くことに憧れてはいても何も生み出せず書きかけの物語と書きなぐりの詩のようなエッセイのようなものばかり量産し、高校生になってからはロッキンオンジャパンとオリーブに傾向してきた人間として、同時代に行き場のない少女たちの居場所がこのようにあったのか、と思うと感慨深くなりました。
作家陣は憧れの存在であり、物語の世界に導かれて書き手を目指す読者たちとの交流も盛んだったというのはSNSどころかインターネット前夜の時代ならではなのかもしれない。
確かにあの時代のジャパンやHの読者投稿や文通募集コーナーを思い出しました。
中盤の「少女小説レーベルのBL」は現在BLにはまっている人間にはとても興味深いものでした。
コバルト=ライトなBLも扱っている、くらいのイメージだったので、ニーズに合わせてBLの人気作家を招いていたというのにはびっくり。
本文では触れられていませんが、朝丘戻さんは個人サイトからのスカウト組ですね。
新人賞経由でなく、BLが本流ではないコバルトで本誌デビューってやっぱり特異の経歴だったんだなぁ。(コバルトではBL以外も出されていますね)
近代に移ったころ、ボカロ小説/ケータイ小説、ラノベ/TL/ライト文芸まで視点を広げ、読者の年齢層やニーズの変化に合わせて新たなムーブメントが生まれつつあるというのも面白かったです。
確かに読者が社会人のTLはお仕事ものかお姫様ものの二極化に見える…のは、癒しと刺激が求められている証なのですかね。
姫嫁ブームに関しては「タイムラインでみた」笑
自身はBLとライト文芸の中間くらいの立ち位置の書き手のつもりでいるのですが、タイムラインの比較的の世代の近いファンタジーの書き手さんたちの源流がいまも脈々と流れている場所なんだな、と、近くて遠い世界をなぞっているようでとても面白かったです。
「少女」に寄り添い、語りかけるための物語にはそこでしか果たせない役割があり、それは大人になったからといって「卒業」を促されるものではない。
なんどでも回帰できる場所があるというのはまばゆいものだなぁと思いました。 -
図書館の新刊リストにあって、なんとなく借りてみたもの。
面白くなかったらさらっと見て返せばいいや、くらい思ってたのに、延長に次ぐ延長で、結局1か月以上借りてたと思う・・・。(;^ω^)
他にリクエストをかけている人がいてはらへんからできる技っちゅうことで。
ほんで、
コバルト全盛期時代にコバルトにハマッてた元・少女は絶対に読むほうがいいよ・・・!
と、思った。(*´▽`*)
でも、その「コバルト全盛期」が、どこを指すのかっちゅうことやね。
ここが深いわー。
もちろん私は、1980年代ですよ。
氷室冴子氏も赤川次郎氏もコバルト文庫で知りましたよ。
久美沙織氏、正本ノン氏はあまり好みじゃなかった(当時。今読んだらわからん)けど、田中雅美氏、藤本ひとみ氏から桑原水菜氏までの間がピークで御座いました・・・。
なので、たぶん、第二次ぐらいなんかな?
前田珠子氏、榎木洋子氏は20代になってから、今野緒雪氏は20代後半になってから読んだ。
この、「コバルト四天王」が、私から見ると「ちょっと上の年代の人」やったんやけど、どうなんやろう・・・?
同世代・・・? な、わけないか。当時の私は高学年か、中学生やったもんな。
この座談会によると(ほんま、当時はあっちこっちで座談会をしてたよね)、コバルト四天王の方々から見ても、当時の作家は「オジさま、オバさま」に、あたるそうで・・・。
攻めた言動が、さすが、好景気の時代・・・、と、思うんやけど、
「一般的な小説を書くためのステップとしての『少女小説』」
が、ひとつのジャンルとして成り立つのの、何が悪いねん・・・、みたいなね・・・。
これ、今ならわかる。
ほんで、よう、そうやって立ち上げてくれはったよ・・・!
読書好きが全員文学作品を読むんかっちゅうたら、そういうわけでも、ないねん!!
ほんで、文学作品に比べて少女小説は絵本的な、漫画的なもの、みたいに下に見られがちやけど、実際は結構奥が深いねん、ちゅうね!!
このころのコバルトの対象年齢は、たぶん、中高生よねえ。
当時の私は小学校高学年やった。それか、中学一年生。
なので、若干
「お姉さん向けの内容」
と、思うところもあったのよ・・・。だって一人旅なんか行かれへんし。
あー、ストライクの年齢のときに読みたかったなあ。べつにストライクやからどうってわけではないやろうけど、ほしたらもっとハマッてたんちゃうかなあ。
(タラレバ?)
好景気で少女小説全盛期のときに、高校生でおりたかった!!
ほしたらたぶん、私は文化部系に進んでいた、はず・・・(笑)。
そいでも、いつまでも少女小説を好む自分は「ほんまの意味での本好きではない」と、思ってしまうわけやけど(未だに)、でもこの本を読むと、
「もっと読書をしない人もいてはるんか・・・」
と、思った。
(それが、いいとか悪いとかではなく)
確かに、「ページの下が真っ白」のティーンズハートも、あったよね!!
花井愛子氏ももちろん読んだし、神戸あやか氏も読んだ・・・(笑)。
まさか神戸あやか氏が花井愛子氏の別ペンネームやったとは知らんかったけど(笑)、中学生のときの同級生が、
「お約束展開ばっかりのティーンズハート文庫の中でも、神戸あやか氏は一味違う」
とかいうておすすめしてくれたのだけは覚えてる。
そうか、花井愛子氏とは違う、とかいわれておすすめしてもうたけど、本 人 か。笑
でも、神戸あやか氏の本は私も楽しく読んだなー。
先入観の問題かな。それか、花井愛子氏は若干書き方を変えてはったか、別に私もティーンズハートのハートっぷりを否定はしないけど、「風を道しるべに・・・」は、なんちゅうか結構スゴイな、とは、思った。(;^ω^)
ほんで、ティーンズハートの作家氏(折原みと氏とか)は、確かに普段読書をしない女子から借りることが多かったな。
でも、ティーンズハートもいろいろあったよね・・・。
皆川ゆか氏のティーパーティシリーズはもちろん読んだし、小野不由美氏・・・。
でもやっぱり、小学生、中学一年生のころの私の読書っていうたら、コバルトやねん。せやからいつまでも私の中ですごい位置づけになるねん、コバルトが。
日向章一郎氏とか、山浦弘靖氏とか、読んだよ!?
放課後シリーズも星座シリーズも読みました。流星子ちゃんの旅シリーズ読みましたさ!!
赤羽建美氏の「南子探偵クラブ」シリーズも、団龍彦氏の幽霊探偵局シリーズも読んだ・・・。うわーもう懐かしすぎて泣きそう。
これらの方々は今、作家活動はしてはらへんのやろうか。
ほんま、もう、楽しい読書生活を送れてたよ・・・。
当時はミステリ風味のものが好きやってんね。なので、バリッバリの少女小説である久美沙織氏ラインにはほとんど手を出せなかった。
ジャパネスクも読んだし、とりかへばやとか・・・。
氷室冴子氏は大好きやったなー・・・。
乙女ゲームをやるけれど、基本私は、作中の人物に移入したりすることはない。
「ヒロインになりたい・・・」
って思うことも、ない。かわいい子たちを遠くから眺めていたい、渦中にはなりたくないっていう、もう生粋のおたくさんですやんね。
恋愛モノも神の視点で「可愛いですねえ」なんて読むほうが(当時から)好きやった。(ので、最終的にBLにいってしまったんやろうけど、それはハタチを越えてからの話・・・)
なので、「身近なディティールを取り入れた」ティーンズハートに、あまり食指が動かなかったのねぇ・・・。
かわいいし、ええんやけど、
「おもしろっ!!」
とまでは思えない・・・。周囲が読むので自分も読むけれど、私が好きなのはこういうのと違うなあ・・・、と、思って、進んだのが、角川スニーカー文庫・・・。
「ロードス島戦記」な! 「フォーチュン・クエスト」ももちろん読んだ。・・・からの、宇宙皇子も途中まで読んだ(あれは角川文庫)。瀬川貴次氏も好きやったー・・・!
このころは中学生になっていたので、読める本の幅もだいぶん広がってきてたのよ。(*´з`)
女子で流行っているティーンズハート系の小説がどうにも馴染めない自分は、そうか、ファンタジーが好きなのか・・・、と、思っておりました。
そういえば一番面白かった本はと聞かれて当時挙げるのは「海底二万里」やったし、そうかそうか、ファンタジーか・・・。
そらもう少数派ですやんね。ちゅうか、おたくさんですやん。
当時から隠れおたくさんやったことも手伝って、また中学後半から高校卒業までは文字通り体育館に住んでいたため、スパッと読書から離れちゃってたのよ。
で、高校を卒業してからまた図書館通いを始めて、
「うわー、懐かしいィ」
と、思ってみたコバルト文庫の棚が、
めっちゃ変わってるやん・・・
と、なってん。
そこで、榎木洋子氏とか、前田珠子氏をむさぼり読んだのよね・・・。
ひかわ玲子氏も読んだわー・・・(ホワイトハートかな)。
この後のファンタジーブームの終焉から学園もの、男子主人公から女子主人公へ戻っていく少女小説の来歴も、なんちゅうか私の人生と沿いすぎてわらける。
少女小説が流行らなくなる時期は、ちょうど私も環境が変わったりして読書そのものができない時期やったみたい。
で、それを越えるとまた読書ができるので、あれこれ手を出して読んでいくという、そういうループを繰り返してる。
ちゅうことは、そのときそのときの流行りを確実に取り入れている各種少女小説やけど、結局のところ読んでいる年代というのは、「小説ジュニア」のころからずっといっしょなんちゃうん、と、思わなくもない(笑)。
いやいや、新たに加入する若手もいてはるやろうけど、「小説ジュニア」を読んでいた世代は、間違いなく今もこの流れをくむ「ライト文芸」を、読んでるに違いないよ。
読めるときがあったり、読書そのものから離れる時期もあったり、そういうことを繰り返しつつ「少女小説」ジャンルから離れない人は私だけじゃないんやと知って、めっちゃ嬉しい。
願わくば、同じように読書好きの人と出会いたい、まじで。
なんやろう。雑誌的なものにこうやってハイテンションの投稿をすべきなの(笑)?
中学のときは読書友だちも少しはいてたけど、大人になってからはあかん。
本について語れる人がひとりもいてない。どうしたらできるのか・・・。
大人の読書家は文学、せいぜいミステリやからね。
私は自分で「ライトノベル好き」やと思ってたけど、「ライト文芸」なるジャンルも存在するらしいので、そっちそっち。
ライト文芸好きの読書家の集まりは、どこかにありませんかね。
(朝日カルチャースクールのチラシとかに載ってないのか。笑)
重くてしんどい話も好きよ。
それを私は「ハイリスク・ハイリターンの話」と、いうんやけど、でも日常にひどくくたびれてるときは、ささっとまとまる癒しを本に求めてしまう。
いちゃらぶで構成されているご都合ハッピーエンドに、
「よろしいですねえ」
と、思いながら現実をしばし忘れるというのも、有難い話やねん。
でもそれはフォーティーズの現在やからであって、小学生、中学生のころは、ハイリスク・ハイリターンの本を読む体力もあったよー。
二十代のころは恋愛方面にたしょうの夢を見たかった(BLにいきついたけど)。
(BLやと、絶対に自分を投影できひんし、想像もできひんのでエエんです)
昨今の小中学生は、読書に癒しを求めるの? ええー。そうなん、大変やな。(;^ω^)
それはそれで、ええねん。
ええよ。
今の小中学生には彼らのためのレーベルがあるよね。
青い鳥文庫しかり(私らのときからあるけどさ)、つばさ文庫とかポケット文庫やっけ・・・?
最近覚えた。
ムスメと一緒にそれらの小説を読むのだけど、やっぱり楽しいよ。
小学生のムスメがこういう本をどんどん読めばいいと思う、少女小説好きの母親ならではの野望。笑
ほんで、少女小説ときって離せないのがBLな・・・。(;^ω^)
私がBLにはまったのはハタチを越えてから、栗本薫氏をきっかけに、もちろんフジミも読んだしタクミくんシリーズは持ってたし・・・。
BLといえば男子同士でいちゃいちゃしてるだけの筋、ちゅうイメージがもしかして一般的なのだとしたら、BLが読めないって人は可愛そうやなあ、ちゅうくらい、まんがでも小説でもグッとくるものがあると思う。
こんな深いディティールがあるのに、そこを、なぜ、男子同士で書いちゃう? みたいなね(笑)。
これを普通のNLにしてたらもっとメジャーになるのに・・・、とは思うけど、そこはそれ。
なぜか、男子と男子・・・(笑)。
この調子で少女小説をムスメに薦めているといつかBLにひっかかるやろうね。
否定はしないけれど、
「なんで、男子同士で?」
と、いう疑問を抱くうちはBL界に来ない方がいいと思う。そこは
「なぜ、1たす1は2なのか」
ちゅう疑問ぐらい、答えられないものなんやと思うので。笑
(いみがわからない)
あー、それにしても、現在めっちゃ好きな椹野道流氏もホワイトハートの賞を受賞してはるとは知らんかった。
あと、高殿円氏が少女小説を書いてはったのも、知らんかった・・・。
今私が好んで読んでる作家氏のほとんどは、少女小説畑の方なのね・・・。
(そりゃあライト文芸なるものが好きなんやから、そうなるか)
あさば深雪氏が角川ビーンズの賞をとってはったんも、
「おお」
と、なった。
角田光代氏とか、唯川恵氏、山本文緒氏も少女小説畑やったとは・・・。
今、ムスメの読む本を読んでも思うのだけど、児童文学やからって稚拙なのかというたら、全然そういうことないねん。
むしろ、誰が読んでもわかりやすい表現を心がけてはる丁寧さが、より技巧が必要なんちゃうんかしらと思う。
あれこれ説明を書きすぎてもよくわからないけれど、それとなくきれいな言い回しを並べていてもうまく伝わらない。
できれば、闇を覗くような表現よりも明るいほうがいい、でもちょっとぐらい、悪いこともしちゃうのよ、みたいな、そんなふうにいろいろと気を遣って成り立っている気すらして、そこまでして作ってくれる児童文学がどんどん登場してくれたらいいなーって思う。
それは、私がコバルト文庫やホワイトハートを読んできて感じたからなんやろうね。
大人になってから読んだものも多いけど、やっぱり、自分が小学生のときに読んだ「少女小説」の、ほうが、印象深いかもしれない。
ブギーポップや津守時生氏も二十代のころに読んだ。
「キノの旅」は、先日読んだぐらいやけど、これらはほとんど
「あー、ちょっと対象年齢を外してるなー」
って思えたもの。
これを「対象年齢」のときに読んだら、すっごいグッときたんやろうな。それこそ、ハイリスク・ハイリターンの小説になったに違いない。
誰かを傷つけたり、自分の殻を破るような冒険ができないマジメな一般人は、読書でしか殻を破れない。
自分ができない分、本で読みたい。ほんで、想像したい、こんな世界もあるねんなあって。
結局フォーティーズになっても私の読書ってそういうことかも。
リアリティがすごい厚い本が読みたくなったり、あり得ない! っていう話にツッこみたくなったり、こんな世界、ええなあって憧れてみたり、そのときそのときで求めているものは違うけれど、違うから、いろいろな本が世の中にあってほしい。
そのためには、本を買わないとあかんねー・・・。
私は図書館ユーザーやからなあ。売り上げに何の貢献もしていない・・・。
ちょっとずつ、本を買うていこうかな。
いやいや、あと10年は我慢すべきじゃないかしら・・・。うう・・・。
とりあえず、結城光流氏のシリーズは、読んでみようかなー。 (図書館で)(結局それ)
結論からいうと(結論?)、小学生後半から中学生前半のときにコバルト等の少女小説文庫を読んでいた私は、10代後半の「体育館に住んでいたころ」を経て再び読書をするようになったのだけど、そのときもまたコバルト等のレーベルも読んでたのよ。
・・・ちゅうか、今もそう。違うジャンルの本ももちろん読むけど、チョイチョイコバルト的ないわゆる「ライトノベル」を、挟んでくるので、
「私はライトノベルが好きなんやろうな」
と、思ってたけど、違うんかもしれん・・・。
違うっていうか・・・。
メディアワークスしかり、オレンジ文庫しかり、アルファポリスしかり、これらのレーベルをいつまでも読んでしまう私はどう考えてもおたくさんなんやろうなァ・・・、なんて思ってたけどさ! そうでもないんかも!!
アルファポリス(の、エタニティシリーズ)は40代を対象としているというようなことも書かれていて
「イヤッフー、ストライクやんか!」
と、喜んでしまったのは内緒で御座います(笑)。イヤだって20代の本なんかな、って思いながら読んでいたため・・・。笑
そうだ! 「少女小説は死なない」のだ! 笑
「何の本を読んでるの?」
と、訊かれて、ミステリなら答えやすいけど、「少女小説」なら隠したくなってしまう・・・ような、いつまでも隠れファンでゴメンネ。笑
ちゅうことで、ものすごい量の付箋をはがしつつの感想文ですけれども・・・。
とにかく、作中で紹介されている本が
「あ~~~、読んだ、読んだ!!」
と、ゴロゴロ転がりたくなること目白押し!! 挙げていったらキリがない。
もう何やろ、読んだ、それ、読んだ!! とか、語りたいわー。
ひつこいけど、コバルト全盛期ストライクの私、「小説ジュニア」も、知ってるよ。
さすがにリアルタイムで読んではいないけど、「ちょっと前の文庫」は「小説ジュニア」刊行やったりしてたので、知ってるよ・・・。
ちなみに、雑誌「cobalt」も借りたり買うたりして読んでました。
この本でも紹介されてるけど、「読者からの投稿」の投稿文のテンションの高さとか
「な、つ、か、し、い~!!」
と、もだえた。
もちろん私もこのくらいのテンション高めの手紙を友だちと交換したりしてたけどね! (*´▽`*)
好景気やわ~。ええわ~。
せやからもう、巻末の「ひとめでわかるコバルト50年史」とか「『コバルト』と各レーベル刊行時期の比較」とか、ニヤニヤして見てしまうわ・・・。(*´з`)
「コバルト・ノベル大賞 受賞者一覧」も舐めるように見て(笑)、
「エッ、この人、コバルト・ノベル大賞出身者やったん?」
と、思った。
なんせ、
「オレンジ文庫はコバルト文庫に関係してるんかしら?」
程度の知識しかないもんでね・・・。(;^ω^)
この本を読んで、オレンジ文庫の位置づけとか、二年ほど前にオレンジ文庫なるものを初めて本屋で見たときに
「本棚ごと買いたい」
と、思うほど私のハートをグッと掴んだのも
「そりゃ、道理だよ・・・」
と、思った。納得。コバルト好きにはそりゃーァオレンジ文庫はたまらん仕上がりになってるよね。
10代前半のころに燃えたあの少女小説を、40才になってもまた楽しめるようにしてくれはって、ありがとう出版社さま・・・、ちゅう具合よ。
今、当時のコバルトを読んでも
「あー・・・、懐かしい。カワイイ」
とは思うけど、さすがに燃え上がりはしない(たぶん)。
でも、オレンジ文庫は燃える。読むほうも作風もちゃんと年齢を重ねていてくれて、それが、嬉しいわ。
リアルであることより夢でいい、か。「こうあってほしい」にまず寄り添う、さすが、久美沙織氏はすごいことをいわはる。
ほんで、より多くの女子の「こうあってほしい」に、時代が変わっても常に答え続けてくれる少女小説家は、ほんま、みんな、すごいと思う。
(だってそういう意味で言えば、一般文芸は、まず「こういうものが書きたい」という、作家主流のものなんやろう)
(極論やし、それがどうというわけでもないけど)
確かに、小学校、中学校と私が少女小説を好んで読んだのは
「いつか、こんな高校生になるのかな」
と、いうような夢がたしょうなりともあった。
今となっては
「こんな生活スゲー」
なんて、結局夢見がちで読書をしている。
自分の生きる世界とは違うルールで成り立つ世界を、「好き」と、思えて、自分の「たましい」をおいておくことができる。
そういう場所を、読書に求める人たちも、いるってことよね。
一般的には伴侶にそれを求めるんやろうけれど、残念ながら私は読書なんだわ。
二次なんだわ。笑
それをおたくさんというのかもしれへんけれども(ザンネンー)、でも、こういう世界を知らない人は気の毒やなあ、と、思うところもあるので、まあ、人それぞれやんね。
あと、花井愛子氏の手腕もすごいなあと思った。
小説家はあくまで物語を文章として世に送り出す人やもんね。それを「売れる」ものにできるかどうかは、また別の人がやることやねんね・・・。
そのどっちもを(短期間とはいえ)やりこなした花井氏はすっごい手腕なんやな・・・。
とにかく、この本はめっちゃ面白かったー。
またこういった本を読んでみたいな。
私はまんがやアニメよりも小説を読んで育ってきてんな、と、改めて思った。
唯一ショックやったことというたら、著者が私より若かったっちゅうことかな・・・。
えっ、まじか。やっぱり私は少女小説に燃えるには、ストライクゾーンをはずしてるのか。
ええー。笑
あと、ウェブ小説はなんとかついていけるけど、ボカロ小説は全然わからない・・・(笑)。
もうここは、さすがに無理やろうね、フォーティーズ。(;^ω^)
■■■■
■コージーミステリ
イギリスで第二次世界大戦時に発祥した小説形式で、当時アメリカで流行していたハードボイルド形式の小説の反義語として用いられた。
ハードボイルドのニヒルでクールなイメージに対し、「地域社会が親密である」「居心地が良い」といった意味を持つ「コージー(cozy)」を使用し、日常的な場面でのミステリーであることを示す。
特徴としては
探偵役が警察官、私立探偵などの職業的捜査官ではなく素人であること
容疑者が極めて狭い範囲のコミュニティに属している
暴力表現を極力排除していること
などがあげられる。
■カタストロフ
自然界および人間社会の大変動。変革。
劇や小説の悲劇的な結末。破局。
(2017.05.28) -
コバルト以外の周辺レーベルも含んだ、少女小説50年史。私にとっての特別は新井素子、氷室冴子、久美沙織あたりだけど、ティーンズハートの方もタイトルで思い出す作品が結構あった。折原みととかあの頃すごく流行ってたよね。
若木未生、前田珠子、桑原水菜らの登場で、ファンタジー系ジャンルが台頭してきた流れも懐かしかった。前田珠子「破妖の剣」シリーズが完結ってツイートを以前見たけど、初出1989年だよ、すごい。読み続けてた友人に、未完にならなくて良かったねと言いたい。
近年の姫嫁ジャンルやボカロ小説の話は、あまりよく知らなかったので興味深かった。姫嫁系では安心感のある作品が好まれ、三角関係すら歓迎されない(推し側がフラれると辛いから)ってくだりとか。そ、そこまでかー。
「居場所」としての少女小説に助けられた1人として、Cobalt 休刊を含めた現在の厳しい状況は寂しく思う。いろんな要因が分析されてると思うけど、私が当時との違いを強く感じるのは、乙女ゲーと pixiv 二次小説の存在かな。乙女ゲーは能動的に物語に関わることができるから前述の三角関係問題も回避できるし、pixiv にはびっくりするくらい多様な需要とそこから生まれた供給があるし。
新しいコンテンツが登場する中で、少女小説も変化を迫られていると思うけど、その時々の読者の心に寄り添う基本スタンスが変わらなければ、なんでもありでいいんじゃないかなぁと思った。 -
少女小説というものありけり。
コバルト文庫は「マリみて」くらいしかお世話になっていない……角川ビーンズ文庫派でした。ビーンズ大賞初期は大体制覇していた件。そういえば最近ビーンズ変わったなとは思っていたけれど。
コバルト文庫を中心に、いわゆる“少女”を対象にした小説の流れを解説。講談社X文庫ホワイトハート懐かしい。「姫嫁」って、ええそうなんだ、一人に愛される方がいいんですか最近。私はよりどりみどりのハーレムモノの方が慣れているからやはりちょっと世代が古くなっているのか。(別にお気に入りキャラが振られてもいい、自分で幸せになる道を模索するし)(そして二次創作へ)(あ、ここらへんはもしや夢か腐かの分かれ道に関係するのでは)
コバルト関連で言うならば、意外と今集英社オレンジ文庫が好きだなと思っているので、もしかしてコバルトは読んでいたら好きだったのかも。「伯爵と妖精」シリーズって気になっていたのに読めていない。ビーンズの「シュガーアップル・フェアリーテイル」「貴族探偵エドワード」「身代わり伯爵」あたりも気になっているのに。電子書籍を始めたら、たぶんここら辺の文庫一気に買ってしまいそう。そういう電子書籍の流れはどうなのだろうか、あまり言及がなかったようだが。ある意味BLとか手に取りやすいと思うし、長期シリーズ(最近は長期化しないらしいが)の一番のネック・場所が解決するし。
新しい流れが起これば、それまでの読者は離れる。でも、新しい「読者」が現れなければ? 少女小説の大きな岐路が来ているのかも。 -
コバルト文庫をメインとしつつ、戦前の「少女倶楽部」「少女の友」からボカロ小説、ネット発系まで幅広く少女小説の変遷をまとめている。
本屋や新古書店に入り浸っていたので、なんとなく「あの頃はああいう系統が流行ってたっぽいなあ」「あのレーベルはこういうのが多かったなあ」というイメージはあるのだけど、個人的には少女小説系には触れるのが遅かった(富士見・電撃辺りのラノベが先だった)ので、まだまだ名作に出会っていきたい今日この頃である。 -
少女小説とは何か。
ライトノベルとは何が違うのか。ライト文芸ってなんだ。
好きな作家さんが少女小説のどこに位置付けられているのか、俯瞰してみること、全体的な流れを見る分にはすごく面白い。
こんな作品があったのかー、とか。この作品完結していたのか、とか、いろいろと楽しむポイントは多い。 -
思春期をコバルト文庫とともに過ごし、コバルト文庫に救われ、美青年美少年しか愛せない病に今もなお罹患している。そんな私のような病を生きている人があの頃の作品やキャラを懐かしみつつ愛を語る本なのかと思って手にとったのだが、少女小説の成り立ちや変遷を様々な角度から解説したものすごく真面目かつ硬派な本だった。ここに書かれてる作品をすべて網羅できているのは作者くらいなのでは…と思ってしまうほど時代やジャンルが多岐にわたっているため内容としては薄めに感じてしまうのだが、この多様さこそが少女小説の魅力なんだろうな、きっと。
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は~~~~~~~~~~~~~~~なるほど…少女小説の歴史…た、たしかに…
おさな妻文化…姫嫁…
そういえば小野不由美も一応少女小説レーベル出身か…十二国記が少女小説レーベルで刊行されていた事実…
ていうかあの人もあの人も少女小説レーベル出身だったんか…
学園ものからファンタジーへの変遷…
マリみての台頭…
少年同士の主人公ものの人気…BLとラノベとケータイ小説と…なるほど… -
色々と昔のことを思い出しながら読んだ。面白かった。学園恋愛モノと可愛い女の子が好きだったので、90年代のBL流行りが本当に辛かったこととか、少女小説難民になってラノベを読むようになったこととか(その後、桜庭一樹に出会って救われた)。そんな感じでアラフォーになってしまった今は、ライト文芸の流行と、オレンジ文庫刊行はうれしかったなとか。2003年当時マリみて面白かったなとか。本当に色々と思うことがあった。
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コバルト文庫を中心として他レーベルも含めた少女小説の系譜をあらわした一冊。各レーベルの創刊時のタイトルを見るだけでわかってしまう自分は、各レーベルの創刊に立ち会ってきたのだなあと思う。このまま終わってしまうのか……私にはまだ少女小説が必要なんだけど。
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最近こういう本立て続けに読んだけど、研究的な物より内容紹介を自分は読みたいんだなってわかった