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- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784779122842
感想・レビュー・書評
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主に大正末~昭和7年の間に発表された初期の作品群を収録。(と言うことは、主に作者が20代のころに書かれた作品達)
堀辰雄が軽井沢を舞台にする作品を書く前の、浅草や銀座を舞台にしたモダン都市小説の数々はとても新鮮でした。
川端康成の書いた浅草紅団を彷彿とさせるような「水族館」、謎の女とそれに惑わされる青年を描く「眠れる人」や「とらんぷ」、そして軽井沢で出会った某母子との実際のエピソードを彷彿とさせる「刺青した蝶」、ケルト文学の片鱗がみえる「魔法のかかった丘」とどれも短いながらにモダンで面白かった。凌雲閣やルナパークなど出てくる作品を堀辰雄も書いていたんですねぇ。
この時期の作品群、ちょっと渡辺温を彷彿とさせるテイストが私の好みでした。
「Say it with Flowers」の冒頭には、佐藤春夫(のペット)が出てくるよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示