なぜあなたの研究は進まないのか?

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  • メディカルレビュー社
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  • Amazon.co.jp ・本 (148ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779217258

感想・レビュー・書評

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  • #HaKaSe+×自然科学系図書館

    金沢大学附属図書館所在情報
    ▼▼▼▼▼
    https://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BB21616007?caller=xc-search

  • 長期的な視点なしに目の前のことをこなしていく研究は、大きな方向付けがなされていないため、一見成功して見えるようでも継続性がなく、あとになって振り返れば結局何も進歩していないような「研究のための研究」に終わっていることが多いです。「夢」であり「希望」といったbig pictureを描くこと。ある方向に向かう「技術開発系の研究」と仮説に問いかける「仮説証明系」の研究の違いは重要で、あなたの研究をどう位置付けるかによって、研究結果の解釈や次のステップが変わってきます。仮説とモデルは表裏一体です。だから研究を進める上で「仮説」を立て、それを証明するために他因子の取り除かれたシンプルな状況を作り出し実験をするという一連のプロセスを理解し、その流れに乗れるかどうかということです。ただし、そこから導かれる単純化された結果を現実世界に当てはめる際には「錯覚」しないように注意する必要があります。モデルの限界を十分認識し、モデルをうまく使うことが大切なのです。研究をスタートさせる時点でその分野のエキスパートと言えるくらいの知識レベルを持っていてほしい。研究者としてエッジの効いた研究をしていくためには、その分野で誰が何をやってきたのか、逆に何がされていないのかを熟知しておくことが不可欠です。研究はアイデアで勝負する部分(頭)、手を動かす実働部分(体)に加え、事務的な手続き部分(将来的には資金集め、コラボレーションの交渉などを含む)がなければ成り立たず、大きなプロジェクトになればなるほど、こうした部分をいかに上手に組み立てていけるかがカギになります。パイロットスタディでどのくらい詰められるかで、本実験の質、そして最終的な論文の質が全く異なります。人の意見にしっかり耳を傾けつつ、しかし自分の軸足はぶらさない。直感を磨き鍛えるには自分としっかりと向き合う時間を作ること、瞑想、森林浴、軽い運動など。直感gあもっとも鋭く働くのは、頭と体をしっかり休ませた後。「なんだそんなことか」と思うようなことがあったとしても、それに気が付いて、しっかり裏付けできるかが、研究者としての腕でしょう。バックアッププロジェクトを準備して最低ラインをクリアできるように備えよう。精神的に余裕が出れば、メインプロジェクトも成功しやすくなるはず。新たな研究プロジェクトを立ち上げた場合、「何をやるのか(一番根源的な問題)」が一番大事。リーダー(船長)が研究の目的と方向性(旅の行先)をわかっていなければ、その船は大抵行先不明になったり、遭難してしまう。今後自分一人で成し遂げられることは限られていますが、自分の経験や教わったことを後進に伝えられれば、その経験は何倍にも活かされることになります。これはこれまでお世話になった人々への最大の恩返しでもあるはずです。指導者としての真価は、自分の業績をどこまで伸ばせるかではなく、ついてきてくれる人たちに自分がどれだけの支援をし、彼ら彼女らがどこまで伸びていけるか(彼ら彼女らをどこまで伸ばせるかではない!)で問われるのではないでしょうか。研究をリードする立場になると、自分で手を動かしていた時代に比べて、自分の周り、さらに他の研究室の人達の研究のレベルが見えるようになってきます。人格や実績は大切ですが、実績は過去のものであり、これから未来に向かう本当の駆動力にはなりません。研究の本質を考えれば、やはり「勉強」が不可欠です。
    大城記

  • 時々読んでは耳が痛くなる本。大人になればなるほど怒ってくれる人が少なくなるので、こういう本を読んで自戒する。研究をテーマに書かれているけど、研究以外にも当てはまるのではないだろうか?よく眠っているか?や、常識に囚われていないか?などは当たり前だけどできていないことが多いものですし、論文調査でその分野のエキスパートになる、は自分の身を振り返るいい機会になる文章だった。

  • 研究を進めるための大事なことを技術的、精神的、様々な側面で語っている。良書。ぜひ全人類に読んでほしい。

  • 学生リクエスト図書2017

  • 研究を進めるためのコツをメンタル面や技術的な側面から解説している。一つ一つのトピックは短くまとまっており,それらが体系的にまとめてあるため頭にスッと入ってくる。出てくる例も研究をしたことのある人ならあるあるだと思う。定期的に目を通したい本。

  • 「研究分野について総説・レビューを書けるか?」
    「一歩前に進んでいるか?」
    「今やっている研究の意義と仮説を1分で説明できるか?」
    「バックアッププロジェクト準備しているか?」
    「論文の形を作ってみたか?」
    「実験や解析の部分さえ終われば,すぐに論文になると思ってないか?」
    これらの疑問は自分に刺さった.
    常に意識して研究を進めたい.

  • なぜ、どうやって、何を目的に研究するのか。
    基本的なことだけ書かれていて読みやすい。
    1番身につまされたのは"感謝しているか?"の項目で『研究が出来る人は恵まれた立場にある』という一文。
    時々思い出して自戒の念としたい。

  • 「卒研・レポート対策-先輩のおすすめ本を読んでみよう-」
    なぜ自分の研究が進まないのか、どうすればゴールにたどり着けるのか。
    研究が進まない理由を40のQuestionにまとめて解決策を提示しています。
    簡潔に書かれていて読みやすいので研究の合間にご一読ください。
    (図書館スタッフ)

    ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00539403

  • タイトルだけで手に取ったら、理系(医学系)のものでした。せっかく手に取ったから読んでみると、やはり文系と理系とでは研究の方法やテーマ選定がかなり違うと感じた。方法論を述べている部分もあるが、結構根性論に終始しているように感じた。理系では役立つのかな。

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