拉致―左右の垣根を超えた闘いへ

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著者 : 蓮池透
  • かもがわ出版 (2009年5月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784780302745

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拉致―左右の垣根を超えた闘いへの感想・レビュー・書評

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  • 北朝鮮の立場:金正日が拉致を認めて、謝罪したのだから解決したと思っている。
    日本の立場:解決していない。早く返せ、との一点張り。
    両者の主張がかみ合わず、こう着状態になっている。

    北朝鮮は被害者を一時帰国させるつもりだった。何かしらの秘密情報を知っているはずだから。

    5人生存8人死亡で、家族会が小泉首相にもっと感謝を表していたら、小泉さんはもっと頑張ったと思う。小泉さんはすごく頑張って、ここまでやったのに、家族会が楯突いて、それらがマスコミに報じられていたから、小泉さんからしたら、「もう勝手にしろ」という気持ちになってしまったのではないか。

    北朝鮮は遺骨を出せばいいと思っていた。日本(帝京大学)で横田さんでないことがわかった。外務省も困った。
    日本政府にどうやって交渉するのかという戦略がない。制裁を背景に交渉するだけだったから、制裁が国際的に認められないと、他に手段がなくなってしまう。交渉しか手段はないけど、交渉の窓口もなく、相手にされていない。さらに交渉が実現したとして、その交渉で何を主張したら北朝鮮を動かせるかというものを何も持っていない。

    拉致問題の解決なくして、国交正常化交渉はないという人がいる。一方で、国交が正常化されれば自由に北朝鮮と行き来できるから、拉致問題も解決するという人もいる。

  • 蓮池さんは、家族会におられたときに、スポークスマンで、その冷静で論理的かつ切れ味鋭い発言が存在感がありました。

    ただこの著作では、肝心なところで根拠とか論理性が飛んでしまっている箇所がたくさん見受けられたように思います。
    根拠の説明に乏しく、蓮池さんらしからぬ印象も持ちました。
    全体に文章もやや拙い感じもしますし、漢字記載すべき用語がひらがなだったり。

    過去の「日本の過ち」と言われることに関して、蓮池さん自身は過去に事実として何があったのは自分にはよくわからないといっています。
    ですが、過去に日本が朝鮮から強制連行した(と言われること)を事実として、弟さんたちの拉致問題を並列に扱っている点が、蓮池さんが「左翼化した」と言われるのではないかと思います。
    「強制連行したし、拉致された日本だから、北朝鮮のこともよく気持ちをわかってあげられる・・・」というのは、そもそも歴史認識が異なる人にはまったく受け入れられないでしょう。

    根本的な問題として指摘しているのは、ポリシーと一貫性なき日本の外交です。この点は深く同意します。

    この拙さが、家族という被害者にまで多大な負担を強いていることです。
    ピョンヤン宣言、村山談話など、過去に何度も日本の政治家が非を認めて誤っちゃっているわけですから・・・
    国のトップがそう言ってる以上、ちゃんと謝って償いをして、被害者が帰ってくるならそれも手法としてありじゃないか、と。

    極端なことを言えば、国のポリシーとして、拉致被害者が帰ってこないとしても、国はこれでいく!と政官一体で取り組むなら、それもありですが、それすらない日本のありようにつくづく呆れ、嫌気が差すのもごもっともです。

    蓮池さん自身、左でも右でもない、とおっしゃっています。無自覚に左的なところも垣間見ましたが、まだ帰ってこない拉致被害者の帰国を今でも深く望んでいる気持ちは変わりないでしょう。

    たまたま弟さんが拉致にあったがために、蓮池さん自身も大変な人生を送ってこられたわけですからその点は深くご同情したいといつも思います。

  • 蓮池透さんが、「家族会」(北朝鮮による拉致被害者家族連絡会)の運動と距離を置くようになり、発言にも変化があって、以前はメディアにもよく出ていたが(「家族会」の事務局長をしておられた)、最近はメディアに滅多に出なくなった、という話を読んだのは、たしか森達也と藤井誠二の対談集『死刑のある国ニッポン』だったかと思う。被害者遺族で"ありながら"死刑廃止を訴えている原田さんのことも、やはり大きなメディアにはほとんど出ることがないと書かれていた。

    やっと予約本のスキマができて、気になっていた本を借りてきて読む。

    拉致被害者救出のために力をつくすという立場に、いささかも変わりはないが、「家族会」の運動のありようには疑問をもつようになったので、距離を置くようになった、と「はじめに」で書いてある。そして、「あいつは変節した」「裏切り者」とバッシングを受けているとも書いてある。

    サブタイトルにもあるように、右でも左でもない、ただこの運動が被害者救出を第一とするようなものであってほしいと、日本政府がおこなってきたこと、北朝鮮を動かしていくにはどうするのがベターか、また日本の運動をどうしていくか、についてまとめてある。

    運動のなかで、被害者家族のあいだでも立場の違いがあったこと、それでも最終的に統一して行動するということで、参加したくなかったデモに出たことがあるとも書いてあった。これはどんな運動にも言えることだろうけれど、基本的な一致点はどこか、そこで一致できたら一緒に行動することで、より大きな動きをうみだすことができる一方で、そのデモなり運動に参加した個人に、とりわけ批判的な立場の人からは(あんなのに参加してるのか)(あの人は、あれを支持してるのか)といった色づけがおこなわれてしまうこともある。よく知らない運動であれば(たとえば、テレビや新聞のニュースで出るのを見て知るような運動は)、とくにそうだろうと思う。

    どんな運動も、個人が集まってやっているものだから、一枚岩であるわけがない。それは理屈ではわかるけれど、テレビをあまり見ない私でもたまに見ることがある「家族会」などの「北朝鮮に経済制裁を!」という主張は、被害者家族の言い分にケチをつけるのは…という雰囲気とあいまって正しい感じがあって、でもその「正しい感じ」と経済制裁をという内容に、私は(それでええんかなあ)という気持ちがあった。

    蓮池さんも書いているように、経済制裁は、あくまでも被害者救出のために北朝鮮を動かそうという一つの手段なのだと思う。だが、もうかなり長いこと「経済制裁を!」という主張はニュースで聞いた気がするが、残念なことに、北朝鮮との間の交渉にはほとんど何の進展もない。

    政府が「制裁路線」を取っているのは、「家族会」や「救う会」(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)の強い要請を大切なものとして扱っているということでもある。だが、「家族の言うことだけをやっていればいいのだと、安易に考えてきたのではないかとも思う」と蓮池さんが書いているのも当たっているだろうと思う。

    家族の気持ちは尊重するにしても、国として、どう動いていけば、被害者救出への道がひらけるのか、日本政府に戦略がないのはそうなのだろうと思う。

    蓮池さんの弟さんたち日本へ帰ることのできた家族がのびのび暮らしているわけではないという。「自分たちだけ帰ってきて、忍びない」という思いがあり、いつも他の人たちのことが頭にあって、心から喜べない状態は続いている。蓮池さんの母上もまた、うきうきと笑顔で歩いていれば「まだ、めぐみさんの問題が解決していないじゃないか」と言われ、しょぼんとして歩いていたら「うれしくないのか」と言われるという。「私はどういう顔して、まちなかを歩いていいかわからない」という母上の困惑が、この問題が終わっておらず、続いていることの苦しさをあらわしていると思った。

  • 薫さんのお兄さん。テレビの画面で見ていた人より、とても豊な心を持っておられる方なんだとと知りました。報道をそのまま受け取るしかない視聴者の自分だけど、こういう風に本心を語られていれば誤解を解くこともできるので良い機会をいただけたと思います。

  • 北朝鮮による拉致被害者家族会の元事務局長、蓮池さんのメッセージ。

    日朝交渉の窓口すらない現状では、まず制裁よりも交渉を起こすことが必要だと・・・。
    右よりでもなく、左でもないイデオロギーで立ち向かうのではなく唯一、拉致被害者救出を「家族会」や「救う会」は標榜すべきだと・・。

    そして戦略なき交渉ばかりの日本政府のふがいなさ。

    山積みの問題にはいろいろな意見もある。難しい。

  • おもしろかった

    日本人ってなんで、こんなに『北朝鮮』についてヒステリックなんだろう

    現在日本国内では、プロパガンダが発生しているそうです

    『北朝鮮脅威論』を煽るとこと、世論煽動すること

    今北朝鮮に対して経済制裁をしてるけど
    普通、経済制裁を行う場合、その国の国家体制を弱体化させるけど
    一般の国民は救う、人道支援は必ずセットに行うそうです

    だけど、今の日本では
    人道支援もしてはいけない!!ってヒステリックになってる

    こんな国は他にないんだって

    もはや経済制裁ではなく、報復中であると、
    ある方が教えてくれました

    冷静な判断を欠いて、民衆がヒステリックになることほど、野蛮なことはないと思う
    愚民なんていわれないためにも、騙されずに、自分の頭で考えるべきだと思う

  • 弟を北に拉致された、蓮池透さんの手記。

    「家族会」や「救う会」と、日本政府とのやり取りの中で

    何が起こり、なぜこうなったのか・・・

    一瞬で読めてしまう量ではあるが、サブタイトルにもあるように

    左右の垣根を越え、日本と北とがしっかりと確実に対話をし、

    拉致問題を解決に導くための、考え方などが盛り込まれており、お勧めです。

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