“しょうがい”のある思春期・青年期の子どもたちと“性”―おとなになりゆく自分を育む

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著者 : 木全和巳
  • かもがわ出版 (2011年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784780304169

“しょうがい”のある思春期・青年期の子どもたちと“性”―おとなになりゆく自分を育むの感想・レビュー・書評

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  • 本書は,動向や理論をおさえた上で,セクシュアリティに焦点を当てて,実践に関する捉え方,支援方法についてまとめた本である。
    中心にあるのはセクシュアリティであるが,思春期・青年期をどのように捉え,支援していけばよいか提示してくれている。

    しかしながら,理論に関する部分がほとんどで具体的な実践例を求めたい人にとっては物足りない感があると思われる。


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    思春期は、理想と現実との間でものすごくゆれたり、葛藤がある時期です。この時期をのりこえようとするとき、人との関係とともに大切なのは学習の力です。今もっている力のなかで、価値の葛藤も含めてドロドロのさなぎの状態からぬけだすためには「学び」という作用が重要です。p56

    また、田中昌人さんは、「自助・自立」の考え方を批判し、「外から一方的に与えられるものではなく、内面から自主性と協調性、そして発展性がもたらされる」ことを重視する「発達的自立」という概念を提案しました。p67

    「自分つくり・自分くずし」という言葉は、一九八七年に出版された教育学者・竹内常一さんの『子どもの自分くずしと自分つくり』のタイトルに使われています。今から二○年以上も前に出された本ですが、書かれている内容は色あせていません。近代社会に生きる思春期の子どもたちに共通するこころの質的な変化のプロセスを、よくあらわしていることばです。p94

    この「自分くずし」の作業は、大きな不安をともないます。内的な必然にかられながらも、壊す、崩すという作業は、作るという作業に比べると、精神的な不安定さをともなうものです。p102

    しかしながら、こうした破壊の対象が、自分自身がそれなりに作り上げてきたものであること、それを自分で壊さざるをえないという過酷な作業を行おうとしているということへの共感的な理解は必要でしょう。p102

    こうした自分に対する信頼感は、裏返せば、他者たちへの信頼感の育み具合とも言えます。うまく飛べなかったときには、親たち、教師たち、仲間たち、地域の人たちが、きちんと支えてくれる。失敗しても何度でもやり直せばいいんだよと励ましてくれる。このような他者たちが、これまでの育みのなかで自分の心のなかにイメージとして育まれているかどうか、ということです。p103

    ヴィゴツキーは、思春期を「さなぎ」に例えています。乳児期、幼児期、少年期は、あおむしですね。何度も脱皮しながら、思春期はさなぎになって、青年期、そのさなぎから羽ばたいていくというイメージです。この比喩はヴィゴツキーが使っているものです。p107

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    思春期という時期を考えるにあたって,「自分つくりと自分くずし」というキーワードを提示して論を進めている。
    この捉え方は,高等部の教育実践において重要なテーマになると考えられる。

    自分つくり・自分くずしの実践として教師はどのようなことができるのか深めるための書になっている。



    Amazonより引用
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    目次
    思春期・青年期としょうがいのある子どもたち
    「少年期・思春期・青年期」の課題の見取図
    自立・性・しょうがいを考える視点
    「自立」について考える
    人間的自立と発達保障
    思春期のからだと危機
    少年期・思春期と「自分つくり・自分くずし」
    思春期・青年期と親との関係、親の役割
    思春期・青年期の課題をのりこえるための四つの人間関係
    しょうがいの理解としょうがいの受けとめ
    おとなになることと幼児性・万能感
    思春期・青年期と自慰の役割
    たった一度の人生だから

  • 具体例もあるが、基本的な論理(理屈)が多い。確かに、この問題を考える上での基礎なのですが、個人的には読みにくく頭に入りにくい。具体例にどう対応したのか、その対応を考えた根拠は何か、それでどう変化したのか(成功したのか、失敗したのか等)が知りたい。数例は対応まで載っているが少なく、現場で使えるものではないように感じた。

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