貧困のなかでおとなになる

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著者 : 中塚久美子
  • かもがわ出版 (2012年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784780305708

貧困のなかでおとなになるの感想・レビュー・書評

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  • 子どもの貧困について。

    無保険による未受診の問題、定時制高校で起きてくる問題、各地での支援の状況などが紹介されています。

    いろんな家庭の状況が少しずつ紹介されているので、概観を掴むのに参考になりました。

  • 朝日新聞大坂本社の記者だそうだ。朝日新聞もたまにはいいことを書く。ほんと福祉に携わる者として、切ない話だった。虐待の連鎖とともに、貧困も連鎖するのか。食事を無料で食べられる、子ども食堂が広まってるというけど、勉強をする場も必要なんだなぁ。定時制が定員オーバーしているとは知らなかった。我が地元もそうなんだろうか。大阪が特別なのではなく、大阪は速いのだ、というのが印象的。本当私が貯めている小金を他人様のために使えるか、というのを思いながら読んだ。ちょうど今日そういうキャリアの話をしたばかりだ。タイムリー。これから私はどう生きるか。

  •  6人に一人が貧困家庭で育つ。1週間に一人が、虐待で命を奪われる。5日に一人の学校がなくなる人数の高校中退者がいる(1学年6クラス40人学級想定)。これが今の日本の若者の現状。
    日本の公財政教育支出の対GDP比は3.4%で、OECD平均の5.2%より低い。データのあるOECD加盟国で最も低い。教育・子育ては自己責任でというスタンスだ。
     小学校の段階から、服装や日々の話題、行動範囲を学校の友だちとどれくらい合わせられるかという格差が生じている。貧困によって子ども間の社会的排除が、学校から始まるのだ。所得の高い家庭のほうが「やる気」があるという調査がある。やる気の芽生えは、周囲に「がんばることができている人」「安定した生活ができている人」がいるかどうかで違う。客観的可能性があるからこそ、主観的な願望が生まれるのだ。どんなに働いても生活に希望が持てない親を見て、子どもがやる気をもてるだろうか。
     子どもの無保険問題。お金がなくて保険を諦めている親もいるのに、厚生労働省は「基本的には無保険の人はいない」として無保険者の実態を調査していない。
     所得200万円の40歳代夫婦と未成年の子ども2人世帯の場合、府内の平均国保料は約41万円。高いところでは約50万円だ。払えるわけがない。ご飯を食べないで保険料を払えというのは絶対おかしい。子どもに限っては未加入でも国保に入ってるとみなすべきだ。
     高校中退者と授業料の減免率は相関関係がある。経済苦の家庭ほど中退者が多い。
     当事者が発言力のない子どもであるため、埋もれてしまっている。
     イギリスでは親の支援をする場をショッピングセンター内に作っている。支援を必要とする親たちはショッピングセンターに集まる傾向があるからだ。ゾンビと同じ行動原理だろうか。

  • なんでこうなったんだろう?これが先進国か…未来がない。

  • 日本の子供の7人に1人は貧困状態である…という衝撃の事実を、大阪の事例を中心にまとめたもの。著者はNHKの大阪支社の人だそうです。
    低学歴で貧困状態の家庭の子は、やはり将来も貧困状態になりやすいというスパイラル。それを「貧困から脱却するのは本人の努力」「自己責任だ」と子供に向かって言うのは酷というもの。スタートラインが違うし、そもそもそういう家庭で育った子は意欲が低くなりがち。
    子供は生まれる場所を選べないのだから自己責任論で「家庭の責任」とするのではなく「社会全体で子供を育てる」という思考が本当に必要なのだと思います。将来の生活保護受給者を増やさないためにも。
    激しい格差社会のイギリスの例とか、ためになります。

  • 子どもの教育に関わる人、またはこれから関わろうとしている人には必読書です。

  • 財政再建を理由に市民福祉や社会保障を削る風潮があって、それへの反対意見に対して「長期的な目線を!」や「甘やかすな!」といった批判を食らうが、この本に出てくるデータや様々な事例を見ただけでも「どっちが短絡的なのか」や「自分達の考えるやり方の結末を考えろ!」や「「頑張れば何とかなる」という考えのスタートラインにも程度がある…あまり根性論を押し付けるな!」といった考えに至る。
    行政がその考え方なら市民同士で結束して戦っていくしかない。

    また、この本を読んで、市民レベルのボランティアの学習指導もさることながら、橋下によって潰されようとしている「こどもの家」事業や定時制高校といった子どもたちの最後の拠り所は何としても残す方向に進まないとこの国は終わるとも思った。

    「貧困の連鎖」「貧困の世代間継承」断ち切るには貧困から抜け出すための「教育」と「環境整備」は不可欠。


    メモ
    「始めから子どもの芽を摘む社会」


    お金がないから欲しいものや必要なものが手に入らない不便さ×

    →お金がないことから始まる孤立、あらゆる情報からの疎外、学業不振、学力の遅れを立て直せない環境、夢を持たないという自己防衛

    6人に1人が貧困家庭で育つ(323万人)
    1週間に1人が虐待で命を奪われる
    5日に1つの学校がなくなる人数の高校中退者がいる
    (1学年6クラス40人学級想定)

    貧困線(国民生活基礎調査)
    4人世帯→224万(月18万6000円)
    3人世帯→194万(月16万1000円)
    2人世帯→158万(月12万2000円)

    子ども一人当たりの年間の学習費(学用品、通学日、修学旅行代、給食費、習い事、参考書等)
    公立の小学生30万円、中学生46万円、全日制の高校生39万円

    学力がつかないことが貧困につながり、さらに次の世代も学力がつかないという貧困の再生産

    定時制高校は貧困層の受け皿
    普通科高校(全日制)に入れなかったものの、私立にも入れない子ども
    、働きながら通う子ども(入ってからも制服代や教科書代、修学旅行代など色々と費用がかかる)

  • 朝日新聞の連載に加筆・修正をしたもの。著者が大阪本社の記者さんなこともあり、大阪府の話が多いです。あと教育に関する話も。「ドキュメント高校中退」を読んだ時も思ったけれど、受け皿として定時制高校は大事だと改めて感じた。

    最新データによると生活保護受給者の4分の1は生活保護受給世帯で育ったそうです。そんな中、生活保護費が引き下げられるとのニュースも。貧困の連鎖が減る日は来るのでしょうか・・・。

  • 「貧困の連鎖」、「貧困の世代間継承」、子どもにかかる予算などを減らそうとしている自治体もあるが、本当に必要なのはその子たちがさらなる保護を必要としないように力をつける支援をしていくこと。
    まさにその通りだと思う。
    その方が合理的とも思えるのに、そうなっていかないのはどうしてなのか、、、

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