- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781403144
作品紹介・あらすじ
◆短歌日記2007
記憶とは伝えておきたい願い
感想・レビュー・書評
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有限会社ふらんす堂さんという出版社のホームページに2007年1月1日から12月31日まで連載されていた歌人・東直子さんの短歌日記。
その日の日記とその日の短歌が本の中で息づくように綴られている。
日記の短文も、短歌も、詩的で、私的で、読んでいると、何があったんだろうと、ドキドキしてしまう。
わからなさ、と、わかる、がミックスされていて、ミステリアス。
自分も日記を書きたくなった。
続いたためしないけど。
この短歌日記シリーズは他にも他の歌人のものが何冊もある。
現在も続いていて、今は大口玲子さんが書かれている。(俳人の俳句日記もある)
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2007年の1/1〜12/31までの毎日、短文が添えられて短歌が綴られてる
1年の季節感を一気に通り抜けたようで、また年末の寒さに戻って寂しくなった。
所々で自分は、あの人はこのとき何してたんだろうとか想像して、なんにも覚えていなくて、どうでもいいことでも何らかの形にしていくことは素敵だと思った。
以下、個人的にすきだったやつ
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6/3
昨日、映像の中で白い地平線を見た。
今、ここてやいのやいの言っていることは、いずれ無意味になるのだなと、ほほえましい気持ちになる。
金属のこすれるような音を出し少女は三メートル走りぬく -
手に馴染む小さめのサイズと不思議な装丁に惹かれて。
歌人・東直子さんが毎日Webに掲載した短い日記と短歌一首を、365日分集めたもの。
日常生活の中で紡がれた言葉だからなのか、全体的にやんわりとした印象を持ちました。
ページをめくる中で、どこか引っかかる歌やハッとする歌に出会い、しかしさらにページを繰るうちに、その感覚がだんだん遠のいてゆく。
その移ろいゆく様が日常そのものであるように思えて、愛おしいと思いました。
私生活が忙しい時期に読んでしまったため、一首一首を十分に味わえなかったように感じています。
本当はリラックスしようと思って読み始めたのですが、結局せかせかと読み終えてしまいました…残念。
歌集は心にゆとりのあるときに読むべし、ですね。 -
東直子(1963年~)氏は、広島市生まれ、神戸女学院大学家政学部卒の歌人、小説家。1990年より短歌等の投稿を始め、1996年に「草かんむりの訪問者」で歌壇賞(公募による短歌の新人賞)を受賞。これまで、NHK短歌、歌壇賞、角川短歌賞、東京新聞歌壇、山陽歌壇(山陽新聞)などの選者・選考委員を務める。
本書は、『春原さんのリコーダー 』、『青卵』に続く第3歌集で、2010年に出版された。
本書は、2007年の1月1日から12月31日まで、ふらんす堂のホームページで「短歌日記」として毎日連載されたものまとめたものである。著者は当時八王子の丘の上の団地の10階に暮らしており、1ページに、その日のエピソードの短文と短歌が一首書かれた本書は、題名通りの短歌による日記となっている。
私は最近現代短歌に興味を持ち、現代短歌の代表的な歌人である著者の本書を手に取った。これまでは30余年前に俵万智(1962年~)の『サラダ記念日』を読んだことがあるだけで、今般、穂村弘(1962年~/東氏との共著や対談も多い)の『ラインマーカーズ』、木下龍也(1988年~)の『つむじ風、ここにあります』などを併せて読んでみたが、それぞれの作風にはやはり違いがあり、それぞれの良さが感じられた。全くの素人としての、著者の作風に対する感想は、とんがり過ぎず、なめらか過ぎず、また、同世代(とはいえ、本書の歌が詠まれたのは十年以上前だが)としてとても共感を覚えるものだった。
いくつか印象に残った歌を挙げてみると。
「十年後それぞれに老いそれぞれに生きているのか祝祭つづく」
「誰がなにを言ったとしても春風のざっくばらんな私を生きる」
「窓に咲く花も土に咲く花もこのときだけの空をみていた」
「今つよくおもったことを告げたくて花道走るように枯葉は」
日記形式で四季を巡るコンセプトや装丁も素敵な歌集である。
(2021年5月了) -
【推薦者】O.K@襟足バンビ教室 師範代
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好きな歌
1/19「ぜんぶ見えているとしたって私の紐の中には立ち入らないで」
2/13「なにをしているかわからぬ者ですが不思議に今日も生きております」
2/17「正座別血液型別運不運明るく決めつけられて不愉快」
5/1「やあ君は五月の鳥だ幾らでも迷ってもいい五月の鳥だ」
5/13「物語は読み返せてよいよねえ あたしの時間はもどせないのに」
6/16「十年後それぞれに追いそれぞれに生きているのか祝祭つづく」
8/3「生き物である苦しさに真夜中を抜け出し歩む道なまぬるし」
9/7「もう雨は止みそうにない隣り合った人とこのまま暮らすのでしょう」
10/19「現実と真実のごとブランコは二つ並んで一つが揺れる」
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とても美しい本
毎日がこのように印象深ければ人生はどれだけ豊かだろう -
日々の短歌と日記。
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2012.2.11読了。
心にとまった短歌を書きとどめていったら、偏りすぎてて笑った。読む年齢、場所、季節によって響くものは変わるだろうとおもう。 -
こんなふうに作れたらなぁ。
『水銀灯が消えるまで』の解説で穂村弘が書いていたすごさが分かる。
なんとしても『春原さんのリコーダー』を手にいれたくなった。