杉の秀

著者 : 上中光
  • ふらんす堂 (2016年12月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781409283

杉の秀の作品紹介

◆第一句集
葉先よりこぼれ螢となりにけり
こぼれて分かる螢の美しさは、たちまち消えて美しい虹のようだ。

コスモスや思ひ思ひの風えらび
一面のコスモスが風によって、てんでんばらばらに揺れている。まるで万華鏡。

杉箸の香りを割つて冷奴
「香りを割って」が眼目であり、香りが冷や奴の味覚まで連想させる。

夢や希望といった美しいものを求める態度が、著者の根幹にあることが伝わってくる一冊である。
(帯より・鷹羽狩行)

◆桑島啓司抄出
水温む鱏はマントをひるがへし
うれしさは口笛に出て青き踏む
クルーズのディナーのワイン星涼し
葉先よりこぼれ螢となりにけり
読み聞かす絵本を買うて原爆忌
杉箸の香りを割つて冷奴
美人湯にどつぷり浸り旅の秋
爽やかや吉野は杉の秀を正し
立冬や背筋のばせば影も伸び
花柄の散るほど打たれ干蒲団

ツイートする