源氏物語 (まんがで読破)

著者 :
  • イースト・プレス
3.31
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本棚登録 : 221
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781603131

作品紹介・あらすじ

西暦1000年ごろに誕生した王朝ロマンス「源氏物語」。 主人公は帝と桐壺の更衣の悲恋の末に生まれた皇子、光源氏。 生まれもった美貌と才能で多くの女性を魅了し虜にしていく。 本当の愛を探す人生の果てに見えてきたものとは…? さまざまな人間模様が交錯する70年にも及ぷ物語。 海外でも愛読されている宮中恋愛小説の古典を漫画化。

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物の顔、特に女性は似ているので少し区別つきにくいが、だいぶ物語を簡略化して全体の相関図がわかりやすいように整理されて、復習になった。源氏のどうしようもなさと振り回される周りの女性達の困りっぷりがコミカル。

  • 藤壺の宮は先帝の姫君だったのか。最初から桐壺でなく藤壺を入内させていればよかったのに…そうしたら、源氏物語も始まらないけど。

    藤壺への失恋のショックを癒すために、あんなに次々と新しい女性に手を出したの?執念深いな。父親と女性を取り合うなんて、ツルゲーネフの『初恋』を思い出してしまう。あの話も最悪だった。

    光源氏の行動の、マジでこいつあり得ないとしか言いようのない行動は、うまいことぼかされたりカットされている。それでも隠し切れないダメさを光源氏からだいぶ感じる。

    藤壺は桐壺の身代わりで、紫の上は藤壺の身代わり。
    光源氏は(この漫画の中では)帝が愛しているのは本当にあなたなのかと藤壺に迫ったけれど、光源氏も妻に対して父親と同じことをしている。

    柏木と三宮の息子で、表向きは光源氏の次男ということになっている薫も初恋の人(大宮)の面影を中の君(大宮の妹で友人で親戚の匂の君の妻)に求めている。
    平安時代は元恋人の面影を別の人に求めるというのが流行っていたの?

    そういえば、菅原孝標娘が書いたと伝えられている『浜松中納言物語』も唐で出会った妃の妹に帰国してから出会って、元恋人の面影を見て片思いしてたし(のちに失恋)、それに紫式部の身近にいたはずの和泉式部の書いた『和泉式部日記』はまさに失った恋人の面影をその弟に見ることから始まる恋だった。
    和泉式部は死んだ人より生きてる人を優先するけど。うん、『和泉式部日記』での和泉式部は、もうちょっと死者を悼んだらと言いたくなるほど死者への思い入れが少なく見えた。
    『和泉式部日記』が成立したのは、和泉式部が弟宮と死別してしばらく経ったころらしいので、兄宮を失った痛手よりも、弟宮を失った痛手の方が強くて、兄宮への気持ちが浅く見えたのかもしれないけれど。

    こうして書いていると、なんだか源氏物語の成立過程が気になってきた。

    なんだか『浮舟』のラストは良い話風だったけど、実際の原作ではどうだったんだろう?

  • 【感想】
    平安時代の生活や人間関係を学ぶことができる。
    授業で古典を習っているけれど、いまいち理解できない、、という人におすすめ!私もそうだけれど、この本を読んだことで、少し興味が湧いた。
    漫画だから読み進めやすいし、面白い。

    平安時代の恋は男性は何人もの妻を持っているから、相関図がとても複雑で驚いた。ひとりずつ確認して、しっかり理解しながら読み進めた。人間関係が理解できてくると面白い。

    『出世』も今まではよく分からなかった。けれど、恋がきっかけで気持ちがドン底に落ち、現世から逃げ出したい時などに仏門に入ることをいう、ということを知った。

    【知識】
    *『出世』→家を出て仏門に入ること。僧や尼になって厳しい戒律の中で生きる。世俗的な執着を全て捨て、全ての人間関係を断ち切る。
    =死別することと同様の重い意味を持っていた。

  • 源氏物語ってこんなに面白いんだ!と気付かせてくれた。
    もっと私を見て!とか、
    なぜ私を見てくれないの などなど
    平安の世から愛しい人だからこそ生じ得る気持ちは変わらないのだと思った。
    学生の時に読みたかったな〜

  • 所有紙本

  • 光源氏の准太上天皇まで上り詰めたカリスマ性と周りの女性を不幸に陥らせるカリスマ性が光っていました。時代ということもあり男尊女卑の色が強く出るのは仕方ない…かな。

    場面場面の描写が読み取りやすいという漫画のメリットが存分に活かされ1冊でした。

  • 性と死

  • 源氏物語をマンガでサラッと読めたのは良かった。マンガで大筋を理解した上で、小説を読んでみたい。

  • 2018/08/18


    「あさきゆめみし」よりも(当然ながら)ざっくりと
    あらすじを追っているので、全体をつかみやすい。
    それでもかなり長いけど。
    こうしてみると、源氏は本当にクズう。。。
    演題の価値観点で見るべきではないけれど、それでも女の敵であるよ。
    それはそれとして、「男女の情」階級、身分、しきたり、と
    様々なもので縛られていた時代を、最大限に利用し
    こんなストーリーを描き切った、紫式部という人間は
    どんな女性だったのだろう。

  • まんがで読破を読破するシリーズ。
    源氏物語は「あさきゆめみし」を読んだことがあるだけに、端折り過ぎの感が否めない。本シリーズ全部そうなんだろうけど。登場人物の感情の機微が描かれていないよな。
    それにしても、源氏も薫も自己中心のクズ男ですよね。でも、そんな男に魅かれてしまうダメンズウォーカーがいて、それを書いた読み物は、どの時代でも求められていると。

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著者プロフィール

平安時代の作家、歌人。一条天皇の中宮、彰子に仕えながら、1007~1008年頃に『源氏物語』を完成されたとされる。他の作品として『紫式部日記』『紫式部集』などが残っている。

「2018年 『源氏物語 姫君、若紫の語るお話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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