竜の学校は山の上 九井諒子作品集

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著者 : 九井諒子
  • イースト・プレス (2011年3月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・マンガ (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781605456

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竜の学校は山の上 九井諒子作品集の感想・レビュー・書評

  • RPGで魔王を倒したことがある人は読むべき漫画だ、たぶん。
    ゲームしないからわからんけど。

    RPGというわかりやすい勧善懲悪ものも(知らないだけでそうでないのもあるかも)、久井ワールドでは「ラスボス1人倒しただけで世の中平和になったら苦労しないわ」ということになる。

    ゲームにはゴールが必要だけれども、現実の世の中に「ここにさえたどり着けばすべてが解決」というゴールはない。

    でも、じゃあ現実がゲームみたいだったらよかったのか?
    答えが一つの世界ならよかったのか?
    争いの元は絶やせばいい、猿人(ホモサピエンス)と馬人(ケンタウロス)のどちらかしかいない世界にすればいいのか?
    というと、
    「そーかもね
    でもちょっとだけつまんなかったかもね」
    (from『現代神話』)
    なのだと思う。

    答えはわからんけど、諦めないよ。
    諦めるということは見捨てるということと変わらない。
    希望こそ、勇者がくれたものだ。

    ……というなんか説教臭いレビューになってしまうんだけど、久井さんはこれを、全部ファンタジーの体をとっているのに妙に現実くさく、笑えるほどしょうもないレベルに落として、私の隣で喋ってくれるので、笑いながら、ぎくっとしたり、あああーーー…あるよなあ……となったりする。ないよ。同僚がケンタウロスだったり、クラスメートに羽生えてたりはしないんだけど。
    でも似たような「異種」はいくらでも隣にいるんだろう。私が異の方かもしれない。
    でもどんなに異に見えても、きっと「なーんにも変わらない」んだろう。ケンタウロスに言われてしまうとな…。
    そんなもんだと考えれば、いくらか、一緒に暮らしていくための良い意味での諦めと希望が見えてくるような気がする。
    まあ、しょうがないか、という感じで。

  • これは面白い。魔王討伐後の世界とか。ドラゴンが普通の現代とか。とか。とか。ファンタジーなのに地に足着いてる感じでするすると溶け込むように読めてしまう。沁みる。ケンタウロス族と人間が共存する世界のお話かわいかったな。

  • 現代の日本(?)に竜がいて竜学科のある大学があったり、背中に羽が生えていて飛べる人間がいたりと、世界観が独特で面白かった。
    勇者が魔王を倒したその後の話は切なかった。

  • 読み返す時用メモ

    ・帰郷
    平和になったその後/結局勇者が輝くのは魔王がいるからなのよね。切ない。
    ・魔王
    王女と魔王/吟遊詩人が紡ぐ一昔前の切ない物語。語られている部分の台詞無し表現が堪らなく好きです。
    ・魔王城問題
    魔王城の使い道/実際使い道困るよね・・・。(笑)ここまでの3話が「魔王が倒されて平和になったはずだけど当事者は全然ハッピーじゃないよ!」という流れで中々のやるせなさを食らうなど。この話の姫の希望で救われる感覚。
    ・支配
    プレゼント/星新一さんのショートショートのような。小さな親切大きな~ですな。人のため、って難しい。
    ・代紺山の嫁探し
    急募:神様/龍って!良いよね!!!すべて丸くおさまったかと思いきや最後が一番印象深かった。しんどいなぁ。
    ・現代神話
    猿人と馬人/馬人になりたーい!ないものねだりで隣の芝生。二組のペアがほどよく切り替わって多角的に楽しめて面白かった。
    ・進学天使
    羽のはえた同級生/相手を想うってことは優しいだけじゃないんだろうけども。潔さが痛い。
    ・竜の学校は山の上
    利用価値/個人的には何の役にも立たない事に時間を費やした挙句それが何にもならないのとか大好きなので悩ましいところですが、目を向けられないものに意義を与えるという心意気はとても好きです。素敵。
    ・くず
    くずの中のくず!/褒められてるけど褒められてない気しかしないこの。

  • 読後、「こういうのがずっと読みたかった」そう思えた。出会えて嬉しい。

  • 「ダンジョン飯」の作者さんの短編集
    ファンタジーでありながら妙にリアル
    現代の問題を内包しながら独特のタッチで描かれる話はどれも「なるほど!」と膝を打つ内容
    どれも好きなお話でしたが
    「進学天使」は、せつない初恋もの
    価値観ってなんだろうって考えてしまう

    最後の「くず」は、すごーく考えてしまった
    読み終わったあと、怖いけど主人公に少し救いがあったのが私の中でも救いになった

  • 表紙の画的に、ダンジョン飯から入ったからそういうマンガかと思うじゃないですか。
    最近割と書かれてるような気もする、「世界を救った後のファンタジー勇者」に関する話がいくつか。そこからグラデーション的に、現代日本にモーフィングしてくるファンタジー世界がやってきたら、のSFがいくつか。
    面白い。ファンタジー好きなんだろうなぁ。
    「必要なものと、これから必要になるもの」というのは、ものすごく重要な視座だと思いますよ。「今不必要なもの」に対する施策が如何に多様性を殺してきたのか。
    おもしろい。

  • 短編集。

    冒険後の勇者の扱いとか、世間の態度の変わり方などリアルな感じでした。所詮他人任せで、平和にならないのは誰かのせい。
    イラッとするけど民衆心理とはこんなものだろうとも思います。

    ケンタウロス型のよく働く馬人と通常の猿人がいる世界の話も、妙に現実感があって面白かったです。

    不思議な設定の話を現代社会に馴染ませるのが上手いです。

  • これほど雰囲気のしっくり来る作品は久しぶりだった。
    素朴と幻想と、日常と非日常とがいっしょくたになった短篇集。丁寧。

    中には納得の行かない結末が付けられているものもあったが、そのくらいでちょうど良い。

  • リアリティに溢れるファンタジー。

    舞台や設定はファンタジーだけれど、ストーリーや登場人物たちの思考、心情がとてもリアル。
    細部まで徹底して作り込まれた設定が、現実にも起こりうるかも…というようなリアリティを生み出している。
    そのリアルさに読者側も身につまされることも多いはず…

    ファンタジー要素を加えることで比喩的に、押し付けがましくなくメッセージを置いていってくれる。

    そんな作品でした。

  • 着想、隠喩、風刺に光るものがある。
    未来を感じさせる。

  • 一話一話世界観を作り出す素晴らしい漫画家さんです…。いいなぁ。
    その世界観が生半可なものじゃなくて、こんな問題があるとか、悩みとか、歴史とかそういうものがきちんと細部まで生み出されていて本当にすごい。
    竜がでてくるからなのか日本昔ばなしのような教訓を得られる物語が多い。絵本にしたらまさに大人のための深い絵本になるんだろうな。是非やってほしい…。

  • 派手すぎない華やかさの中に溢れている生活感が心地よい。読み手に寄り添ってくれる優しいファンタジー。

  • 帰郷/魔王/魔王城問題/支配/代紺山の嫁探し **/現代神話 */進学天使 */竜の学校は山の上/くず

  • 表紙のケンタウロス奥様がインパクト大な丸井さんの初短篇集。
    魔法や人ならざる者が普通に存在している「ここではないどこか」で生きる人達を描いた、切なかったり優しかったりする九つのお話が収録されています。
    これ以降の丸井さんの作品全般に言えますが、日常⇔非日常の距離感が絶妙で気持ちいい。
    ファンタジーというか、SF(すこし・ふしぎ)。
    繊細で見やすい絵柄もいいですね。何より女の子がべらぼうにかわいい。神としての龍と生物としての竜の描き分けや半人半獣の者たちなど、人外キャラへのこだわりが感じられるのもイイ…上は若妻・下は駿馬とかいう素敵なフェティシズム。
    各話の要素が盛り込まれた表紙を読み終わったあとに眺めるのも楽しいなー。

  • ファンタジーの世界の日常、綺麗に見えるはずの世界の葛藤。
    魔王を倒した後、勇者はどうなるのか?
    同僚や恋人がケンタウロスだったら?
    例えば竜が出てくる話は、作品によって姿や視点が違う。
    淡々としているのに優しくて悲しくて人間臭い。
    こういう作品は女性にしか描けないのだと思う。
    描き込まれているのにくどくなくて美しい絵も必見。
    しかも話に合わせて画風を変えている!!!

    デビュー作品集!?
    信じられない。
    短編集なのに一つ一つの話が丁寧に作られていて満足感があるからものすごいボリュームに感じる。
    価格は1000円と高めだけど装丁も綺麗だし、迷ったら購入する事をお勧めします。

    どれも大好きだけど、「進学天使」の切なさが尋常じゃない…
    こういうミニシアター系の映画ありそう。

    こういう作品に出会うと、漫画を好きで良かったなぁと思います。

  • ファンタジー世界のリアルな日常を描く、ありそうでなかった?感じ。
    抑えたトーンが心地よい。

  • 『竜のかわいい七つの子』がおもしろかったのでこちらも購入。
    とてもおもしろかった。
    ドラゴンクエストなどのRPGのような世界観と、そのテンプレートともいえる設定を皮肉ったようなストーリーで四本、昔話のような日本のとある田舎での神様の嫁取り、人間とケンタウロスがふつうに共存する世界での日常話、翼のある同級生の女の子の話、竜がいる世界の大学生の話、ちょっとアヤシイ実験?の話、が入っている。
    最初の四本以外はどれも、日常にちょっとしたRPG要素が入っているような、ふしぎな世界観がおもしろい。
    やはり特に好きなのは『現代神話』。奥さんがかわいくてならない(笑)。
    この本が出版された直後、ケンタウロスが出てくる漫画があると聞き知っていた。ケンタウロスといえばえすとえむさんで、流行ってきてんの?と思った覚えが。『はたらけ!ケンタウロス』とある意味似ている世界である。

  • これぞファンタジーの極意と思います。
    なにかというと、
    現実の世界に明らかなるファンタジーを持ってきて、
    かつそれが「本当らしく」感じさせることに成功している。
    ファンタジーって、直裁に真実を描く以上に、鮮やかに細やかに強調されて、訴えることのできる 手法の一つみたいなもんだと思う。
    現実の比喩みたいな。

    ありえないことなのに、なんかわかっちゃう。

    共感を抱くことのできるのは、作者さんの観察眼と表現力の賜物だ。

    ただ「RPG」「美女と野獣?」の作品の筋書きが、改訂されているところは、残念だった。
    正直説明的になってしまっていて、前の方が美しかったように思えるから。

  • 短編ファンタジーです!

    絵も丁寧に買い込まれていて
    とても読み応えがあります
    迷っていいる方がいればぜひ読んでください!

    今まで読んだ漫画の中で
    気に入ってます

  • ”短編であることのよさ“をこんなに感じられた作品は久しぶり。
    ファンタジーなのかリアルなのかの境界が無意味に思われる。

    1話目(『帰郷』)がものすごく好きだ。
    言わせずに、ただコマと絵で魅せるだけ、という箇所が多々。
    内容も好みだったしな。

    3話目はタイトルも好き。
    『魔王城問題』て。
    いい話だった。

    ただ、インパクトと愛おしさでいったら
    『現代神話』のしーちゃん。
    これを見て、やっと
    「読め! ケンタウロス」の
    あの主婦ケンタウロス氏はこれだったのか、と気がついた。
    しーちゃん、ともかくめちゃくちゃ可愛い…!!

    全編に見逃せない細々としたものがちりばめられていて、
    大変お気に入りな1冊になりました。


    カバー下の隠しは必見!!

  • 少し値段が高めで手を出せずにおりましたが、買ってみたら……面白い!!
    サイトで見たことがある物もそうでないものも、どちらも楽しめました。買ってよかった~!

  • 天使の話だけpixivで見たことがあったけど、やっぱりこれが一番心に残るな。
    能力を持つ者が持たぬ者に合わせる必要はなく、その能力でやるべきことをがやるのが持たぬ者にとっても救いでもある。それはむしろ能力を持った者の義務ですらある。男の子が空を飛んだ天使の子を見たとき、その美しさと何もない普通の自分を心の奥底で比較しながらこんなことを感じたんじゃないかと自分は思いました。
    今はオリンピックもやっていて天才をよく見る機会もあるのでより一層こういうことを思ったのかもしれません。
    あとはケンタウロスの話も良かった。これもやはり人々の能力の差とそれにつきまとう悩みやら笑いやらの話。

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