「いき」の構造 (まんがで読破) (まんがで読破 98)
- イースト・プレス (2011年12月29日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781606934
作品紹介・あらすじ
江戸時代より広がり、いまや日本国民共通の美意識と考えられている「いき」。哲学者・九鬼周造によれば、「いき」は世界でも日本だけにみられる感覚であるという。日本人にも説明の難しいこれらの感覚を、西洋理論を用いて分析する。その哲学とも、日本文化論とも異なる、日本の思想史上もっとも異色な論文を漫画化。
感想・レビュー・書評
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NDC(9版) 726.1 : 漫画.挿絵.童画
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意気とは、
運命によって諦めを得た媚態が、意気地の自由に生きること。
何だかやっぱり分かったような分からないような…。
感覚的な言葉だから、論理的に説明するのは大変そうですね
意気の本質を、野暮や深みや甘味などを絵にして説明しようとしている箇所もあるのですが、結局どういうことかよく分からない(笑)本書でも、経験をふまないと見出せないと書かれており、何だかなぁ、ともやもやする書籍でした。 -
日本民族に独自の美意識をあらわす語「いき(粋)」とは 「運命によって〈諦め〉を得た〈媚態〉が〈意気地〉の自由に生きるのが〈いき〉である」
「いき」の美意識は現代に何をもたらすのでしょうか.
「無数に広がる人生から,自己の人生を描いていく. 人生はこれのくりかえし」 (cf. pp. 186 -187)
著者の九鬼はハイデガーの愛弟子でした.
ここでは実存主義的な「投企」projet を説明しているのでしょうか.
原作を未読のため,さしあたり評価なし
https://note.com/hidenor/n/ncb1b00a5aae5 -
<目次>
序章
江戸っ児
媚態
意気地
「いき」の外延的構造
諦め
終章
2018.10.26 読了 -
諦めを得た媚態が、意気地をもって生きる
ってこと。⇄野暮 -
まんがで読破を読破するシリーズ。
江戸っ子のベースとなっていた、「いき」とは何かを、病気の母を持ち、けんかっ早い千太の成長とともに描く。
「いき」とは運命によって「諦め」を得た「媚態」が「意気地」の自由に生きるのである。
雪とのやり取りが切ないね。
って、原書は論文なんだよね。どこまで九鬼周造が語った言葉として理解すればいいんだろう。 -
原著に基づいて漫画化されている部分は190ページある本文中115〜120ページのわずかに6ページのみらしい。
それ以外は原著とは何の関連もない、江戸っ子たちの人情話の寄せ集めだが、それによって「いき」を解明しようとした力作(?)か。
肝心要の部分は雰囲気としては何となく伝わってくるが、これで構造が理解できたとはとても思えない。
しかし、原著のほうも難解で辟易するとの感想もあるので、
日本人特有のいきを考察する足掛かりとして一定の評価はしてもいいかもしれない。 -
「粋の構造」 九鬼周造
粋の三要素 1.媚態 異性と自分との間における緊張状態。
2.意気地 自己に対する制約
3.諦め 垢抜けてあっさりしている。世間の裏切りによって得られる仏教の無情の概念に近い。
粋とは、運命によって諦めを得た媚態が意気地の自由に生きる事。
恋の束縛を超越した浮気心。
さびは、ろ、上品、地味を下面とし、い、意気、渋みを上面とした三角柱で表される。 奥ゆかしく、落ち着いて高貴ある様。
味は、甘味が意気を通じ、渋みへと転換する過程より見出せる。人として味がでてくる。
粋の本質とは、様々な経験を踏まないと見出せない美学。 -
いきって難しい。
感覚でできるようになれば、それこそ、いきだろう。 -
江戸っ子大工ストーリーよりも立方体で示したイキの構図が気になる。