すごい人のすごい話

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  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781607788

作品紹介・あらすじ

荒俣宏と15人の賢者たちの"元気が出る歓談"。

感想・レビュー・書評

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  • 対談時間(ペース?)が短くて
    さらっと読める反面
    もう少し深掘りして対談を聞きたい(読みたい)
    と思う語り手の方も
    個別に著作を探してみようかな
    オールデイズクラブ古書即売会にて購入

  • どうみても好きな事だけやってるように見えるアラマタさんが会いたい人にあって話を聴くという大変うらやましい企画を書籍化。よく知らない人が多いが守備範囲が本当に広い。

    元河川行政マンの竹村公太郎さんによると江戸城の正門は半蔵門、大手門は湿地の埋め立て地で雨が降るとドロドロになってたはずで、だから半蔵門から甲州街道がメインルートだと。話はここから赤穂浪士へ飛ぶ。16人ほどが隠れてた麹町は旗本屋敷の番町と徳川御三家の紀尾井町に挟まれた最も警護の厳しいあたりでなんでそんなところに隠れてられたのか。しかも吉良家は討ち入り直前に内堀の一等地からこれまた湿地帯の本所へ引っ越しさせられている。そして四十七士の墓は家康が建てた泉岳寺に。黒幕は幕府じゃ!日本人の軽小短薄好きは江戸時代には始まっていた。ローマの時代から馬車で走る街道を持つヨーロッパと違い、東海道でもやっと馬が1頭通れる程度の幅しかなく荷物は担いで歩いてた。「スモール・イズ・ビューティフル」当時は体も小ちゃかったしね。

    渋滞学者の西成活博さんによると高速の自然渋滞は車間距離のつめ過ぎでブレーキを踏むのが原因だとか。小仏トンネルで渋滞が発生すると、自分で車を走らせて渋滞を取りに行く。相模湖あたりから車間距離を40m開けて時速70kmほどでゆっくり走るとそのうちその早さが心地いい車のブロックができる。そのまま八王子まで3往復すると渋滞が亡くなるらしい。へぇ〜っ。ただし中国の行列は人に譲るとどんどん後ろに回されるので効かなかったって、残念!

    阪大教授の板見智さんが研究するのはハゲ。頭を洗いすぎるのがよくないとか、皮脂が溜まるのがよくないとかは根拠がないそうだ。男性型脱毛症に関しては男性ホルモンに働く酵素を阻害すれば効果があることがわかって来たらしい。商品名「プロペシア」で医師の処方がいる。ただ効果が出るのには年単位らしい。月1万円ほどだそうです。抗がん剤を飲むと毛が抜けるのは細胞分裂の一番活発な毛髪の細胞を攻撃してしまうから。逆にすごく毛髪の細胞分裂を加速する薬は、がんの増速もしてしまうかも、なかなかうまくは行かないようである。

    映画評論家の町山智浩さんによるとイラク侵攻はエリートのパパ・ブッシュが「サダムを攻撃するな」というのに出来の悪い息子が「いいや、俺は攻撃するぞ!」と反抗したのが原因だとか(映画「ブッシュ@オリバー・ストーン」より)この映画の構図が「エデンの東」と同じなんだそうだ。ジェームズ・ディーンかっ!アメコミヒーローの変遷もすさまじく、60年代までは単純な正義の見方だったのに、ベトナム戦争後にはキャプテン・アメリカは髪を伸ばしてやさぐれるヒッピーになり9・11後にまた愛国者へと変身スーパーマンも80年代にグレている。

    霊長類学者の鈴木晃さんは地獄谷温泉の温泉猿を発見した。というか餌付けしたえさが露天風呂に落ちて小猿が落ちたのが始まりなので教えたといっていいのでは?四至本アイさんの対談では朝ドラに出てる葉山蓮子(仲間由紀恵)のモデル柳原白蓮の想い出話が登場し、魚類学者の林公義さん真冬の葉山で天皇陛下といっしょにハゼとり。先に見つけたけど待つしかない・・・他にも鯨、演歌、ウイルスからお遍路までと盛りだくさん。

  • 「なんてすごい人なんだ」と著者の荒俣宏氏が、どうしても拝聴したい人達との対談話。話題は、死、感染症、オラウータン、アメリカン・コミックだとか文化的な話題がほとんど。荒俣氏の興味の幅広さも相当なものだ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「荒俣氏の興味の幅広さも相当なものだ。」
      ホント怪人です(この本は未読)。
      「荒俣氏の興味の幅広さも相当なものだ。」
      ホント怪人です(この本は未読)。
      2014/04/24
  • 各界の著名な方々との対談は内容もわかり易くて読んでて楽しかった。
    この対談をきっかけに、気になった人を詳しく追って見るといいかも。

  • 荒俣宏と15人の賢者たちの"元気が出る歓談"。
    「現代社会の対談と言えば、経済や金融などの話題を思い浮かべますが、本書には一切出てきません。その代わりに「死」「ハゲ」「渋滞学」さらには「クジラへの愛」と、予想もつかない方向にどんどん広がっていきます。荒俣さんは以前どこかで「人生は川のようにゆるやかに支流をつくっていくのが良い」と言っていました。たくさんの支流があなたの人生を豊かにしてくれることは間違いないでしょう。」
    (大居雄一『身になる読書術』の紹介より)

  • 様々な分野で顕著な実績を挙げた15人との対談集です。それぞれに興を催しましたが、中でも四至本アイさんの20世紀前半の実相や交友関係、早坂暁さんのお遍路談義は物凄い迫力で心に迫ってきました。


  • ●竹村公太郎。戦国から江戸にかけては、武士の中でも、力が強い、剣術がうまいといったそれまでの強者に代わって、土木の知識や技術を持つものが尊重されるようになっていきます。
    ●西成活裕。車間距離40メートル
    インド、2車線の道路に4台の車が並走していて、間に人力車と人と牛と豚が歩いている。
    ●高田礼人。エボラウィルスは、白血球のマクロファージに感染します。正常な免疫反応心なくなる。だから急速に進む。血管の内張り細胞を殺すから出血が起こる。
    1994年に学童への集団接種が中止になった。
    ●板見智。海藻類が髪に良いと言うのはただの連想ゲーム。シャンプーの影響を考えられない。毛穴に皮脂が溜まると言うのも根拠は無い。
    男性型脱毛性に特に高い効果が期待できる薬剤は2つ。ミノキシジル。内服薬のフィナステリド
    ●鈴木一義。八線表はもともとは和算家が遊びに使うようなものだったんですが、江戸後期に伊能忠敬たちがが全国の測量行うようになって急速に活用され始めました。
    佐賀藩は蒸気機関車
    ●林公義。平成天皇陛下とハゼの研究
    ●船曳建夫。氷川きよしは戦後の5本指に。日本語で作るとはすべて「演歌」
    ●町山智浩。2000年以降のハリウッドは、ほとんどイギリス、ドイツ資本で。スピルバーグのドリームワークスはインド。ディズニーもアブダビ系政府ファンド。
    ●鈴木晃。オランウータン、子育てはメスの一生の仕事。6年。5匹産んだら30年。
    単独生活しているが顔見知り関係で社会が成立
    ●小松正之。西予市の明浜町に鯨塚。天保の大飢饉の時に浜に打ち寄せられたクジラを食べて救われた住民が建てたもの。
    ●福岡伸一。重要な発見が、直感からパッと生まれた例は間違いであることが多い。ランダムにパタンを見出そうとする、人間の脳の働きから生まれた幻想であることが多い。
    ●浜辺祐一。今は生死の境が紙一重から2重、3重になったために、覚悟ができにくくなったのかもしれません。現代人は生きることが楽しすぎるのか、人生は永遠に続かない、いつかは幕を引かなきゃいけないと言うことを忘れているように思うんです。
    ●迫慶一郎。90年代までの中国は、四合院と言う、中庭のある伝統的な住居が立ち並ぶ街。
    一時期内装なしのマンションが流行ったが、1番先に内装を終え入居者とすると、その後残りの内装工事が終わるまでひたすら騒音に耐えてないといけないと言う問題が。
    中国では、建築家が今の日本で得られないチャンスがある。都市そのもののデザイン。
    ●早坂暁。北条市出身。お遍路さんは陰鬱だった。子供を置いていく。
    虚弱児で生まれ、三歳児で乳母車に乗ってお遍路に。三か月後すぐに立てた。大師様のご利益。
    四国は日本列島の「魂の救済所」

  • テレビにも出ている博学の荒俣氏といろいろな道に精通する15人との対談本。とても学ぶことが多くて読みながら「ふむふむ」「へー!」「なるほど!」などと1人でうなづかされてばかりでした。どの方の話も興味深く、もう一本さらに奥まで知りたくなる内容。

  • いや、血となり肉となる本だった。
    竹村公太郎さん、西成さん、福岡さん、迫慶さん、四至本さん、早坂さんのお話は自分の中の世界がグッと広がった。

  • 荒俣宏さんといろんな「すごい人」との対談集。地理から見る歴史、生命とは何か、日本の捕鯨文化、四国遍路の話などが面白かった。対談相手の方の著書の紹介もあって、読みたいと思うものもあった。ひとつの対談はさほど長くない。素人にも分かりやすくて雑学的に軽く読める。

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著者プロフィール

作家・翻訳家・博物学者。京都国際マンガミュージアム館長。
平井呈一に師事、平井から紹介された紀田順一郎とともに、怪奇幻想文学の日本での翻訳紹介に尽力。のち活動の幅を広げ、博物学をはじめとして多ジャンルにわたって活躍。
主な著書に『妖怪少年の日々』、『帝都物語』シリーズ(ともにKADOKAWA)、『世界大博物図鑑』(平凡社)、『サイエンス異人伝』(講談社)、『江戸の幽明』(朝日新書)など。『怪奇文学大山脈』Ⅰ~Ⅲ(東京創元社)を編纂。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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