惑いの森 ~50ストーリーズ~

著者 :
  • イースト・プレス
3.08
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本棚登録 : 731
感想 : 98
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781608648

作品紹介・あらすじ

植物になりたいと願う青年。毎夜、午前一時に現れる男。言葉を探し続ける郵便局員-どこか奇妙で、愛おしい人々。切なく、温かいショート・ストーリー集。ゆるやかに連鎖していく、それぞれの人生の、50の物語。

感想・レビュー・書評

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  • ショートショートなのに先が先がと気になって一気に読んでしまった。「A」を読んでも思ったけど中村さんの作品は短い方が暗さを引きずれるしもやもやとしたものが濃厚で好みです。もし一人で暮らしていたころに読んでいたら共感しすぎて落ち込んでしばらく立ち上がれなくなりそうな気がする。

  • 中村さんの作品を手に取るのは久しぶり。
    装幀のダークファンタジーの印象から、興味を惹かれた。
    案に違わず、ダーク、ポエムとはいえず、男性の綴るモノトーク宜しく、重い気だるい、延々たる妄想地獄・・の手前。
    濁ったシャボン玉がぽわーんぽわーん不連続に空を舞う感覚。

    この郵便局は・・
    肩こり・・
    セミ・・
    の箇所が頭に引っかかった・・ぬるっとする。
    樹木青年はムラカミ氏の緑色の獣をふっと思い出して。

    時々登場するN氏は案外リアルっぽく、面白い。

    ラストのNの後書きが一番すっきり。

  • 一つ一つの話のようで不思議と繋がっているような絵も含めてすごく好きな世界です。
    クマのぬいぐるみ、鐘、それからちょくちょく出てくる中村さん…好きです。

  • 全体的に暗いのに、読後感はずっしりとした気分にはならなかった。
    無茶苦茶だけど、ありえないわけではないところが恐怖。そこにちょっとした温かみがあるから、世の中はちょっとだけやさしい。

  • ショートショートというか意味ありげだけどよくわからない繋がってるんだか繋がってないんだかなポエムのようなものが50個。
    すごく好みの装丁とタイトルでこれは面白そう!と思ったんですが…ファンタジーみたいな不思議な雰囲気は素敵なのになぁ、惜しい。
    ただ時々好みの話が入ってたり、作者自身が登場するNシリーズは面白かったので、他の作品も読んでみようかなという気にはなりました。

  • いくつか中村文則さんの作品を読んだ後に読んだほうが楽しめるかも。
    個人的には、言葉のリズム感が好きです。

  • 引き込まれる、この世界に。言葉がすっと入り込んでくるのを感じる。

  • ★2014年5月28日読了『惑いの森~50ストーリーズ』中村文則著 評価B~B+
    不思議な短編連作小説集。暗い不可思議な短編が続く。人が背負って生きる孤独感、心の闇が表現されている。読後感は、不愉快かと聞かれれば、それはないと断言できる。しかし、爽快、愉快でもない。何か重いものが心に残るそんな不思議な作品群である。かなり読者の志向によって評価はかなり変わると思われる。

    たしかに万人向けではないが、この中村文則という作家、みずからNと称して作品にも登場するが、只者ではない。この他の評判の良い作品を借りて読んでみようと思う。
    最初の短編:タクシードライバーは特に読みやすく、分かりやすいが次第に短編を読み進むに連れて難しくなってくる。

    暗い雰囲気はあるのだが、恒川光太郎のおどろおどろしい作品とも違う。何と表現したらいいのだろう。
    そう、この短篇集は、寝覚めの悪い夢(悪夢というほどではない)の肌触りである。

  • 様々な人の人生が絡み合っているような、繋がっているような…。短いのがたまらない。
    大好きな作品です。

  • 緩く繋がった50のショートストーリー。
    1本1本が短くて読みやすい。

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著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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