統合失調症がやってきた

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  • イースト・プレス (2013年8月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781608990

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統合失調症がやってきたの感想・レビュー・書評

  • 濃密な内容で一日で一気読みしてしまいました。冒頭の「良い子の石の仮面」からして、もう涙が出そうになってしまってハウス加賀谷さん、なんて健気な子だったんだろうって。読んでいても文の端々から心優しい素直な子という雰囲気が伝わってきました。

    「真っ黒い塾ノート」も、先日子供の高校のスクールカウンセリングの先生(引きこもりに詳しい先生)が、ページをめくれない、めくるのが怖い生徒の話をしていましたが、「大袈裟な…」と思っていたけど、追いつめられると本当にページもめくれなくなるんだと呆然とした。

    加賀谷母がクリニックの先生に言われた言葉が深く印象に残る。「加賀谷家は家庭として機能していないから、潤君を一時的にグループホームに入れましょう」だ。ここまでハッキリとものを言ってくれる先生は、そうそういないし今どき珍しい。そしてグループホームに順応する加賀谷さんはすごいと思う。

    上京、デビュー、悪化、入院生活、社会復帰、再結成と盛りだくさんだ。「抑えてくれるかな?電話かかってきちゃうから」という言葉や、障害者の件が私にとっては衝撃的だった。。。

    支えてくれる家族、松本キック、友人。そして大切な「居場所」 やっぱり居場所、ここにいていいんだ、ここにいると安心する…という落ち着く場所というのが重要なんだと思った。

    最後のあとがきの感謝の言葉に感動してしまいました。私の方こそありがとう…って、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

  • この疾患は改めて周囲の理解が大事なのだなぁと思う。相方さんは本当に素晴らしいなと思った。最後のあとがき「社会の偏見は根深く、なかなかなくならない。だけど、ぼくは、偏見がなくなることを期待するより、自分がどう生きるかが大事だと考えてるんだ」が心に残った。

  • 統合失調症を少しでも知ってもらうのに多くの人に読んでもらいたい。ここまで書くのはさぞ辛かったろうと想像できたが、ほんとうに吐きながら紡ぎあげたらしい。感謝の気持ちでいっぱいになった。

  •  統合失調症というよく耳にする病名。かつては精神分裂病とも呼ばれたこの病であるが、その患者が直面する現実を知っている人はどれだけいるだろうか。本書では、まさに当事者であるハウス加賀谷により、統合失調症患者が直面する生活がありありと綴られている。幼少期から悩まされた幻聴、十代後半のグループホームでの生活、そして、松本ハウスの結成から解散まで淡々と情景が描写されているのだが、余りにも淡々とし過ぎているため、本書では省かれた著者の苦難を想像すると何も言葉が出なくなってしまう。

     一般的に、統合失調症を含めた精神疾患は当事者による病の受容が難しいとされることが多い。「私が精神疾患であるはずがない。」と誰もが信じたいし、その結果、多くの当事者が症状による健康被害とその受容の狭間で苦悩する。著者のように自身の症状を客観視できるまでには通常多くの時間と困難を要するため、当事者とその支援者が歩んできた並々ならぬ日々にはただただ頭が下がる思いだ。

     現在、国内には約70万人の統合失調症患者がいると言われる。閉鎖病棟への数十年もの入院を強いていた時代は終わり、著者のように地域で仕事に就く人も少数派ではなくなりつつある。そんな時代だからこそ、一人でも多くの人に本書のような当事者の声が届くことを願って止まない。

  • ろくに知りもしない、ナイーブな問題については
    あたしの軽々しく薄っぺらな意見を人目にさらせないので割愛。
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    キックさん 男前やな~。
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    あとがきにあったお母さんのことば
    「あなたが充実した毎日を送っているだなんて、
     そんな親孝行なことはありません。」
    加賀谷さんは親孝行のハードルを下げさせた って言ってるけどさ、
    それは親の本音。
    親孝行にハードルなんてないんだもん、きっと。

  • お笑いコンビ「松本ハウス」のハウス加賀谷さんの病気について、相方のキック松本さんが聞きとり綴ったもの。私は彼らを知らないので、統合失調症を理解するためだけに本著を手に取った。薬を常用しながら社会で生きていく姿を読みたかった。

    統合失調症という病気を扱っている本であるが、あえて重い本ではないと紹介したい。なぜなら相方キックさんをはじめ理解者に恵まれ、加賀谷さんは自分を生きているからだ。後半にかけて加賀谷さんと相方のキック松本さんの友情に泣きっぱなしだった。うらやましいほどの友情だ。
    これからも理解者が増えていくことを願っている。

  • 私はテレビを殆ど見ないので、この著者のことは全く知らない。統合失調症の患者の体験記として読んだ。
    統合失調症になぜなるのかはまただわからないところが多いとは思うが、草間彌生や著者のように、かなり若い内に発症し、本人も家族も病気と気付かず苦しむことを考えると、、こうした読みやすい本でどんな病気か知らしめることは、非常に意義があると思う。
    偏見が根強くあるものの、いつ、誰がなってもおかしくない病気だから。
    幻覚や妄想は、肉体的苦痛より耐え難いと推察する。
    相方のキックさんの深い優しさに感動。
    加賀谷さんには無理して病気を悪化させないで、できれば活躍して、統合失調症の希望の星となってほしい。

  • 「松本ハウス」の加賀谷さんが精神疾患にかかっていることは割と最近知ったんですが(コンビ復活のニュースで、だったかな?)、あの落ち着きのなさ、テンションの高さは芸風だと思っていたのでびっくりしました(もちろん、キャラとして演じていた部分もあると思いますが)。
    芸人としての全盛期(ボキャブラ天国のあたり)も、裏では大変なことになっていたんだなぁ。そしてその後も。病気は色々なものを奪っていきますね・・・。

    でも、加賀谷さんは諦めなかった。浮いたり沈んだりしながらももがき続け、ついに芸人として復帰するところまできた。これは本当にすごいことだと思います。
    それから、キックさんも。壊れてしまった相方を何年も見守り続けるなんて、愛情がなければできませんよ。二人の間に強い絆を感じました。

    精神疾患は特に偏見が強いけれど、頑張って生きている人が受け入れられるような、優しい世の中になっていくといいな、と思いました。

  • ただひたすらに復帰できてよかったと思わざるを得ない。
    そのくらいつらく大変なことと対峙し、寛解まで持っていけたことを尊敬する。

    100人に1人弱が罹患するといわれる統合失調症、病識があることや本人が治りたいという強い意志を持つこと、信頼できる医師をみつけること、家族や周囲が正しく病気を理解すること、薬をきちんと飲み勝手に断薬したり増やしたりしないことなど大切なことをたくさん教えてもらった。

  • 芸能界に疲れて発症されたのだと思っていたけど、もっと根深いものだった。お利口さんの子供が抱えてしまう心の負担は本当に怖いものだ。親としては良かれと思ってやらせてしまう早期教育はその子の性質をきちんと見極めた上で進めていかないといけない。昔では考えられないような子供の精神病や犯罪などはやはり無関係ではないと思う。

  • "簡単なことをするな。俺もしない"このフレーズに思わす号泣。飛行機の中で読んでいたので、涙がボロボロ出て恥ずかしかった。松本ハウスを応援したい。

  • あまりテレビを見ない僕でも知っていた「松本ハウス」。芸風が特殊だったので、見なくなっていたのは世間が距離を置いたためと勝手に思っていた。こんな事情があったとは。関連の本を読んだわけではないが、こんなに症状を上手?に活字化されたものをはじめて読むような気がする。新聞などでは紙幅のせいか、どうもわかりづらくて。結構好きだったので、今後の健闘を祈念したいです。松本キックも筋が通っていて結構格好いい。

  • ほぼ同年代の芸人さん。テレビに出ていたあの頃よりずうっと前からだったとは・・・。

    あとがき、本当に今の気持ちなんだろうな、と感じます。
    応援し続けよう。

  • ブクログさんの懸賞で。サインも。ありがとうございます。

    ブクログさんの対談でも書かれていましたが、ハウス加賀谷の追憶も全て松本キックが聞いて、書いています。相手の(ハウス加賀谷)の立場に立って相手の状況を汲むのはとても難しいと思いますが、全く違和感なく心情が描かれていました。
    高校で書初めに「愚」と書いて自分もみんなも愚かだと達観していた様子が書かれています。早熟な人だけれど、その判断とか頭の回転の速さは今ある情報だけで判断するというある意味狭さがあって暫定的に得られるものだと思います。
    その特性は相手の立場を汲むことには向いていないのではないかと感じていましたけど、全く苦にしていないようで(あるいは大きな努力で克服していて)素晴らしいです。

    対談で松本キックが言うには、普通にインタビューをしたのでは客観的に理解してもらえるように語ろうとして、状況だけを説明するようになってしまう。そこをなるべくハウス加賀谷の心情を聞き出して書いた、そう。
    昔は精神分裂病と言われていた、統合失調症。それを専門に診ていたある精神科医(中井久夫)の言葉を思い出しました。ケアする医師に求められるのは、自分が少しでも動けば世界が粉々に崩れてしまうというような劇的な体験を患者がしていても、そこに注意を向けるのではなくて、少し近くの喫茶店に出かけられたとか、散歩ができた、野球を見たといったようなちょっとした日常の嬉しさにどれだけ患者と一緒になって喜んであげられるかだ、と。
    ノンフィクションとして絶妙の距離感でした。長年連れ添った奥さんでも、経験をアウトプットするときは、こうは出来ません。何冊かそういう(偉人の奥さんが書いたような)本も読みましたけど、本当に。

    ・そして、時間の概念が破壊され始めた。
    仕事に行く時の準備は「靴」と「衣装」と「薬」。最低この三点さえあればこと足りる。ところが、荷物をすべてカバンに詰め、さあ出ようという時に、「あれ?」と玄関で立ち止まるようになった。
    「あれ?何か忘れてるな。あれあれ?なんだっけ?」
    忘れ物がなくても、気になって考えてしまう。なんだろう、なんだろうと、同じことをぐるぐる考えてしまう。ふと我に返り、時計を見ると、一時間半が経っている。ぼくはその間、微動だにせず、玄関先で突っ立っていたようだ。

    →重症患者は何年も入院病棟で何年も微動だにしないと読んだ。どうなっているのだろうかと思っていたが、思考というか意識が無いんだ。

    ・保護室という現実がそこにあった。
    部屋のスペースは六畳ほど。床は緑色のシート貼りで、両脇が白いペンキでコーティングされたコンクリートの壁。奥は上から下まで一面が白い鉄格子。
    その白い鉄格子の向こうにようやく一人が通れるほどの狭い通路があり、そこに荷物置き場がある。自分の荷物は見ているが、鉄格子で阻まれ勝手に取ることができない。危険防止のため、必要なものは看護士さんに言って取ってもらう。
    部屋の中にあるのは、布団一式とむき出しの便器のみ。
    …保護室を一通り見渡し、ぼくの心は混沌としてきた。
    これから先のことなど分からない、怖さがないと言ったら嘘になる。もう二度と外の世界に出ることはできない、という思いも頭をもたげる。でも、良くはなりたい。幻覚や幻聴から解放されたい。保護室に入ることは、ぼくが良くなるための最善の策なんだ。
    錯綜するいろんな気持ちを抑え込もうとした時、母さんが明るい口調でこう言った。
    「素敵なとこじゃない」
    母さんは、好みの引っ越し物件でも見つけたように、部屋の中にあれこれと目をやっていた。
    「床の緑もいいじゃない。トイレもあるし」
    安心させようと努めて明るくぼくに語りかける母さん。ごめんなさい。申し訳なくて、ぼくは返事もできなかった。
    看... 続きを読む

  • ブクログの懸賞で戴いた。ありがたい。

    この病について、概要は知っていたが、具体的な症例はわからなかった。自分の生活の中で、たまにこの病の人にであるけれども、何を考えてどう苦労しているのか、私は深入りしてこなかった。

    この本を読んで、ひとつの事例ではあるが、当事者と支援者がどんな症状に苦労し、どう考え、どのように乗り越えようとしているかを知った。だいぶイメージできるようになった。投薬と無理のない生活によって、かなり順調に暮らしていけるのだと思う。その状態を維持できるような努力と周囲の理解が必要だけれど。

    ハウス加賀谷さんて、壊れてるだけの人かと思ったけど全然違うんだな。特に小・中学校時代の彼に、辛かったねと声をかけてあげたい。

  • 私は統合失調症です。
    著者のハウス加賀屋さんの闘病記です。
    私と症状は違いますし、私は入院を直前一歩手前でやめましたが、「あるある!」と頷きながら読みました。

    世の中にこんな病気があるんだと、知らない方への啓蒙書になると思います。
    友人・知人・職場に統合失調症の人がいる方にもおすすめです。
    さらりとしたユーモアで書かれているので、知らない方にも読みやすいと思います。
    家族にいる人には、中村ユキ著「わが家の母はビョーキです」がおすすめだと感じました。

  • テレビで見る松本ハウスが大好きだった。
    ボキャブラ天国で見るハウス加賀谷の言葉、動きは完成されていてすべては芸風だと思っていたのだが、当時から薬を服用しており病気もカミングアウトしていたとか。病気でもそうでなくてもとにかくあの芸はすばらしかった。
    当時、私は小学生か中学生くらいで、ライブ行くということができなかったが、あの頃の松本ハウスのネタを生で見ておきたかったなぁと少し思った。

    加賀谷が統合失調症と知ったのはつい最近のことだった。少しだけ予備知識があった私は「あのころは本当にギリギリだったんだ」と妙に納得し、そんな状態でも真剣にお笑いに向き合っていた加賀谷を尊敬するようになった。そして以前より少し太って目の焦点が合っていて穏やかに笑う彼を見て、復活して本当によかった!今のネタが見てみたいと心から思ったのだ。

    あとがきのお母さまの言葉が胸にじんときた。
    統合失調症の理解が深まり、松本ハウスの成長もわかるすばらしい1冊。

  • 相方との掛け合いが面白い

  • ボキャブラ天国を当時見ていた自分にとって、キックさんの語りで始まる最初のページから衝撃を受けた。
    そこで語られていたのは、私の知っている“芸人・ハウス加賀谷”とはかけ離れた人物だったからだ。

    加賀谷さんの幼少期から発症、ボキャブラ天国時代、入院、復帰にいたるまでと、どれもとても印象的なエピソードが多く、重くて深刻な話なのにどこか優しさやユーモアがあり、読んでいて苦しくもなるが不思議と温かな気持ちにもなる。

    あとがきを読んで初めて気づいたが、加賀谷さんのメモを、キックさんがまとめて文章にしていたそうだ。

    “お笑いコンビにとって相方は、友達という関係ではない”と、キックさんは書かれていたが、この本は二人の友情の本でもあるように感じた。

    芸能人が書いている本という程度の期待でしかはじめはなかったけれど、キックさんはとても文章を書くということに秀でているようで、どの場面も情景が思い浮かぶかのような繊細さで、読み物としての完成度もとても高いと感じた。

  • 一言の重み、空白の奥にある思いやりの深さ。人としてこんな風にありたいと素直に思った。二人の姿は心に残り続けると思う。新聞連載時すでに刺さりましたが、やはり刺さりました。描写が細かく症状についてもよくわかり勉強になった。

  • 統合失調症で苦しんでいる様子、症状が、短い文の積み重ねの中でよく伝わって来た。

  • 内容は非常に重い。でも症状についての理解が進むし、とても分かりやすく描かれているのでこの人は根っからの芸人なんだなあと思った。

  • 芸人で統合失調症のハウス加賀谷さんの本。

    芸人としての活動休止から復活までの話だけでなく、その前の子供時代に統合失調症の症状が出たところから書かれている。

    芸人さんということを知らず統合失調症の理解のための一冊として読んだが、体験者が実際に感じた感覚を軽めに伝えてくれるので入口の一つとして良い一冊と思う。実際はここで語られるようなものよりもっともっとしんどかったろうことは想像に難くないけれど、つらさアピールではない形で統合失調症を知ってもらおうとする姿勢に心打たれる。さすが芸人さん!

    この本を読んでからネタを拝見したけれど、統合失調症と付き合いながら芸人をやっていたこと、闘病期間を経て復活されたことは本当にすごいことで、勇気をもらえた。


    そして、精神疾患の薬の合う合わないというのがどういうことか、垣間見れたのもよかった。合う薬に出会えるということは人生を変えるのかもしれない。そう考えると、新薬の認可の遅い日本の問題は大きい。

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統合失調症がやってきたの作品紹介

人気絶頂の最中、突如姿を消した一人の芸人-。統合失調症という病に襲われたハウス加賀谷の半生と、「松本ハウス」復活までの軌跡が、相方・松本キックの視点を交えて、いま明かされる。

統合失調症がやってきたに関連するサイト

統合失調症がやってきたのKindle版

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