微生物ハンター、深海を行く

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  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781610061

感想・レビュー・書評

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  • 独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の微生物学者による「科学者青春ビンビン物語」(←この紹介文は私のセンスじゃなくて著者のセンスですよ)

    専門は深海の微生物から地球生命の誕生を解明する、というもの。
    JAMSTEC誇る深海艇に乗り込み微生物採集や、地震による生命活動や地形変化を調べる。
    専門的な話も出ていますが、あくまでも「中高生に科学者っていいな」と思ってもらうために、科学者へを目指した青春時代、科学への情熱を書いた本ということなのでかなり分かり易く楽しめます。
    しかしターゲットが進路を考える世代ってことですが「関西出身のワタクシには東京とはジュリアナ東京のお立ち台ギャル」だの、怪しげな論法を書いて「民明書房参照」だの、こんなん中高生に分からんだろう(笑)。
    (蛇足ではございますが、民明書房とは「魁!男塾」シリーズに出ていた怪しげな事象をさも事実のように説明する架空の出版社)
    私としては「自分は科学とは縁がなかったけど、科学とは実に熱く面白い分野だ」と思ったんだから、ターゲットに入れてください(笑)。

    著者は今では宇宙航空研究開発機構(JAXA)の客員講師として招かれているということ。検索したら宇宙生物学者という肩書も増えていた。
    海底の微生物から生命の誕生を探ろうとしていたら、宇宙の生命の誕生分野とつながったんですね。
    化学って、生命って、面白い。

  •  海洋研究開発機構(JAMSTEC)という研究機関で、深海熱水中に生息する微生物の研究をしている高井研さんの研究人生を綴った本。

     深海には、地中の熱で熱せられた海水が吹き出しているところがありまして、そんなところには酸素がないどころか、我々のような地上に棲む生物にとっては毒となるものもある環境です。
     とても生物が棲めるとは思えない深海熱水に生息する生物や微生物がいて、それらを研究しているのが筆者です。

     もちろん、優秀な方なのでしょうが、そんなことを微塵も感じさせない面白い文体で、彼の研究がスムーズに頭のなかに入ってきます。分かりやすい文章ですが、本当にこの人は研究者なのだろうかという、おふざけが過ぎるところがあります(笑)。

     しんかい6500に研究者として搭乗されたときの話は、すごいなあと感心しながら読みました。
     中川翔子さんがテレビ番組でしんかい6500に搭乗して到着した日本海溝三陸沖水深5300mのところが「しょこたんサイト」と呼ばれているとは。

     海水面から徐々に深くなって色みが黒っぽくなっていくようすを表しているのでしょうか、ページの印刷の色が青から藍、さらに黒へと64ページ毎にグラデーション的に変わっているのが凝っているなあと思いました。

     しかしまあ、若かりし頃の高井さんの写真、外見めっちゃバブリーで、回りに女子を侍らせている辺り、ちょっとイヤンな感じがします(笑)。

  • 面白すぎる。
    そのネタたちも世代的にストライク。
    あんなに凄くてあんなに変態な高井さんだからこその作品。

  • 面白かった!深海およびそこに生きる微生物に魅せられた一人の研究者の青春とこれから。楽しそうだなぁと読んでいてこちらも楽しくなりました。かなり砕けた文章で読みやすかったです。

  • こいつは最高にナイスな本だ!笑
    これから研究者になりたいという人。
    大学院に進学しようか迷ってる人。
    是非ともこれは読んだ方がいいぜ☆
    そして読むと研究ってこんなに熱いんだぜって知ることができる!
    これは名著。
    こんなに情熱が詰まった本に出会えてよかった。
    褒めすぎかなぁ...

  • 深海という世界を舞台に、生物の起源を探る研究に携わっている高井博士がこれまでの自らの波乱万丈な研究人生と、微生物学の奥深さを書いた一冊です。
    「しんかい6500」に乗り込み、熱水微生物を探し求める高井博士をはじめとした情熱あふれる研究者たちが、とても素敵です。

    まったく堅い内容ではなく、ところどころに時代を感じさせるギャグがちりばめられます。とにかく研究への情熱と、好奇心がビリビリと伝わってくる本で、めちゃくちゃに面白い。

    高校生から大学院生くらいの若い人向け、だそうですが、本当にぜひ読んで欲しいと、そう思います。
    ものすごいロマンに満ちた海洋研究、さらに進んでいけばいいなと思います。応援したくなります。

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