兄弟愛 (アズ・ノベルズ) (AZ NOVELS)

著者 :
  • イースト・プレス
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本棚登録 : 34
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781610627

作品紹介・あらすじ

両親を亡くし、兄の朝陽は裕福な家に引き取られ、弟の昴は養子という名の下働き以下の扱いを受けていた。いつか会える日を願っていた二人が再会したのは、花街にある春香楼…互いに幸せに暮らしていると思っていたが、朝陽はその身を堕とし男遊女に、昴は用心棒を生業としていた。離れていた空白の年月が兄弟の絆を更に強くし、そして二人を禁忌の愛へと誘っていく。深まりゆく愛…だが新たな試練が朝陽と昴を襲い…。

感想・レビュー・書評

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  • ガチ兄弟もの。新書の2段組で、それだけの読みごたえがありました。また遊郭ものに手を出してしまいました。しかし、これはあくまでも作家買い。
    月東センセは、思わず引きこまれてしまう話作りに長けた作家さんで、注目しています。
    ただ、センセが甘く切ないものを好まれるせいなのか、作品はアラブと女装ネタが目立ちます。なので、お手軽で安い内容じゃないかと私自身もずっと誤解していたフシがあったのは否めません。
    確かに甘さもあるけど、それだけではなく話に深みがあって、読み終わった後にもしっかりと印象に残るものがあるのが高ポイント。

    架空時代もので、レトロな時代背景です。
    両親を亡くし、離れ離れになってしまった朝陽と昴。それぞれに過酷で数奇な運命をたどった二人は、男娼となった朝陽が働く娼館で再会を果たすことに。
    互いに幸せであると信じていたのに、兄の朝陽は女装で身を売る遊女、弟の昴は危険な用心棒を生業としていて。

    朝陽は芯が強く、悲運に流されているようでいて、実は自ら果敢に立ち向かっていくような性格。傷ついたり絶望しながらも、いつも顔を上げて前を見ているところが清々しく、また色気を感じさせます。
    昴も再会した頃はまだ子供っぽさを残していたのですが、朝陽のことを弟としてではなく、一人の男として欲望込みで愛し始めるようになってからの成長が、とてもまぶしいのです。
    兄のためにももっとしっかりしなくては、という自覚がはっきり伝わってくるんですよね。ちょっと生意気でぐっときました。
    朝陽は遊女なので、いろいろな男たちとの交渉は豊富なんですが、商売と割り切ってるタイプなんです。ドライすぎるかなとも思いましたが、描き方が上手くて、かえって潔くて新鮮でした。
    また読み返すと思う、かなり気に入った兄弟もの。

    雨澄ノカセンセの描く朝陽と昴が、すごくすてきでよかったです。

  • 兄弟ものは苦手なんですけど、禁忌というものを感じられなかったので良かったです。それよりも!ずっと泣いてましたね。両親が亡くなったとき、弟と出会った時やらもう一杯!なんか山が多いし、物語的にも満足出来るしAZ初2段組だと言う事で読み応えあります!ラストも想像した着地点ではなかったのが、あ~月東さんだ!と思わせてもらえたし、私もとても好きな感じの終わり方でした♪これまで二人がそれぞれに歩んできた道が間違いじゃない?っていうかそこに戻る二人の生き方や考え方が好きでした。

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