無意識に買わせる心理戦略

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制作 : 黒輪篤嗣 
  • イースト・プレス (2014年3月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781610672

無意識に買わせる心理戦略の感想・レビュー・書評

  • 視線カメラ、fMRIなどを取り入れ、お客様の視線とその時の脳反応から、「買い物」を科学的に分析した本。

    人は記憶を頼りに買い物をしていることを理解する。その上で、いかにストレス無く買いものができるかを考える。その為には品数を絞り、情報をシンプルにし、パワーカテゴリーの分散を避け、スムーズに買い物ができるようにする、ってのがポイントかな。

    買い物は無意識で行うものであり、買い物をしてない時のアンケート結果はあてにならない!というのは非常に共感できる。消費者としての検討も必要だが、ショッパーとしての視点をもっともっとマーケティング活動に取り入れることが重要だと感じました。


    以下、参考になった点、引用、自己解釈含む。

    ・多くの人は、買い物を「無意識」に行っている。アンケート等で集まる声は自分の買い物を正当化しようとする『後付理論』であり、アンケート結果と、実際の購入(視線・脳反応)とは、ほとんど一致しない。それにも拘わらず、多くの企業はアンケート結果を信じ、お客様の声に基づいた変革を進めようとする。が、多くの場合は無駄銭になる可能性がきわめて高い。

    ・買い物をするときの「お客様ミッション」を理解することが重要。その買い物はどんな目的で、どんなニーズで来店されているのかの理解。例えば週1回来店し必要な品々をまとめ買いする「定期的」な来店客は1/3程度。ほとんどのお客様は「臨時的」の来店が多い。臨時でくるお客様にとっては、欲しいものが短導線で買えることが価値なのだが、多くの店は導線を伸ばすためにパワーカテゴリーを遠くに配置するという失態を演じている。

    ・また「臨時的」買い物をするお客様が多いので、立地も非常に重要。自分の生活導線から外れることのない立地にある小売を使い倒す傾向。正に「近くて便利」がお客様にとって優先される価値。

    ・店頭のウィンドディスプレイ・広告等を見て買い物をする人は5%もいない。店頭広告は多くの場合無駄なコストになっている。

    ・お店に入ってまずお客様がするのは「偵察スキャン」。2~3mの範囲で目に入る情報をスキャンニングするので手一杯であり、多くの情報は消化不良で終わる。スキャニングに気を取られ、カートカゴを持たずに店内を進んでしまうお客様も多い。カートカゴを店頭ではなく、第1種通路の角にも設置しただけで、売上が11%も伸びた事例がある。

    ・客に不満点を尋ねるアンケートをとると必ず上位に来るのが「商品の配置位置が変わった」という答え。お客様は「認知地図」を作っており、どこに何があるかを記憶して買い物をしている。これを壊されるとストレスが発生する。目当ての商品を探すことで疲れて、他の商品まで見る余裕がなくなる。商品位置を変えることで、お客様の注意を高め買い物をさせるという発想は、客離れに直結する。

    ・また、お客様は、自分の欲しいものが見つかって初めて、他の商品に目を向ける余裕が生まれる。パワーカテゴリーを離して、店内を回遊させた結果、お客様は疲れてしまい、他の製品に目を向ける余裕がなくなる。お客様のミッションにそったカテゴリ配置が重要。

    ・お客様は売場を各カテゴリの代表的なブランドを見つけることで確認する。このブランドを発見することにより、脳の報酬系の神経が反応し、買い物スイッチが入る。売場イメージを持つブランドを見るけられるようになっているかが大事。埋もれて見つけにくい状態だとチャンロスになる。

    ・人間は視界内にあるもののうち、情報として把握できるのは僅か1%。更に処理できるのは、そのうちの5%に過ぎない。視覚システムは、情報を「切り捨てる」システムにあることを理解しておく必要がある。それだけシビアのシステムの中で、どう視界内に入れさせ・処理をさせるかが、買い物させる重要なポイント。

    ・掲示する場所、導線上の視線に入る位置にあるか。棚の上等、見上げて情報を読む客は皆無。記憶と一致するデザイン。そのブランドに持つ潜在イメージと紐付感が重要。パッケージを大幅に変更することで、お客様が売場で見つけられずに、売上を大きく落とすケースは非常に多い。提示する情報。量が多すぎると、それだけでお客様は見ない。いかにポイント絞ってシンプルに訴えかけるか。情報をそぎ落とす。

    ・アイラインよりも1段下が、真のゴールデンライン。お客様の頭の角度は、パワーブランドが下段にあることもあり、やや下向きになっており、身長ほどの目線にはならない。アイラインから1段下の棚に移すことで、陳列にかかる場代費用を圧縮するとともに売上アップが出来た事例あり。

    ・育成したい製品は、そのカテゴリを代表するパワーブランドの隣に配置し、目に入る状態を作る。後光効果ではないが、自然とその隣にある商品にも意識が向き始める。

    ・主通路に近い棚の1本目・2本目は、実はスルーされやすい位置。副通路に入って、1~2mほど進んでから探索モードから購入モードに切り替わることが多い。

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無意識に買わせる心理戦略の作品紹介

買い物客の行動パターンには法則があった!コカ・コーラ、ユニリーバ、P&Gなど大手企業のマーケティング・コンサルタントが、世界初の実験で買い物客の行動実態と売上増進の秘策を解明。

無意識に買わせる心理戦略はこんな本です

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