同居人の美少女がレズビアンだった件。 (コミックエッセイの森)

著者 :
  • イースト・プレス
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本棚登録 : 155
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781612492

作品紹介・あらすじ

33人が同居するシェアハウスにやってきた、とってもかわいい女の子。 彼女の名は牧村朝子、通称「まきむぅ」。職業はタレント。 ある日彼女はこう言った。 「私、早く彼女が欲しいな~」 そう、彼女は「レズビアン」だったのだ。 やがて“運命の人”森ガ(フランス人)と出会ったまきむぅ。 なんとフランスで「結婚」までするそうな!? 幸せいっぱいに見えるふたり、でもその過程には当然悲喜こもごもが……。 元同居人みきによる、独断と偏見と愛に満ちた(?)恋愛観察日記。 牧村朝子公式ブログで人気を博した連載漫画の書き下ろし書

感想・レビュー・書評

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  • 軽いタイトルに、これLGBTの棚にあっていいの…?と眉を寄せたのだけど、よく見ると牧村朝子さんの監修とあって、この頃牧村さんの意見を目にする機会がちょくちょくあり、好きだなぁと思っていたので読んでみた。
    実話を基にしたコミックエッセイで、「同居人のレズビアンの美少女」が牧村さんその人。
    同じシェアハウスで著者と出会ってから、牧村さんのカミングアウト、恋、同性の恋人との結婚とその後を描いている。
    4コマ形式で読みやすいが、胸をぐっと押されるような言葉もあちこちにあった。
    特に残るのが、
    『セクシャリティを自覚したはずなのに
    「レズビアンにならなきゃ」
    とも同時に思っていたのだった』
    というところ。
    セクシャリティだけでなく、ジェンダーや社会・家庭での役割などにも通じる。
    そこから自由になっていく牧村さんの姿が眩しい。
    セクシャリティもジェンダーも、無いことにしての「平等」ではなく、それらを備えた上で個人を個人として見る社会になって欲しいし、まず自分がそうありたい。

  • 2014 牧村朝子、小池みき

    コミックエッセイなので、気軽に読めた

    レズビアンということ
    シェアハウスのこと
    国際同性婚のこと

    レズビアンだった、という意味

    人は年齢相応に迷うし
    年齢相応に解決法を探し出せるのかも

  • すごく自然にレズビアンのことが書かれていてよかった。人を好きになるのは自然なこと、好きにならないのも自然なこと。良き本。

  • 牧村朝子さんのことを知って、その美しさに惹かれて、彼女のことをもっと知りたいとこの本を買いました。
    ありのままの恋を応援するって、いい言葉ですね。

    作者の小池みきさんのTwitterもおもしろい。

  • 思い悩むのは誰しもだけど、行動に移せてしまえるのはすごいなーと思いました。行動に起こせないからこそ、それもまた悩むのです。

  • 良かった!特に小池みきさんの考えが書かれてるエピソードが良かったな。人として素敵なエピソードだった。

  • 絵柄が可愛い。読みやすい。面白い!。
    レズビアンをもっと自然体で見ることができそう。どうしても色眼鏡でみてしまうその色眼鏡が少し薄まったと思う。

  • タイトルからして刺激的と思われるかもしれませんが、ポップな感じで書かれている本です。シェアハウスで出会った作者と監修のタレント牧村朝子さんの話です。

    自分が気になったのは、牧村さんと森ガさんの二人よりも、漫画を描いた小池みきさんの考え方でした。

    タイトルからしてセクシャルマイノリティについて扱っていることは分かるかと思うのですが、今の世の中、まだセクシャル”マイノリティ”なだけあってそこに視点が向いてしまいます。人それぞれ悩みがあって、孤独があって、世の中について行けない感覚があって、その中の一つに、セクシャリティというものがあるのだという考えになるほどな。と思ったものです。その人ひとりを構成する悩みや思いははたくさんあって、それを形作る一つの悩みがセクシャルマイノリティだったりするのでしょう。人によっては、勉強が出来なかったり、スポーツができないとかそういうものかもしれません。セクシャリティの悩みだけを特別視する必要はないという考えに頭を打ちぬかれたような感じがしました。

    でも、牧村さん(まきむぅ)のディスティニーアンテナの性能の良さに、そして行動力には本当に乾杯してしまいます。そして。森ガとの新婚先取りっぷりも本当にほほえましい感じです。森ガの日本&漫画アニメオタクっぷりも中々素晴らしいです。浅草でおっさんに言いがかりつけられて日本語で言い返している姿を見るととてもかっこいいです!!

    あと、フランスの国家の歌詞って結構アレなんですね。(興味ある方検索してみてください)まぁ、フランス革命があり、歴史を知っている(ベルばら位の知識でも)と、ああ、なるほどなあ。と思うものかもしれませんが。

  • LGBTについて関心を持って資料を集めていた時期に手にとったコミックエッセイです。

    「レズビアン」として自分をカミングアウトしてから、自分自身が本当にしたいこと、しなければならないこと、できることを見つけていけるようになるまでの、一人の「レズビアンだった」女性のお話です。私としては「自分らしく生きれるようになってほんとうによかった。素敵だなぁ」って、心からそう思えました。

    印象に残ったのはp.112〜p.115のあたりの「言葉」の問題ですね。
    言葉にはどうしても「分別する」ということがついて回ります。「こういう自分だ」ということをはっきりさせるためには、切り分けること、カテゴリーでくくることも確かに大事です。しかし、「切り分けた時そこには必ずはみ出るものがある」こと、そこに苦しみを覚え暴力性を感じるということ、私も大変共感します。
    レズビアンとしてカミングアウトしたことで自分らしさを解放したけれども、今度は「レズビアンである自分」というカテゴリーが還って不自然さや息苦しさを産んでしまうという問題。大変共感しつつも、難しいなぁと改めて考え込んでしまいます。
    「言葉にしないと伝わらない、理解してもらえない、受け取ってもらえない」という意識が強ければ強いほど、その暴力性をごまかしたり、抑圧したり……つまり自分らしくないものに妥協してしまうことになる。「レズビアンを身にまとい」たいのか、それともそうでなく純粋に「自分らしく生きたい」のか。そこをはっきりさせられたのはパートナーである森ガとの縁、杉本彩さんとの縁、そしてみきさんとの縁があってなのでしょう。そうした縁をかけがえのない大事なこととして、牧村さんの中にあるんだなぁと読んでいて感じました。

    レズビアンのことだけでなく、性の問題で悩んでいる全ての人にオススメしたい本でした。

  •  「百合のリアル」を読んでから読むか、これを読んでから「百合のリアル」を読むべきか悩む。たぶん「百合のリアル」を読んで、これを読み、再度「百合のリアル」を読むとより一層面白いのではないか。

     牧村朝子さんというレズビアンを公言している方が「百合のリアル」という本を書いた。それはレズビアンという枠では無く、人として、自分が他者からどうみられようとしても自分であるということを強く意識させる本だった。

     この漫画は「百合のリアル」を編集された方が描いたものである。
     タイトルの通り、シェアハウスにやってきた牧村朝子さんをめぐるショートショートなのだが、わりとネガティブだ。「あまり好きじゃない」「苦手だ」など。「えっそんなことかいていいの!?」とびっくりするくらいのことを淡々と描いている。

     そう、淡々と、というのが実に似合うトーンだ。
     作者の小池さんは、牧村さんが好きじゃなくても、苦手でも、それは彼女の1部分であり、すべてではないと認識していて、自分の問題をすり替えて他人に押し付けることを是としない強さがある。(その分大変なんだろうなぁと思うのだけれど)
     だからこそ、「百合のリアル」という本を作ることができたんだろうなと。

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