釜石の奇跡 どんな防災教育が子どもの“いのち"を救えるのか?

  • 26人登録
  • 4.44評価
    • (5)
    • (3)
    • (1)
    • (0)
    • (0)
  • 4レビュー
  • イースト・プレス (2015年1月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781612812

釜石の奇跡 どんな防災教育が子どもの“いのち"を救えるのか?の感想・レビュー・書評

  •  子どもたちが「恐ろしい津波が来る場所には住みたくない」と、釜石を嫌いになってしまっては、防災教育をする意味がない。「郷土愛」を育みながら、大好きなふるさとに住む「お作法」を身につけたいと思わせる防災教育を、片田教授は目指した。(p.128)
    津波避難の三原則①「想定にとらわれるな」②「最善を尽くせ」③「率先避難者たれ」

     津波の映像を見て、気分が悪くなってしまう子どももいるだろう。だが、やみくもに恐ろしさを植え付けるのではなく、どうすればいのちを守れるのかということを併せて伝えていけば、効果的な防災教育につながるのだと、釜石小学校の子どもたちは示してくれたように思う。(p153)

     ふつうb、防災教育はサイエンスと見なされています。なぜなら、過去の定量的なデータを客観的に分析し、ある種の未来予測をして、マニュアル化したものを教えていくからです。しかし、東日本大震災によって明らかになったのは、津波被害を想定したハザードマップやマニュアルなどを与えられた人はそれにとらわれて、それ以外のことが考えられなくなってしまったことでした。過去の分析に基づく科学的な知識が、未来の災害の上限値を規定してしまいました。しかし、それは何が起きるかわからない自然の前では役に立たなかったです。(p.244)
     
    「防災教育をコミュニケーション・デザインととらえ、合意形成を重視したことも非常に重要です。生き方に関わる合意形成は、単なる知識の押しつけでは達成できません。相手の視点に立ち、全人的に相手と向き合い、心の機微に触れ、互いに得た暗黙知(経験や勘に基づく知識のこと」を言葉で再構成して、対話を重ねていくことが必要です。この合意形成の仕方も感覚的な『アート』の世界です。
    『サイエンス』はルール化やマニュアル化といったものを求めますが、災害に何が最善かを速攻で判断し、行動する際に役立つのは、一瞬の判断、つまり『アート』、直感です。釜石の子どもたちは普段から災害について考え、避難訓練を徹底して行ってきたことによって、いざという時に即興的に状況判断をして、行動することができたのです。(p.247)

  • 「自分のいのちは自分で守る」(p138)。

    正常性バイアス。

    「子どもがいれば、大人は生きる目的を見いだせる。(中略)だからこそ強く主張したい。災害で子どものいのちを消してはならないと」「想定外の大災害の中でも、生き抜くことができると、釜石の子どもたちは教えてくれた。だが、その力を育むのは、私たち大人の責任だ」(p256)。

  • 津波が来た。
    そのとき何をしたらいいのか。
    教員として、津波が来ることはないが
    自然災害に見舞われることはある。
    そのとき、どう動けばいいかがわかった気がする。
    どう動けばいいか、
    それを知るために自分で防災について検証することが大切。
    誰も悪くない。二つの小学校の児童の命を分けたものは意識の差。

  • 一読の価値あり。

全4件中 1 - 4件を表示

釜石の奇跡 どんな防災教育が子どもの“いのち"を救えるのか?の作品紹介

アメリカ・ドイツ・中国など国内外で受賞多数。NHKスペシャル「釜石の"奇跡"いのちを守る特別授業」を書籍化。子どもたちの"犠牲者ゼロ"を生み出した防災教育と危機管理術。

釜石の奇跡 どんな防災教育が子どもの“いのち"を救えるのか?はこんな本です

ツイートする