はじめての福島学

著者 :
  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781613116

作品紹介・あらすじ

人口、農林水産業、観光業、復興政策、雇用、家族、避難指示区域…福島の問題は放射線ではなく、「地方」の問題である。福島から日本の「地方」がみえる。

感想・レビュー・書評

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  • まもなく4年。そんな中、なんとなく福島のことが気になっている方、なにかお手伝いできることがあるのではないかと思っている方に手に取って欲しい。
    最近、地方創生が話題になっていますが、近い将来起こるであろうことが、すでに福島では顕在化(地方都市の将来の姿)していると感じました(著者もそう考えています)。

  • ふくしまって、ひとまとめで語ってはいけない。

  • そのままのかたちの福島を知らないひとは、きっと本書を手に取っていない福島県外のひとのほぼすべてでしょう。ぼくは原発事故の問題は福島だけの問題じゃなくて、日本の問題なのではないか、と大きく捉えてきたふしがあって、いろいろと放射線や原発関連の本を手に取ってきました。つまり、自分の問題としても福島の問題をとらえていた。けれども、やはりそこに住まう人々とはかなり温度差があります。こっちで勝手に想像している日常や気持ちなどが、事実とはまったくの正反対を向いていたりもする。データを用いながら、そういうことを教えてくれる本です。

  • 「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」(ハンス・ロスリングほか、日経BP)の福島県版という感じ。知らないことがたくさんあった。本の扉の次に見開きで掲載されている「福島を知るための25の数字」の中には、「私たちは通常、年間何ミリシーベルト被曝している?」のように、一度は調べたものの既に忘れてしまったものもあるが、大多数は見当すらつかない。もっとも、2015年に出た本だから、それから8年後の今は、また状況が変わっているに違いない。誤解に基づく言説も、その大半を初めて知ったが、こちらは、見聞きしなければ惑わされることもないという意味で、知らなくてよかった。震災後に進出した小売り大手イオンに対する評価が、「東北ショック・ドクトリン」(古川美穂、岩波書店)とは正反対に見える。当たり前だが、何事にもいい面と悪い面があるということだろう。「『情報』が存在すること自体は重要ですが、『情報』があるからといって理解が進むわけではありません。…/情報が過剰にあることによって、適切な理解をする可能性が下がることもある。/…バラバラの情報を体系的な知識に変えることではじめて、効率的な理解が進みます。」(159ページ)をいうくだりが印象に残った。新型コロナウイルス感染症の流行初期の混乱も、そういう側面があったように思う。2015年6月7日付け読売新聞書評欄。

  • 読まずに敬遠していた。

  • 筆者をここまで追い込んでしまったことが何だったのか、なんとなく想像がつく。
    個別のイシューはともかく、現実を適切に理解することの難しさは、常に意識しておかなければならないと思う。

  • 東日本大震災

  • 明後日から福島視察に行かせてもらうので、事前学習も兼ねて読了。
    この1週間で事前課題として出された本を一気に読んでいるのだけど、福島のこと、知ったつもりになっていたな…と反省。

  • マクロ・ミクロ両方の視点が必要と改めて認識。誤った報道、感情は復興を遅らせる。真偽はエビデンスベースで考えたい。

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著者プロフィール

1984年福島県いわき市生まれ。東京大学文学部卒。同大学院学際情報学府修士課程修了。現在、同博士課程在籍。専攻は社会学。現在、立命館大学衣笠総合研究機構准教授(2016-)。東日本国際大学客員教授(2016-)。福島大学客員研究員(2016-)。
著書に『福島第一原発廃炉図鑑』『はじめての福島学』『漂白される社会』他。

「2017年 『エッチなお仕事なぜいけないの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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