石黒くんに春は来ない

著者 :
  • イースト・プレス
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本棚登録 : 259
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781614885

作品紹介・あらすじ

悪人ならいくら叩いても良いって、それを娯楽みたいに感じてるんだと思うよ。
みんな、正論で人を殴るのが楽しくて仕方ないんだよ。

スキー教室の夜、姿を消した少年は、雪山の中で救助されるが意識不明の重体。
クラスメイトとの人間関係に問題があったと申し立てる保護者は、入院したままの少年を転校させた。
バツの悪い思いをしながらも、日常生活を取り戻した生徒たちに、突然、少年からのメッセージが届き……。

『響け! ユーフォニアム』著者が贈る、衝撃の学園ミステリー
どんでん返しの連続に、あなたはついてこられるか!?

感想・レビュー・書評

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  • 学校という閉塞感のある環境にスクールカースト、SNSを織り交ぜて物語は進む

    常に主人公の恵美の視点で書かれているので、恵美と同じ感情に引っ張られていくからこそ、ラストに向けての展開が衝撃的に感じるんだと思います

    ただ、正義もやり過ぎると、正しさが見えてこないことってあるよなぁ〜とも感じましたね
    全体的に面白かったし、ラストも良かったですが
    復讐=正義な感じが受けてしまったところが、少し乗りきれなかったですね

  • 読みやすく、いい具合にざわざわする読み心地のお話で面白かったですが、
    個人的にはタマリン大量出現あたりがピークで、その後は少々尻切れトンボ
    宇正がスマート?すぎて、なんかス○ッとジャパンみたいな…
    とはいえ、LINE上で匿名性をもって下剋上を仕掛けたクラスメイトたちが、
    リアルな教室の中でもその顔を失っていく表現などは、怖さがあって良かったです
    「青春は美しくなんかない。世界は狭く、現実はおぞましい」
    この冒頭の一文が良いです

  • 高校の閉塞感を思い出した。自分の居場所を探して同調圧力に屈してた学生時代。今はSNSも加わり言葉(文字)で心境を判断する時代だと思うとぞっとしてしまう。
    最後のどんでん返しは複雑な気持ちになってしまった。

  • SNSが高度に発達した今の学校という村社会は、いよいよもって弱肉強食で、しかも一発で立場が逆転する世界になってしまった。
    本当に生きづらい世の中

    弱者を徹底的にたたき、悪を徹底的にたたき、自己承認・満足感を得るこの構図、実に救いようが無い。

  • 石黒くんに来ない『春』は『青春』だと思っていたけど違った
    学校の独特な雰囲気が少し心に痛かった

  • スキー合宿中にクラスの女王様的な存在に告白した石黒くんは振られた上にLINEグループに告白したことを晒されて失踪!から始まるスクールカーストを巡る青春ミステリー

    1000年後くらいに日本昔ばなしで語り継がれそうなSNS全開時代を過ごす青春のいろんな要素が入ってる物語

  • 石黒くんと宇正くんがグルなのは2人の会話を通して分かっていたけど、まさか黒幕があの人だったとは、、

  • 正しさとは?どんでん返しの最後になってもわからなかった。面白かったです。
    クラス内カースト下位の生徒の生き方、LINEでのいじめに値するやり取りがリアル。
    陽キャのいじめっ子に肩入れする担任も、カーストの女王も、それを潰そうとするあの人も、正しいような正しくないような。なんて考えてしまう。

  • 誰よりも一番怖かったのはあのひと

  • 図書館で借りた本。

    LINEを使ってクラス内のやり取りや学年全体のやり取りが行われるなど、今どきの高校ってこんな感じなんだろうか。
    2016年に出版された本なので、今2020年はまた少し違うのかもしれない。

    後半になるにつれて物語が加速する。一気に読んでしまった。高校生の時ってここまでいろんなことを考えられただろうか。高校という狭い世界で生きているからこそ生まれる葛藤や思い込みなど、青春といえば聞こえはいいが、狭い世界だからこその怖さがあった。

    衝撃のラスト、というと大げさだけど、あまり予想していなかったラスト。というかそこまでは書かれていないんだろうと思って読んでいた。そうか。そうだったか。

    これはこの高校での話だけれど、このまま大人になって、大人になっても同じようなことをする人もいるのだろう。

    読んでからちょっと時間があいての感想なので、漠然としたものになってしまった。

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著者プロフィール

1992年京都府生まれ。第8回日本ラブストーリー大賞最終候補作に選ばれた『今日、きみと息をする。』が2013年に出版されデビュー。『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』がテレビアニメ化され話題に。同シリーズは映画化、コミカライズなどもされ人気を博している。2020年に『愛されなくても別に』が第37回織田作之助賞の候補に、また2001年には同作で第42回吉川英治文学新人賞を受賞。その他の著作に、「君と漕ぐ」シリーズ、『石黒くんに春は来ない』『青い春を数えて』『その日、朱音は空を飛んだ』『どうぞ愛をお叫びください』『世界が青くなったら』『嘘つきなふたり』などがある。

「2023年 『愛されなくても別に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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