精神科ナースになったわけ (コミックエッセイの森)

著者 :
  • イースト・プレス
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本棚登録 : 698
感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781615288

感想・レビュー・書評

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  • R2.1.27 読了。

     「人はなぜ、心を病むんだろう?」「『おかしい』と『おかしくない』の境界線はどこにあるの?」。
    患者さん達と同じ目線で会話している看護師が、印象的でした。これって簡単なようで難しい。
    漫画のイラストがほっこりしていて良いですね。

  • タイトルインパクトあります。どんな科のナースさんもそれぞれ患者さん、ご家族やお医者さん、スタッフさんとの板挟みで難しいと。ですが、精神科ナースの方の大変さを少し知ることができました。新型コロナ禍の中でもいつも以上に気をつかい、大変なご苦労と思いをされているんだと思います。ありがとうございます。どうかお体に気をつけて。願うばかりです。

  • 精神科ナースの方や精神科医、医療施設や団体など、様々なところに取材をして著者がまとめたコミックです。何度も読んでしまいます。そして、同じところで同じように胸が痛くなります。

    ブログにて詳しいレビューしています*
    https://happybooks.fun/entry/2021/02/20/164814

  • コミックエッセイだけど、あとがきを読むと、著者の方が精神科ナースなのではなくて、精神科のナースの方を取材して書いた本。
    中身は、ナースがなぜ「精神科ナースになったか」よりも、どんな方が入院されていてその方々の心の中身を描いている。精神科の患者さんはやっぱり思ったより身近で、入院するも一般の生活送るのもそんな大差ないな、と感じた。どういう接し方、捉え方をすればよいのかの勉強にもなる。続編希望。

  • 絵はかわいいけど、
    エグくてリアル

  •  良くも悪くも瑞々しさがあって、これはないわーとかこの返しはうまいなーとか、自分は看護師ではないけれど、対人援助職として日々の自分と対比しながら楽しく読むことができた。
     取材自体がとても丁寧になされたようなのは個々のエピソードの濃さで何となく分かるけど、(物理的に過心理的にかはともかく)職場で疎外感を感じている傾向にある人に取材源が偏っているかな、とは思った。それでも辞めずにこの業界にいる人達だろうから、話は読ませるものがある。

  • 興味深いことがたくさんあった。
    精神科に関係がなくても看護師でなくても
    この生きにくいストレス社会で生きていく僕に必要なことがわかりそうな感じ。

    なってしまうものはどうしようもない
    それをどうするか考えるのが大切。

  • 私の中にもオカシイところはある。オカシイと普通の境目ってどこだろうとか、狂えたらラクなのかもとか思ったこともある。
    そんな疑問の世界を少し垣間見したような気持ちです。

  • 借りたもの。
    “心”の仕組みに関心を持った主人公が精神科のナースになって、そこで出会った入院患者を通して、心が不安定になる原因あるいは平常心の不思議を垣間見る。
    一見、不可思議な動機に聞こえる言動には、患者の心の中で多くの葛藤(彼らの中で筋が通っている理論)があった。
    さらにその奥には本人が蓋をして押し殺してしまった感情が渦巻いていた。

    境界性人格障害、自傷行為を繰り返す患者の「(本当は無条件に)愛されたい」という願い。

    妄想の件は凄かった……かなり主観的なものと思ってはいたが、当事者が無意識に募らせた不満・不安が独特のストーリー(当事者は筋が通っていると思っている)を持つ。
    そして妄想の当人を更に苦しめるという悪循環に。
    若松組という悪の組織が部屋を揺らすって……鬱の症状で身体が揺れるような感覚があるという話を聞いたことがあるが、その可能性がありそう。
    鬱で受診した女性の母子カプセル化(共依存)と、無関心な父親。

    家庭環境などに起因し、自身の心に蓋をしたり、それで気力が衰え体力も落ちると悪循環になる……そうしたサイクルが見えてくる。

    「身体が具合悪いと心も具合悪くなるんだと思いました」

    あるお医者さんの原因は「だいたい血行」というのは的を得ている。
    というより、原因が心因性でも血行が良くなることが回復の兆しになることもあるという話とも解釈できる。

    そうした精神科の看護師さんたちも大変……
    暴れる患者の応対だけでなく、共感しすぎてメンタルをすり減らしているとか……
    共感は大切だけれども、し過ぎてはならない。傾聴することは聞き流すこととも違う。
    微妙な匙加減のようでいて、大切なのは患者の“内面を客観的に見る”こと。

    患者は蓋をし過ぎてそれが何なのかわからなくなっている。
    それに“気付かせる”ことが患者の回復にも繋がると、私は思っている。

    安藤たかゆき『こころを病んで精神科病院に入院していました。』( https://booklog.jp/item/1/4040677382 )とも併読。
    上記とは違い、投薬についての描写は特になかった。

  • 精神科の話しですが、自傷行為の裏側に本人の思いがあるのが、深い仕事だなと思いました。

著者プロフィール

神奈川県生まれ、東京在住。2014年に「あたふた研修医やってます」(KADOKAWA)でデビュー。
主な著書に『こころのナース夜野さん』( 小学館 )、『私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記』(文藝春秋)、『男との付き合い方がわからない』(大和書房)、『精神科ナースになったわけ』(イースト・プレス)、『32歳で初期乳がん、全然受け入れてません』(竹書房) 、『まどか26歳、研修医やってます!』、『コミュ障は治らなくても大丈夫』(KADOKAWA)等。

「2023年 『僕は春をひさぐ~女風セラピストの日常~(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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