男が痴漢になる理由

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著者 : 斉藤章佳
  • イースト・プレス (2017年8月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781615714

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男が痴漢になる理由の感想・レビュー・書評

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  • 請求記号:368.64||Sa 25
    資料ID:W0187527

  • 社会に心の余裕が無さ過ぎる。
    フッと疑問が湧いたのは、男性の支配欲は学習や社会の成熟と共に矯正可能なのか?ってこと。
    七つの大罪ってか人間の性(さが)が現代社会でも当然作用してて、痴漢はその病理の現れなのかも、今は鉄道会社の具体策や人の善の力と努力で対処するしかないのかなぁ。
    なんかまとまらんわ。
    ってか女性の具体策に関して何か無いのかよ!と思ったけど何か書いたあったっけ、笑

  •  
    ── 斉藤 章佳《男が痴漢になる理由 20170818 イースト・プレス》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4781615716
     
    「痴漢行為をやめて何を失ったか」と質問を変えたところ、みな一様に
    「生き甲斐」と返してきたとのこと。怖すぎる。
    https://twitter.com/kutabirehateko/status/920039272677195776
     
    「パチンコをやめて何を失ったか」と質問しても、やはり「生き甲斐」
    と返してくるのではないか。
    https://twitter.com/awalibrary/status/920816159271743488
     
    (20171019)
     

  •  東京・大田区にある榎本クリニックという、依存症治療に特化した医療機関において、性暴力についての治療プログラムを10年ほど担当してきた精神保健福祉士・斉藤章佳の著作。本書のテーマはそのなかでも、「依存症としての痴漢」というものを対象とした内容となっている。

     一般的に痴漢というのは、「自身の性欲を抑制できない意志の弱い者」「異常に性欲が強いもの」による犯罪として捉えられるかもしれないが、しかし著者によれば、そうしたイメージは実際の痴漢像とは隔たりがあるという。斉藤によると、性暴力の少なからぬ部分は、自身のストレスへの対処行動であり、そうした選択肢を手放すことができない依存症としてあるというのである。

     依存症は、特定の物質使用や行動を抑制することのできないコントロール喪失と、離脱症状によって特徴づけられるが、痴漢にもそれが当てはまるという。著者のもとに通う患者は、自身の行動について、「スイッチが入る」ように没頭してしまい、それを止めることができないという。患者によっては、「痴漢のノルマを達成しないといけないので会社に遅刻しても仕方ない」「こんなに頑張ったのだから痴漢をしてもゆるされる」といった認知の歪みを伴って、痴漢行為に勤しんでいたものも少なくないという。従来の痴漢像を払拭しなければ、その実態にアクセスすることは難しい。

     しかし、「痴漢は依存症である」という言説は、ともすると「依存症という病気なので、痴漢してしまうことはしょうがない」ととられかねない危険性をはらんでいる。そして、著者はその点について、しつこいぐらいに言及し、病理化による免罪をしないように気をつけている。

    「再犯防止プログラムの受講者が安易にそのような(引用者注:「痴漢は病気なのでしょうがない」という)発想に流されないよう、私たちは治療の場で常に「被害者側の視点を取り入れる」ことを重視しています」
    「病気という側面はあるけれど決して許されないことをしたーーー彼らも私たちも、この原則から離れてはいけないのです」(pp56-57)

     著者の主張する論点は、痴漢はまずもって許されない行為であるが、そこには依存症としての特徴があり、痴漢が特定のストレスへの対処行動としてあるということを踏まえて、依存症治療のメソッドを応用することで、痴漢行為の再発防止を目指していくことができる、というものである。

     また、著者によれば、痴漢行為の背景にあるものは、性欲ではなく、「男性による支配欲」であるという。男性は女性より上位に立つべきであるとか、女性のほうが劣っている存在であるとか、そうした考え方が性暴力を行う男性の思考を根底で支えている。それは、もちろん痴漢に限った考え方ではなく、男性を中心とした現在のこの社会の中で、気付かずに培われるものである。そして、そうした価値観がストレスを契機に痴漢という形で表現される、というのが痴漢のメカニズムであると述べられている。
     だから、痴漢はそれ自体は特殊な表現形であるとしても、男性ジェンダーの中で社会的に育まれる支配欲の発露として、すべての男性にとって無縁ではない行為とも言えるのである(アダルトビデオや性風俗においては、その支配欲を満たすことを主眼に据えられたものが少なくないのは、その一つの証明である)

     だから、治療におけるポイントは、「男性優位社会」において刷り込まれる価値観に基づいた認知の歪みを直していくことがキモになるのだが、患者はすぐそこに思考を働かせることが難しい。そのため、実際的には「ストレス発生→痴漢行為」という確立されたパターンを変えていくことが重要となる。ストレスがあったとしても、その対処法として痴漢を選ばなければよい。行動が変容することに伴って、自身が知らぬ間に培ってきた、認知の歪みをも段々と変えていくことができるという。

    こうした方法によって、斉藤のもとに長期で(3年以上)通い続けている患者の中で、再犯者はゼロだという。願わくば、こうしたプログラムが公的な機関のバックアップの元、各地に作られることで、痴漢という性暴力に苦しむ人が一人でも減ることを求める。

    (ところで、この本は痴漢をめぐる議論について、治療専門家の視点から重要な議論を提起しており、昨今インターネット上でも話題になりがちな「痴漢冤罪」を考える上での視座も得られるだろう。単に痴漢をめぐる議論ではなく、この社会の男性中心主義を批判的に考える上でも、示唆的な本でもある)

  • 一気に読了しました。痴漢という性犯罪の特殊性、再犯率の高さ、その背景、加害者更生の困難さ。やはり、そうさせないための根本部分を!ということで、自分が取り組んできたライフスキル教育の大切さを感じました(^^)

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