間違いだらけの憲法改正論議 (イースト新書) (イースト新書 13)

著者 :
  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781650135

作品紹介・あらすじ

自民党改憲案を支持する人に問いたい。あなたが支持する憲法案で、菅直人氏が総理大臣でも大丈夫なのか。いまの日本国憲法を守りたい護憲派の人にも問いたい。日本国憲法は、敗戦のような大混乱や、二・二六事件のような無秩序状態や、大震災のときに菅直人氏が総理大臣であるような状態から守ってくれるのか。「そもそも占領軍に押しつけられた日本国憲法は無効である」と説く気鋭の憲政史研究者が、天皇、人権、議会、内閣、司法、財政、そして第九十六条など、これまで語られてこなかった日本国憲法の矛盾点を突く。

感想・レビュー・書評

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  • 憲法の本はこれまでにもいろいろ読んできましたが、もっとも本質を突いている気がしました。
    そもそも、アメリカのマッカーサーが書いた落書きを草案とする今の日本国憲法をいじってもなんの解決にもならないという話でした。
    天皇の役割とか、わかっているようでわかっていない話には、目から鱗が落ちました。

  • 改憲派でも護憲派でもない、これらを俯瞰する立場から憲法改正議論について述べた本。日本国憲法の今後を案じ、考える機会にしたいと思い、手に取った。少し難易度が高い内容で、理解が追いつかない部分もあった。憲法にあまり馴染みがない状態でいきなり本書を手に取るのは、辛いものがあるかもしれない。
    理解した範囲で、以下に本書の内容を要約してみたい。
    憲法の条文の内容は必要最低限とし、細かいところは法律で定めなくてはならない。如何様にも解釈できる条文の内容よりも、それをどのように運用するかの方が重要である。成り立ちからいって、当用憲法(=日本国憲法)は日本の歴史、文化、伝統に立脚していないマッカーサーの落書きであり、仮にこれに手を加えた所で戦後レジームから脱却できない。そもそも、当用憲法を改正するにしても憲法観について国民が合意しておくことが不可欠なのに、軍隊をもつかどうかという初歩的な点ですら意見がわれているようでは程遠いだろう。
    以上、要約終わり。つまりは、今の当用憲法はやめて、日本固有の歴史、文化、伝統に根ざした新しい憲法を作ろう、ということが視野にあるのだと思う。日本人が目を覚まし、本来の誇りを取り戻すことを切に願う。

  • 【由来】
    ・図書館の新書アラート

    【期待したもの】


    【要約】


    【ノート】

  • 日本国憲法の誤字について、鬼の首をとったように自慢してるが、そんなに大切なことではない。この人はいつも好戦的で、右にも左にも批判的だが、この人の主張はわからない。ケムにまかれた気分になって読み終わる。

  •  あれあれ、と思うところが圧倒的に多いが、読んで損はないと思う。
     しかし、もう少しロジックを活用して説明しないと、説得力皆無とも。ただの印象論に堕している。

  • 憲法の本
    憲政の常道
    字句をこだわらず、憲法の精神に鑑み
    正しい態度で憲法に対峙せねば

  • 「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」に変えたぐらいで<基本的人権が否定される!>と騒ぐような馬鹿げた憲法論議にうんざりしたので、それとは違った視点で書かれているとおもわれる本書を購入。

    護憲・改憲議論の問題点を指摘するも、首相が菅直人でも大丈夫な憲法の具体案は出ず。今はその機が熟していないという。

    現行憲法だけでなく帝国憲法の理念までが正しく人々に理解されて、その上でないと、条文を多少いじってもろくなことにはならないよ、とある。私も帝国憲法が言われるほどひどいものだと思わないのでこれはそこそこ説得力がある。でも、見方を変えれば、50年とかの歴史のある昭和憲法無効論の進化型にすぎないのかもしれない。

    今は条文を変えずにできることを何でもやるべし、という。安全保障についてはそれでいいとしても、同じ理論で外国人参政権が肯定されかねないから、やはり条文をまだ変えるな、は言いすぎかなと思う。

    あと、現行の憲法9条第1項はパリ不戦条約と国連憲章をベースにしてるので、敗戦国云々ぬきにして大幅な変更はむりだろう。今国権の発動として戦争を起こしていい国はない。

    ルイ16世の死刑を決めた投票が1票差だったというのはwikipedia先生によると正しくないらしい。

  • なるほど!根深いねぇと思う本。憲政の常道とは?いつか日本人が考えなければならない問題。いつ考える?いまでしょ!

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著者プロフィール

憲政史家

「2023年 『これからの時代に生き残るための経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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