自治体崩壊 (イースト新書) (イースト新書 43)

著者 :
  • イースト・プレス
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781650432

作品紹介・あらすじ

今や地方からは少子高齢化社会がもたらす断末魔のような悲鳴が上がっている。シャッター通りの駅前商店街、空き家、後継者不足。戦後、努力すれば誰しも均等に報われ、安楽な老後が約束されていたはずだった。だが、人口減少社会の到来は、バブル期以後、加速した「東京一極集中」によって中央と地方のさらなる格差を生み、「限界集落」から今や「八九六の市町村が消滅する」と警告する「地方消滅」論が脚光を浴びている。「地方消滅の虚実」と「地方再生」の処方箋を新潟大学法学部長が緊急提言!

感想・レビュー・書評

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  • 広く浅い現状分析にとどまっている印象。
    処方箋はないにせよ、もう少し踏み込んだ意見が聞きたかった。

  • 現状ルポという感じ。処方箋まで踏み込まれているわけではない。

  • 「消滅可能性自治体」というアオリに対して、とても丁寧に「落ち着け」と解説しており、現状把握、現状分析の書として読む分には悪くない。研究(大学教授)と実務(県知事)の両方を手がけてきた著者ならでは。
    ただし、ではどうすればよいのかという提案部分になると弱含みというか焦点が定まらないというか、分析時のキレのよさがなくなってしまう。これまで何度も行われてきた地方活性化政策をきちんと検証せよ、というのは正論ではあるが、もうちょっと踏み込んだ意見が聞きたかった。
    唯一の解、魔法の杖、万能の薬はないとしても、あまりに抽象的で「では私は明日から何をしようか」につながらない。
    その点、最近注目しているのは木下斉さん@shoutengai 。補助金が諸悪の根源、補助金なしで自立できる経済エンジンを作ろう、手段手法は色々ある、という趣旨の発言で、個人事業主としても参考になる。

  • S318.2-イス-043 300413044

  • ■都道府県の形が今のように47の区域となったのは1888年。
    ・廃藩置県移行合併と分離とを繰り返し,ある時は70を超え,ある時は40を下回っていた
    ・1888年当時,全国で最も人口の多かった府県は新潟県で166万人/4000万人
    ・兵庫県:151万人,愛知県144万人,東京府:135万人,広島県:129万人(5位)
    ■過疎という言葉は1966年に経済審議会の中で初めて用いられたと言われる。
    ■2010年の生涯未婚率は男性で20.1%,女性で10.6%で,未婚率は近年急激に高まっている
    ・1970年の未婚率はに男性1.7%,女性3.3%
    ・1990年は男性5.6%,女性4.3%

  • いろいろなデータが羅列されてます。

    答えは無いでしょうね。

    人が自由である限り、政治的な仕組み作りも、強制も不可能でしょう。

    ただ、私自身そうですが、生き方の多様性も拡がっている様に感じます。

    都会に憧れるのならば、行けばいい。

    都会で成功して、自身が幸せを感じ、国家に貢献するのも、田舎で同じ様に成るのも、自由ですよ。

    田舎で一生懸命生きている若者がいるのも事実。

    とはいえ、行政サービス、役人さん達の待遇が、田舎の方が充実してる事が一番問題かも(笑)

  • 東2法経図・開架 318.2A/Ta82j//K

  • 国内の約半数の自治体が将来消滅する可能性がある―。
    日本創成会議が昨春、そんな衝撃的なレポートを発表して以来、「人口減少問題」に俄然興味を持ちました。
    同会議座長の増田寛也元総務相の著書「地方消滅」(中公新書)はもちろん、関連書籍もそれなりに読み漁り、関係する新聞記事も「これは」というものはスクラップしています。
    本書もその流れで手を出しました。
    結論からいいますと、うーん。
    たしかに現状理解は深まりましたが、著者の示す処方箋が煮え切らないという憾みが残りました。
    それだけ人口減少問題は解決の難しい問題ということの証左なのかもしれません。
    日本創成会議が「東京一極集中」の是正を提言しているのに対し、著者は東京と地方の関係を丁寧に解説した上で、「車の両輪」として両方の良さを実感することを提案しています。
    私自身は「東京一極集中の是正」には理があると思っていましたが、事態はそう簡単ではないようで、著者のような考え方に触れられただけでも有益でした。
    我が故郷・猿払村の平均所得が450万円と、11位の千葉県浦安市を抑えて堂々のベスト10入りを果たしていることとか、個人的には興味深い情報も知ることができました。
    ありがとうございました。

  • 【読書その335】久しぶりの読書記録。2014年もあと2週間になりました。今年は一時期本を読めない時期もありましたが、なんだんかんだで、335冊目の本。他省庁への出向を通じて、新しい分野への興味関心が芽生え、様々な分野の読書に挑戦しました。その中でも、自分自身の今年の関心のど真ん中は、やはり「地方創生」。安倍内閣における経済成長と並ぶ大きな最重要課題ですが、都市部の高齢化問題に関心の高い自分にとっても関心が高いです。本書は、そのテーマを新潟大学法学部長の田村秀氏が著しており、第二の故郷、上越市をはじめ、新潟県を一章扱っており、非常に興味深かったです。
    最近なかなか記録を残せていないですが、完璧なものではなくても、少しでも感想を書き留めたいと思います。

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著者プロフィール

1962年生まれ。北海道出身。東京大学工学部卒。博士(学術)。自治省、香川県企画調整課長、三重県財政課長、東京大学教養学部客員助教授、新潟大学法学部教授・学部長を経て、現在は長野県立大学グローバルマネジメント学部教授。専門は行政学、地方自治、公共政策。著書には『暴走する地方自治』『地方都市の持続可能性』(どちらも、ちくま新書)、近著に『公立大学の過去・現在そして未来』(玉川大学出版部、2021年)など多数。

「2022年 『自治体と大学 少子化時代の生き残り策』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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