- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781680545
作品紹介・あらすじ
日本の失われた1カ月とは?! 西暦は実は二の次?! 世界から7年遅れてる国がある?!
宗教・アート・食文化・仕事……
カレンダーから見える意外な事実!
普段生活するなかで当たり前のように使っている暦。ですが、歴史を勉強してみたり、海外へ旅行してみると、はじめて知る暦の不思議がたくさん出てきます。暦にまつわる不思議を知れば、日本と世界の文化・暮らしの違いや共通点に気づき、異文化理解も深まります。世界中のカレンダーを収集し、そのカレンダーが使われる地域の社会・文化・暮らしを理解するための研究を長年行ってきた著者が、さまざまな角度から暦の話をわかりやすく語ります。
感想・レビュー・書評
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読みやすく分かりやすい、入門書や雑学からもう一歩進んだところに
一段だけ登ったような、気軽に読める本。
身近な例はもちろんのこと、文章自体が軽すぎず、もちろん難しすぎない。
新聞の連載を読むような気軽さで、一気読み出来る。
元号の元年の暦は"ないもの"と読んで、はっとさせられる。
そう、当たり前だけれども今回の令和の改元がいかに特別であったのか。
そして元号を持つ国が特殊であることを、日本に暮らすがゆえに
見失っていたことを思い出させてくれる。
この元号について、所功先生の言葉を抜粋されているのだが、
それもインパクトがあった。
P62-63
「あえて言いますと、元号は文化としてのローカリティなものですし、
西暦などはかなり文明的な広がりを持つものですから
『どちらかだけでいい』ではなくて文化と同時に文明も必要である、
文明も重要だけど文化も必要だという観点から考えると、どのように
併記していくかということになろうかと思います」
所先生の意見のように、どれかを生かしどれかを切り捨てるのかではなく、
それぞれのよい部分を生かし使い分けていくことが重要であると思われます。
大きくは5つの内容があり、どれも知っているようで知らないもう一歩を
教えてくれる。
1)暦とはなにか…太陰暦/太陽暦/太陰太陽暦などの違いと歴史、元号と年号の違い など
2国による暦の違い…エチオピアやバリ、サウジアラビアのカレンダーの違いや週の始まりは何曜日?ISOも交えて、日本での混在について
3)日本の暦、今昔…旧暦や沖縄・アイヌの暦について
4)食と暦…自然暦と行事の食事について、海外の耳馴染みのある事例含めて
5)暦から広がるアート…ネブラ・スカイディスクを始めとするアートと暦の関係について歴史的な観点も含めて
全体の感想として
世界の暦の違いを少しだけ覗けるような、そして生活の中で「丁寧な暮らし」に
よく出てくる旧暦や自然暦について、そしてそれらと食との関係など、
知っているようで知らない、
知っていても裏付けのない雑学を知識としてバージョンアップ出来るような一冊。
難しくなりすぎすも、きちんとした裏付けと知識があるからこその、しっかりとした
「読者を置いていかない」語りは、本が苦手な人にも面白く感じられるのではないかと
思うほど。
著者の中牧先生は暦の専門家でいらっしゃるので、興味を持った方は別の著書も
手に取ってみても良いかもしれません。
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【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 暦とは何か(どこから暦は生まれたの?/最古の暦はどんなもの? ほか)/第2章 暦は国によってこんなに違う!(台湾・北朝鮮・日本の暦の共通点とは?/世界より7年遅れている国がある!? ほか)/第3章 日本の暦いまむかし(誕生日を祝うようになったのは明治時代/キュウレキストって何? ほか)/第4章 食と暦の深い関係(飢えないための縄文カレンダー/モロコシ・カレンダー ほか)/第5章 暦から広がるアートの世界(古代エジプトだけじゃない!ヨーロッパにも太陽の舟があった/これは絵なのか暦なのか ほか)