いのちの食べかた (よりみちパン!セ)

著者 :
  • イースト・プレス
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本棚登録 : 204
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (123ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781690025

作品紹介・あらすじ

魚は切り身で泳いじゃいない、そんなことは知っている。では、毎日食べる大好きなお肉はどこからどうやって、やってくる?

感想・レビュー・書評

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  • 良書。「中学生以上のすべての人に」という同シリーズキャッチコピーの通り、大人が読んでも十分読み応えのある本。

    スーパーで売られている食肉はどのような経緯を経て目の前に現れるのか?野菜や魚と違ってその「中間」の情報がほとんど入ってこないのは何故か?そこにどんな人たちが関わっていて、どんな歴史があるのか?そういった話から始まり、後半はどんどん深いところへ話が進んでいく。

    知ることの大切さ。決して自分に都合の良いことだけを見て知るのではなく、時には受け入れがたいと思うようなことも知ろうとすること。そしてそこに当事者意識を持つこと。
    そうすると、物事にはひとつの見方ではなくたくさんの側面がありたくさんの見方があるということを理解できる。

    日々なんとなく暮らしていたら意識から外れてしまいそうな「知ること」の大切さ。この本を読んではっとして思い出した。大人になったからこそ、たまに立ち止まって読み返したい本。

  • 命をいただく
    お腹を満たすために食べようと口に入れた瞬間幸福を感じる。その加工された食品には必ずその前に生命がある。
    友人からの勧めで紹介されたこの本には、生きているところから食卓に出てくる状態までの状況が事細かに記されている。読んでるときに随所で胸の鼓動が高鳴った。
    イラストと文章で教えてくれた著者に感謝したい

    動物だけでなく植物も犠牲になって私たちは生きている。
    常に思いながら感謝をして生きよう。
    事実を知れてよかったです

  • 人生で一回は読んで欲しい

    生きていた動物たちを殺して食べている
    食べるためだけではなく動物実験などでも膨大な生きものを殺しながら生きている
    いのちを犠牲にして私たちは生きているということをしっかりと知るべき
    部落差別、戦争についても触れている

  • 小学生の頃だった。
    いただきますってちゃんと言おうと思わされた。

  • 子ども向けにわかりやすく、考えさせる内容。
    感受性豊かな子は、トラウマになるかもね。

  • 読みやすい文章で、子どもにも理解しやすい。
    ただ、途中からの、差別問題への話の展開は、やや強引。
    というか、タイトルを変更すれば良いのかも?

  • 「子どもを本好きにする10の秘訣」>「命・生き方」で紹介された本。

  • 屠殺の話から始まり、部落差別の問題を深く掘り下げている。差別がいかに根拠のないものかよくわかって、よい本である。川崎市の中学生向け100冊に入っている「世界を信じるためのメソッド」よりもオススメ。
    特に伝説のと場労働者のことばが印象的だ。とにかく解体が早く正確な彼のところに、戦後間もなくて豚や牛なんてほとんどと場に来ないころ、大きなヤギが運びこまれた。ヤギのと畜など誰も経験がなく、 命じられた彼はハンマーで眉間を殴ったが、豚なら気を失うはずなのにヤギは倒れない。あわてて何度も殴ったが、血だらけになりながらやはりヤギは倒れない。最後には仕方なく、ナイフでとどめをさしたという。
    これだけの話をしながら彼は、「あのヤギには本当に申し訳ないことをした」と何度も繰り返した。目元にはうっすらと涙が浮かんでいる。もう半世紀も前のことなのに、一匹のヤギを苦しめて殺してしまったことでこんなにも苦しんでいる。
    もうひとつ、映画監督伊丹万作の、戦後直後のことば。「つまりだますものとだまされるものがいなければ戦争は起こらない。両方に責任があるのである。そしてだまされたものの罪は、単にだまされたという事実だけにあるのではなく、あんなにも雑作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己をゆだねてしまった国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである」

  • 総合で5年生が「生きることは食べること」を学習予定。学校司書として読むことに。『僕の家は精肉店』『君の家にもウシがいる』『みーちゃんの』など、読んできたが、それらを読んだ後にこの本を読むと、色々なことの説明が付く。
    と畜場やぶら

  • タイトルである「いのちの食べかた」からはちょっとイメージが出来ない方向に話題が展開がされており、ちょっと違和感が残りました。ようは、知らないことをそのままとせず、知るための努力をしよう!ということなのかな。

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著者プロフィール

森 達也(もり・たつや)
1956年、広島県呉市生まれ。映画監督、作家。テレビ番組制作会社を経て独立。98年、オウム真理教を描いたドキュメンタリー映画『A』を公開。2001年、続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。佐村河内守のゴーストライター問題を追った16年の映画『FAKE』、東京新聞の記者・望月衣塑子を密着取材した19年の映画『i-新聞記者ドキュメント-』が話題に。10年に刊行した『A3』で講談社ノンフィクション賞。著書に、『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』『職業欄はエスパー』(角川文庫)、『A2』(現代書館)、『ご臨終メディア』(集英社)、『死刑』(朝日出版社)、『東京スタンピード』(毎日新聞社)、『マジョガリガリ』(エフエム東京)、『神さまってなに?』(河出書房新社)、『虐殺のスイッチ』(出版芸術社)、『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ』(ミツイパブリッシング)、『U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面』(講談社現代新書)、『千代田区一番一号のラビリンス』(現代書館)、『増補版 悪役レスラーは笑う』(岩波現代文庫)など多数。

「2023年 『あの公園のベンチには、なぜ仕切りがあるのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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