- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781906812
感想・レビュー・書評
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筑波大学の授業科目「力学Ⅰ」(第1~5章)、「力学Ⅱ」(第6~8章)の教科書。
価値無し、あるとしても復習用か。
力学の数学的な表現が淡々と述べられている。実現象がどうなるかの解説が無く、理論や数学利用の妥当性を読者が判断できず物理の書として無意味である。かろうじて数値計算が巻末にあるが、申し訳程度で検証するには不充分に感じる。
数学的表現をなぜそうするのか/なぜ適用してよいのかについて説明が無く、初学者には理解しづらい。変数や定数を表すアルファベットやギリシャ文字に統一感が無く、例えば密度と曲率半径が共にρであったり、接線方向成分と時間が共にtであったりと紛らわしい。分野範囲も限定的で大して多くもない変数や定数なのだから重複は避けられたはずである。
とはいえ、進学してから再び読んでみて、印象が違って見えたのも事実である。一通りの物理学を学んだ後には、最短の近道を選んで力学を説明している良く考えられた書にも思える。中堅がこれから高度な領域を学ぶ前に立ち止まって基礎を再確認するには有用かもしれない。(が、そのころには本書の範囲は理解できているので購入する気にはならないか)。
他の教科書の巻頭や巻末付録にある力学基礎の説明のほうがよっぽど良いのがある。1年生は本書を購入せず、履修を計画している科目の教科書を先取りして購入したほうがお財布にも良いかもしれない。今後レビュー予定であるが「機械の力学」などはよくまとまっていてわかりやすい。
目次
1.質点の運動
2.質点の力学
3.仕事とエネルギー
4.万有引力
5.相対運動
6.質点系の力学
7.剛体の力学
8.解析力学
9.簡単な数学公式集
10.パソコンによるプログラム例詳細をみるコメント0件をすべて表示