量子論の基礎―その本質のやさしい理解のために (新物理学ライブラリ)

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著者 : 清水明
  • サイエンス社 (2004年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781910628

量子論の基礎―その本質のやさしい理解のために (新物理学ライブラリ)の感想・レビュー・書評

  •  物理系の学科であれば必ず学ぶ量子論は、自然界のあらゆるスケールの法則を支配します。主に目で見ることのできないミクロな世界の記述に用いられる量子論ですが、ブラックホールや宇宙の創成にも関わる理論でもあり、様々な物理現象との関係が明らかになっています。
     一方、量子論は他の物理の分野に比べて、直感的な理解が難しい分野とも言えます。授業や標準的な入門書では、十分な説明がないまま計算から始まる場合が多く、物理的意味が見えにくいため、苦悩する方も多いと思います。
     本書は量子論の基本的なルール(公理)から始まるユニークなテキストです。具体的な物理現象への応用についての記載は少なく、書名通り基礎の解説が続きます。量子論を用いた物理現象の解析について学ぶ際は、他の標準的なテキストを開くことになります。量子論の勉強を始めたけれど、計算ばかりで何をやっているのかわからないと感じた方が手に取ると、理論の骨格がはっきりと見えてくるはずです。数学書のような雰囲気を持っているため、好き嫌いはあると思いますが、量子論の深い理解を目指すのであれば本書の助けは必要です。最初の一冊としてではなく、授業や他の本である程量子論を学んでから、本書に目を通すことをおすすめします。

    若林智章(新領域創成科学研究科先端エネルギー工学専攻)

    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=2001863731

  • 東大で全学部の1、2年生を対象として行われる選択講義で教科書として使われている本です。
    記述は一般の書籍通りシュレディンガー表現に主として片寄っている感はありますが、量子力学における基本的な考え方や記法(ブラケットなど)を一通り概観することができ、量子力学を学ぶにあたって手に取る一冊目の本として適しています。
    量子力学の概念をかみくだいて理解したいような場合には適した内容ですが、問題を解くことに目的をおく場合にはこの本だけでは不十分で、より実践的な本と併用する必要があるというのが感想です。

  • 公理論的な書き方が新鮮。まさに基礎論だ。最終章のベルの不等式、局所実在論が私に取っては新しい学びだった。今の量子論の限界も記されていて、学者の良心を感じる。度々本文で言及される続編の、『量子論の発展』の出版を切に望む。

  • [内容]
    量子力学を数学的な側面から厳密に勉強したい人向けである。レベルは量子力学を一通り勉強した学部上級生~院生ぐらい。著者は「文系でも理解出来るよう書いた」とあったがそれは違うと思う。東大の文系学生なら話分かるが、普通の文系学生は数ページも読めない。
    非常に高度なことまで載っている。

  • この内容とこの情報量でこの値段!?って驚くほどの良書。量子力学をある程度数学的にもきちんと学びたい、ただし、数学的知識は理工系の教養課程程度ぐらいの知識しかない、などという人にうってつけの書。私はこの本を読んでようやく量子力学がある程度わかったような気がした。欠点を挙げるなら、この本は数学的すぎるぐらいの印象を受ける点と、通常の量子力学の教科書ならほぼ必ず書いてある水素原子の波動関数などの記述がほぼ無いことであろうか。このため、量子力学の数学的構造を基礎から学ぶには良いが、量子化学などで必要となる水素原子の波動関数の解などについては、他書を読まねばならないことになる。が、この本を読む前までは、『量子力学とは水素原子の波動関数が求められる理論だ!』ぐらいの感覚だったのが、この本を読むことによってイメージが変わった点は大きい。ベルの不等式について詳しく説明されているのもこの書の特徴の一つだろう。

  • 純粋状態と混合状態について詳しく書いてあるという事で入手してみた。巷の本に見られる間違い・不十分な記述について触れていたが,本質的に純粋/混合状態がどういう意味なのかは分からなかった。
    ベル不等式について力を入れて書いてある。非局所相関こそ量子論に特有であるという意見は一考してみると確かにと思えてくる。

  • 持っているのは、SGCライブラリー22。

  • 和図書 421.3/Sh49
    資料ID 2011102662

  • 量子論の基本的な構成をシンプルにまとめた一冊。他の本と併用して読めば量子論のスタンダードな理解は進むのではないだろうか。最初の一冊でも良いかもしれない。

  • 東大教養学部の講義ノートを基に書かれた本。
    入門、基礎という言葉が並んでいる通り、確かに読んでて頭に入ってきやすかった・・・ような気がする。
    でも、理解できてるようで理解できてないかも。
    これは、分野が分野だから、それともオレの頭の問題?
    まぁ、いきなり数学と格闘、数式の展開が始まるようなことはない本です。
    量子力学の概念を説明しているので、それを理解したい人向けの本だと思います。

  • 他にあまり類をみない構成・内容
    分りやすい。

  • この本はとてもわかりやすい。
    基礎を明確に記してある。「要請」(原理)をしっかり書いている。
    ex)状態=ヒルベルト空間の元、観察=作用素、観察結果=固有値、観察結果の分布=状態の係数…

    さらには、科学哲学的にも重大である、Bellの不等式に関する説明がある。
    すなわち、「確率論が要請される理由が、隠れた変数に関する無知によるもの」ではないこと。隠れた変数が存在しえないこと。

  • 自称・初学者向けの量子力学の本です。著者は、熱力学の基礎を書いた方です。
    100ページくらい読んでみた感想は、全然初学者向けじゃない!!ってことです。
    初めて量子力学を学んで、これがすぐ分かる人って凄いなあって思います・・。
    ですが、決して分かりにくいということではありません。
    熱力学の基礎同様、何が公理で何が定理なのかをハッキリ述べてくれている点が、個人的にgoodです。

  • あらかた目を通してみたけれど、本当に「基礎」であり「入門」では無いなという印象です。この本だけで初学者が量子力学の体系をサクっと把握できたらかなり物理がデキる人だと思う。自分は無理でした。QMの基礎をかっちり記述しているとこが魅力。初めからややこしいベクトル空間の話を避けず、何とか読者にわからせようと説明しているのでその点は凄いと思います。逆にイマイチだった点としては、頑張りすぎてわかりにくい解説が多い点。冗長になり読む気力が損なわれてくる点。そこら辺に対応できる人には名著かも。

  • 量子力学の入門書として使用。これ1冊では全然足りないものの、全体像を掴むのにはよかった。

  • 量子論の基礎について書かれた本だが、入門書にあらず。量子力学をそれなりに勉強してから読むとよい。どの前提を受け入れると量子論になるか?という本質的な問いに答えてくれる一冊。何度読んでも新しい発見があって新鮮。

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