心の社会

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制作 : 安西 祐一郎 
  • 産業図書 (1990年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784782800546

心の社会の感想・レビュー・書評

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  • 単純運動しかできないagentが集まり相互作用し合うと、複雑な運動をする「心」というシステムが生まれる。
    内部観測/外部観測の話など複雑系の導入として、とても読みやすかった。
    また基本的疑問が循環命題になるなど、一般教養書としてもおすすめしたい。

    再読:

    相変わらずミンスキーの文章は優しくて可愛い。
    そしてくどくど、ねじ曲がってなくてスッキリしていてすごい好き。


    大人たちは誰一人として遊び方を覚えたかはわからない。

    何かについて考えることについて考えずに、考えることについて考えることはできない。シーモアパパート

    常識というものは単純なものではない。逆に常識は苦しみの末に身についたたくさんの実用的な考えからなる巨大な社会である。
    つまるこの社会は部分的には法則とか規則性のようななんらかの原理に基づいてはいるが、大部分は生涯を通じて学習されるルートや例外、性格的な特徴や傾向、平衡感覚それに自己調整感覚などが折り合ったものなのである。

    すでに身についてしまったものは単純に見えるという錯覚。常識を単純だと思い込む。

    大きくて複雑な対象の理解
    -各部分が別々にどう働くか
    -各部分がそれに接続している別の部分とどうインタラクトするか
    -個別のインタラクションが組み合わさってどうすれば仕事(外からみて)ができるのか

    単純化された小さな対象を見るほど理解が深まる?

    新説論者:従来の考えを捨てて新しい考えばかりをたてたがる
    還元主義:古い考えの上に説明を重ねようとする


    物質主義か関係性主義か。

    新しい理論の付け加え。

    全体論:全体は部分の話をこえる
    効用:自分がどんなに無知であるかをわからなくしてしまう、無知の言い訳にも使えてしまう。

    どうインタラクトしているか?に重点。

    注意は向けられるが名前をつけただけで意味がわかった思うならば、名は害
    私たちは一般に自分の心の一番得意なところが一番わからない--当たり前になってしまっているので。

    前には考えもしなかったスケールで働く現象に自分の態度を合わせていくこと。

    ss3 争いと妥協
    目的のコンフリクト
    壊し屋⇄作り屋

    行動:あるagentが他のagentを押しのけて初めて働くことができる
    ーー文脈で起こる出来事
    ーー何かをするときにはいつだって他にもしたいものがある。
    選択か。

    論争を鎮める
    ー法律
    ー経営ポリシー
    個人
    ー議論
    ー争う
    ー妥協
    ー第三者の仲介

    争いを起こしている上位エージェントも争っている。宗教紛争であればどのようにこのエージェント構造を組むかは大事だな。

    妥協せずの原理:
    あるagentAの下位agentたちの内部争いが長引くほどAは競合相手よりも弱くなっていく。
    Aの下位agentたちによる争いが早く終わらないと他の競合相手たちがコントロールを握ってしまい、Aは働きをやめてしまう。

    上位エージェントが仲裁することもある。時間差調整など。

    官僚制:役人たちが柔軟性のない形式的手順で管理する諸部分により政府を管轄する統治形態

    何かの仕事が複雑すぎて手に負えないようになると私たちは組織をつくる。

    どんな場合でもエージェントの役割は相対的。

    階層法とは問題を解く一番簡単な方法。いつもうまくいくとは限らないが。

    記憶の必要性
    過去のメモリ+思い出し
    ーー今の感覚

    破壊すること
    未解決の問題を少なくして建設的な目標をつくるのに役立つ、心の整理。

    子供っぽい行為の合理性
    ー壊すにはほとんど時間がかからないから最後の一撃の満足をラクに得られる。
    ー目標が達成できなかったことのフラストレーションを伝えるのに役立つ


    どこかが痛いときには他のことに関心を向けるのは難しい。痛みを止める方法だけを単純化して考えられる。

    痛みが私たちの心を他の目標からそらせるほどの力を持っているのは偶然ではない。そうやって痛みは私たちが生きるのを助けている。

    痛みを認識する神経系は私たちの関心が長期的な目標に向かわないようにする。
    --目の前の問題に注意を集中させる。
    -つねに良いとは限らず、むしろ悪く作用することもある。特に痛みの原因を取り除くために複雑な計画を立てなければならないとき。

    単純化と複雑化のコンフリクト。

    喜び:その対象を私たちのそばに引き寄せる
    痛み:私たちがその対象を拒否するよう仕向ける

    でも相対的に似ているな。喜びも他の関心や目標から目をそらせるのでは?しかし痛みの原動力の方がより鮮やか。

    二つのものが反対にみえるためには、それらが関連しあった目標のために働いているのか、それとも同一のエージェンシーの元で働いていなくてはならない。エージェンシーが同じかどうかが重要ということか。

    私たちはみなひとの心が自己と呼ぶ特別なものを含んでいると信じている。

    概念を完全につかめる定義ができるのは数学と論理のみ。(いまはここも怪しい気がする)
    それがなにであるか知るために定義するなどという愚を犯してはならない。

    自己とはなにか?(心についての古い考え)
    ー自己について私たちが考えていることはなにか。
    理想、自己イデア:自分がどうありたい、どうあるべきか
    ーそうした考えはどんな心理的機能を果たしているか。

    その人の持つ自己イメージ:信念
    自分にできること、自分がしがちなこと

    どんな心の中にも一種のあやつり人形使いのようなものが潜む。
    単一自己か多様自己か?
    私のある部分はこれを欲しているが別の部分はこれを欲している。

    心の中が一番よく統一されていると感じる時こそ、他人から見れば混乱しているときだったりする。

    中心的で支配的なたった一つの自己が心の中にいない。-なぜおこるか?
    パラドクスー自分がしたいと思うことを自分にさせる人が頭の中にいない。

    やる気をだす--仮想のライバルをつくる。
    やりたいことを選ぶー自分にさせるーー失敗を想像して成功をめざす

    回りくどい方法。なぜ自分のしたいことを素直に自分につげない?

    目的?:
    ⒈自己の機能の一つ:私たちがあまりにも早く変わりすぎるのを抑える
    あまりにも心変わりすると次に何をしていいかわからなくなる。--自分自身を頼れなくなれば十分な結果を得ることは決してできなくなる

    ⒉自己イデアがもつ性質を隠す
    計画という計画を全部ダメにしてしまわないような性質

    利用とは間接的に目標に加えること。エージェンシーたちのチェックやバランス保持のメカニズム

    一つのエージェンシーが他のすべてのエージェントコントロールを握っている
    ーー私たちは生き残れない
    ーー私たちのエージェンシーたちの技能を利用するために回り道しなければならない理由

    直接的結合はみな、進化の過程で取り除かれてきた。これが私たちが幻想を用いる理由ーー私たちが失った道を取り戻すため。

    嫌な出来事を想像することで直接的に嫌なことを起こしそうな対象への接近を防ぐ。

    みんなが心地よい定常状態
    自分があるいはむしろ自分のエージェンシーたちがお互いの性格的特徴について学習しなければならない。

    自分のコントロール
    意志の力:それを諦めるな、やり続けろと自分に言い聞かせる
    はじめはうまくいくが心のエンジンの油切れで失敗する。

    もっと物理的活動をともなって
    活動:動き回れ、運動せよ、吸い込め、叫べ
    表情:アゴを引け、上唇をきつくとじよ、眉をしかめよ
    社会的なコミュニケーションにおける顔の表情情報の受け手と同じぐらい送り手に影響を与える。
    化学物質:コーヒー、アンフェタミン、その他脳を刺激する薬を飲め
    感情:勝てば得をする、しかし負ければ損をする
    愛着、成功した時にうける尊敬と失敗した時にうける非難。とくに自分が愛着を抱いている人から受ける尊敬や非難。

    これのかわりに何を諦めなければならないだろうか?
    このことから何が学べるのだろうか?
    この目標を達成しようと決めると私はどう変わるか?
    これにより権力や影響力を得られるか?
    これに興味を持ち続けられるか?これをするのを誰かたすけてくれるか?
    その人たちはずっとわたしのことを好きでいてくれるか?
    自分が求めている人。
    新しい発見や角度を与えてくれる人/全く知らないことを教えてくれる人、一生懸命楽しんでいる人

    こうした疑問がさておかれまで私たちの計画は心変わりする危険性にさらされている。

    では長期的な計画はどうすれば成功するか?
    自分をコントロールするための一番簡単な方法は自分がすでに経験したことだけをすること。
    でもこれつまらなくないか?

    短期的に通用するやり方では長期的には自分のやりたいことに目が向かない場合もある。
    --長期計画:長期的に働くエージェンシーの利用
    変化が遅いエージェンシー:性格--自己イデアに関与して組織立って働く

    一時の傾向が長期的自己イデアによって破壊されたとき。
    自分のしたいことをすべきだと感じていることが一貫していないときーーイデア同士が同意していない。多元状態。

    つまり倫理とは長期的目標、それがときどき短期的目標とコンフリクトを起こすわけか。

    これが心の乱れ、居心地の悪さ、罪悪感、恥。

    解決法
    することを変える、感じ方を変える
    こうした矛盾はパーソナリティ形成の始めの頃に作られる階層的に重なったエージェンシーたちによって解決されなくてはならない。

    古いエージェンシーが後で作られるエージェンシーに影響を与える。重なり合った波のように。

    長期間続く自己イデアがなければ私たちの人生は一貫性を失っていく。
    個人としての私たちは自分の計画を実行するのに自分自身を信頼できなくなる。
    社会的グループでも誰も他人を信頼できなくなる。

    長期的視野、一貫性が信頼に関わるわけか。

    私の場合誰にでも偏見を隠して公平に接するよう努めているというところぐらいだな。。それから約束は守る、できない約束は請け負わないということも含めて。それと知識や論理を大事にする。

    活動している社会ーイデアを安定化させるメカニズムを発達させる必要性
    秩序が嫌いというよりは嫌いな種類の秩序がある、という感じ。

    私たちの誰もが個人的なものだと思うような社会原理の多くは何世紀にもわたって学んできたものを私たちの文化が保持するための長期記憶。

    あやつり人形の糸は見えにくいから自分が自由だと思えてしまう。善悪だけで動くものなどあり得ないと信じて。
    Theodore Melnechuk

    私たちはできる限り単純な原因と結果の関係によって物事を説明しようとする。
    ほとんどの場合、感情と思考の因果関係はそんなに単純ではない。

    もっともらしい説明。
    エージェンシー同士がお互いをお互いに同時利用し、その結果両者が一緒になって二つの目標を一度に達成するような難しい結合を成し遂げた。

    私たちはいつも因果の論の中に絡め取られている。--なぜと聞かれて一つの答えだけが本当の原因になることはありえない。

    あまりに複雑な状況に巻き込まれると私たちはよくストレートに答えるべきだ、などという。------一方方向への因果的な説明を探すことによって道を見つけようとする。----終わりからはじめまで考えなくても推論をすすめることができるーーー一方では別の方向に向かう重要なインタラクションや因果関係を無視しなくてはならない。その後の失敗の原因に、

    答えられない問題。
    なすべきことの多く知るべきことの少ないこの世界に私を生かしておいて下さる間は私の心が成果のあがらぬ危険な探求や不思議だが効果のあがらぬ難しいことや解けるわけもない疑問に巻き込まれるよう精霊によってお導きください。サミュエルジョンソン。

    基本的疑問にぶつかる。完全に答える方法はないーある疑問がちゃんと答えられたということがどうしてわかるのか?
    宇宙は何が原因となって始まったのか、なぜか。
    生命の目的は?
    どの信念が正しいということがどうしてわかるのか?
    何が善いということがどうしてわかるのか?

    共通の性質によってどれも答えるのが不可能ーー循環的な疑問

    どんな問いでもーなぜその答えを受け入れる必要があるのかーと問うことができる。
    時間の消費から逃れるため、恥とかタブーというレッテルをはる、恐れや神秘性で隠す

    他人のやることはなんでも正しいとして受け入れられるようなやり方をするコミュニティーーー妥協:われわれは他人を助けるためにこの世に生まれてきた。わからないのは何のために他人がこの世に生まれてきたかだ。

    宗教、法律、哲学:こういった答えに含まれた信念でもって人を支配する権威の仕組み
    いいところー時間を浪費しない
    悪いところー理性や真実に対するドグマ


    堂々巡りの思考はその段階でどんどん深く、強力な考えを生んでいくー成長:自分の利己的な境界を越えて広がる方法が見つかりそうした考え自体が色々な人の心に根を生やすことができるかもしれない

    言語、科学、哲学
    いずれ死んでしまう人間一人一人の心の限界を超えることができるかも?

    ファッションとスタイル

    私たちはなぜこんなにもたくさんの何の役にも立たないものが好きなのだろうか。--どうして曖昧で挑戦的な言い方をして逃げる?

    思考の表面の下に隠れた形を使うというやり方も共有しているという点で同じ。

    フワフワした罪悪感ー私たちの心が自分に向かって思考を続けるのを簡単にやめてしまわないように言い聞かせている。

    敵意は防衛心を呼び起こし、フラストレーションは攻撃性を起こさせる。

    意識が関係するかぎり、ものの姿をその意味と分離することはほとんど不可能。
    変化のなかの不変!
    時間と人生が過ぎ行くとき、どのエージェントにとっても一番変えにくいものは?

  • 人の心、思考の解体新書。脳のプロセスがわかる。
    子供の絵と大人の絵がどうして大きく違うのかの説明が興味深かった。

  • 「意識の統合情報理論」や「コネクトーム」などの最近の研究成果も、合わせて読みましょう。

  • 1章を読んで満腹・・・。飾って眺める。

  • 心はたくさんのエージェントが集まってできた社会のようなものだ.
    ちいさな仕組みを束ねてとても複雑で豊かな現象を作りだすことができる.

    まぁ実際のところはそれを思い通りにするのは難しいけれど
    つまり,仕組みがわかったからっていいものが作れるとは限らないってのが教訓か
    有意義だったことは,単純な原理でも人の心を引きつけることのできる表象を再現できるということ

    ミンスキー博士はパーセプトロン(神経モデルの学習機構)の研究者でもある.
    心の学習性をモデル化することで,複雑なシステムを構成する単純なシステムを明らかにしていた...

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    書斎の本棚から百冊(立花隆選)13
    現代科学論
    人間の精神世界(マインド)は多様なエレメントで構成された一つの社会である。

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    109
    近似したKラインを見つけるのが得意
    120
    133
    136失敗からの学習
    143

    167まで

    532

  • 情報について
    良い書である。

  • 社会と心の因数分解。
    アイデンティティーと社会の構造の分解。
    すべての事柄が単一であり、複合であることがわかる。

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心の社会の作品紹介

心はどうはたらくのか?大昔から問われてきたこの問題に対して、『心の社会』は革命的な回答を与えている。本書は、ミンスキー教授が長い間練りに練った、人間の知能についての新しい考え方を示したものである。ミンスキー教授は、心とは、「一つひとつは心を持たない小さなエージェントたちが集まってできた社会」と提示する。本書の内容は、子どもの描く絵から自己意識に至るまで、あるいは、何かを否定するような思考のもつ力から日常の思考におけるユーモアの役割に至るまで、多岐にわたっている。また、わかりやすい図がたくさん挿入されており、読者の想像力を直接かきたてるような、いわば心の世界への冒険物語としても読むことができる。

心の社会のハードカバー

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