あおくんときいろちゃん (至光社国際版絵本)

  • 至光社
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  • Amazon.co.jp ・本 (44ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784783400004

作品紹介・あらすじ

絵の具で描かれた青や黄色のまるが生き生きと動きまわり、絵本ならではの夢と感動をもたらしてくれる。作者が孫のために作ったという人間愛あふれる絵本。
この絵本の作者レオ・レオーニは長年アメリカで、もっとも活躍した芸術家の一人です。その多彩な創造力は絵画、グラフィック・アート、デザインの各分野で示されています。 1910年アムステルダムに生れ、29才でアメリカに渡りました。アメリカでは創作のかたわらすぐれたアート・ディレクターとして多くの仕事をし、賞も受けています。

こどもの本に初めて抽象表現を取り入れた作品として、歴史残る名作といわれるこの絵本は、レオーニが孫たちにお話をせがまれた時、ぐうぜん生れたものです。手近の紙に色をつけて次つぎに登場人物を創りだしながら、孫たちもレオーニ自身も夢中だったといいます。 アメリカでは、この絵本の、青と黄とが重なってまったく違った緑になるというテーマが、人と人の心の融和を暗示するものとして、おとなたちの間でも好評を博しています。

感想・レビュー・書評

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  • ずっと読みたかった、古典と呼ばれる絵本(日本版は1967年)ではあるが、青色と黄色を混ぜたら緑色になる、それがいったいどうしたというのか? と思っていたら、実はそうでは無かった。

    本書は、アムステルダム生まれの芸術家、「レオ・レオーニ」が、孫達にお話をせがまれた時、偶然生まれたもので、その辺の紙に色をつけて次々に登場人物を創り出しながら、孫達もレオーニも夢中になったというのは有名な話だそうです。

    しかし実際に見ると、登場人物は、ただの色のついた丸っこいもので、家も楕円や四角と、大人からしたら抽象的な絵のように見えて、これは孫達相手だから、そう見えるのだろうと思ったら、そんなことはなく、読んでいく内にそう見えてくるのだから不思議で、それは文章のもたらすイマジネーションの効果が大きいのだろうと、私は思った。

    以前読んだ本で、月刊「こどものとも」初代編集長の「松居直」さんは、『絵本の素晴らしさは、耳で聞く言葉の世界と絵で読む言葉の世界が合わさる事である』ような事を書かれていたが、本書の場合、耳で聞く言葉の世界が、絵の言葉の世界を形作っていくのではないかと感じられて、文章を見た途端に私の頭の中で、その世界が生き生きと形成され息づいていくのが、とても印象深い。

    例えば、『あおくんの おうち ぱぱと ままと いっしょ』の絵は、茶色の楕円の中に、異なる大きさの三つの青色の丸があるだけだが、これで充分なのであり、おそらくその絵から、子どもたちは様々な会話を頭で巡らせたり、それぞれの表情を想像しているのかもしれない。

    もう一つ例を書くと、いろんな色の丸が絶妙な距離感で介する場面、『おともだちが たくさん』の、ワイワイ皆が集まろうとする現在進行形の様子や、『ひらいた ひらいた なんのはな ひらいた』の丸が輪になっているだけで、楽しげに歌う表情や手を繋いでいるであろう様子が想像出来たり、『かえりみちでは とんだり はねたり』は、本当に跳ねているような躍動感があって、この抽象的絵柄から、どこまでも果てしなく広がるような、想像力の翼の素晴らしさたるや、まさしく本書が古典と呼ばれる所以が理解できた気がして、これは子どもたちに是非読み聞かせして欲しいなと、お勧めしたい作品だと思いました。

    また、本書で使用している、滑らかな手触り感のある紙質は、おそらく色が、より鮮やかに映えるような意図があるのではと、勝手に推測しており、シンプルな絵柄だからこそ、こうしたちょっとした拘りのある心を込めた配慮には、子どもたちへの思いが覗えるようで素晴らしい。

    それから、最初に記載した緑色になることであるが、これは読んでいて、何か人の見えざる心の深みを思わせたのが印象的で、元に戻る過程の描写には胸を打つものがあったことに加えて、私には、

    『たとえ相手が、どれだけ心を許した仲良しの人であっても、その人の全ての領域には決して踏み込んではいけない』

    そんなことを教えてくれたような気がして、それは大人でも案外軽く扱われる事のある、繊細なことだと感じ、子どもたちにも若い内から是非知っておいて欲しい、とても大切なことなんだと、改めて実感いたしました。

  • 3歳息子、気に入ったようです。
    「青と黄色が混ざったら緑になるんだよ! 息子ちゃん、ワケが分かんなかった!」とそれらしい感想を述べていました。

    教室に皆が並んでるページが、個人的には好き。

    • かなさん
      じゃおさん、こんにちは!
      私もこの作品、読んだことがあります(^^)
      お子さん、興味を持たれたようですね!
      私も読み聞かせしたことがあ...
      じゃおさん、こんにちは!
      私もこの作品、読んだことがあります(^^)
      お子さん、興味を持たれたようですね!
      私も読み聞かせしたことがあるんですけど、
      うちの子はもう大きくなってしまって…
      でも、それでも絵本も今も好きだったり、
      家にもたくさんその頃の絵本があったりします。
      いつか、読み返してブクログに残しておきたいなと思ってます。

      この度はフォローをありがとうございます。
      これからどうぞよろしくお願いします。
      2024/02/16
    • じゃおさん
      かなさん、こんにちは!
      コメントありがとうございます♪

      そうですよね、読み聞かせ、忙しくて大変な時もあるのですが、今だけだからと思って何と...
      かなさん、こんにちは!
      コメントありがとうございます♪

      そうですよね、読み聞かせ、忙しくて大変な時もあるのですが、今だけだからと思って何とか続けています。

      子供が生まれるまで絵本を読む機会もなかったのですが、触れてみると素敵な絵本がたくさんあって、(大げさですけど)人生が少し豊かになったような気がしています。

      これからも、かなさんの本棚登録、楽しみにしていますね!(*^^*)
      2024/02/16
  • あおときいろが混ざったらみどりになる。
    当たり前なんだけど、それだけじゃない何かを感じる絵本。
    なんて言ったらいいんだろうなぁ。

  • 字なんて読めない頃から読んでいた絵本。
    とにかくシンプルを極めている絵の具で描かれた絵が、絵というよりも、筆でぐるぐるって書きなぐったような丸たちが、まるで生き生きと感情を持って、嬉しさや悲しみを伝えてくる。カラフルで純粋に大好きだった。

    私が中学生の頃、家庭科の先生がこの絵本の読み聞かせ(今思うと中学生に読み聞かせなんて、変わった先生だったと思う)をしてくれて、その先生の解釈は、私のこの本へのイメージをガラッと変えた。
    大好きな人と、沢山遊んで、2人の新しい色になる。
    相手の色に、染まったりなんてしないのよ。
    そしてまた、楽しんだり泣いたりして、好きにそれぞれの色にも戻る。
    いつかあなたたちに好きな人が出来たら、そんなふうにいて欲しいな。
    ということだった。

    当時その先生には小さなお子様がいて、だけど夫婦はラブラブで、そして夫婦はお互いに、お互いを二人の子供たちより愛していて、優先してるし、これからもそうしていくの、と言っていた。

    当然子供たちのことは深く深く愛している前提の話。

    私は今も、その1年足らずの受け持ちだった家庭科の先生に憧れていて、そんな風に誰かと添い遂げることに今も、強く憧れている。

    この絵本を開く度に、幼い頃からのワクワクと、なんとも切ない気持ちの両方を味わっている。

  • 他に類をみない極めて独創的な絵本です。英語版で持っていますが、日本語版も読みました。
    色が交わり合って、もととは違う色になる。そんな科学的な視点を学べますし、ストーリーも温かいと思います。
    英語版ではLittle BlueはHeで受けていて、Little Yellowは性別不明です。日本語版では、きいろちゃん、と女の子になっていますね。友情と読むのもいいですが、わたしは幼い恋心があると読むのが好きです。

  • 原題 little blue and little yellow
    by leo lionni1959


    あおくん
    きいろちゃん

    合わさるとみどり


    3分30秒

  • シンプル。だけど感性が磨かれる絵本。
    レオレオーニさんのゆるい感じが好きです。

  • この絵本のおかげで、青と黄色が混ざると緑になることを覚えた長男。あおくんときいろちゃんが無事に元のすがたに戻れたシーンでとても感動していました。

  • 私が初めて出会った絵本。今でもボロボロになって本棚の片隅にあります。色を使って絵を描くことに目覚めたのはこの本のおかげ?

  • あおくんときいろちゃんが混じることでみどりちゃんに。広がる可能性。

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著者プロフィール

1910年 オランダのアムステルダムに生まれる。主な絵本作品 「あおくんときいろちゃん」(至光社) 「スイミー」(好学社)など。

「2009年 『ニコラスどこにいってたの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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