預言者

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  • 至光社 (1988年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784783401971

預言者の感想・レビュー・書評

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創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史 (光文社新書)

輪島 裕介

「忘れ去られようとしている伝統」は忘れて『演歌』を楽しく聴く作法

今年3月に超党派議員らが設立した『演歌・歌謡曲を応援する国会議員の会』において、「日本の伝統が忘れ去られようとしている」という危機感が表明されましたが、本書はその「日本の伝統」たる『演歌』の本当の歴史的事実を、膨大な資料を渉猟しながら具体例とともに論じた、第33回(2011年) サントリー学芸賞・芸術・文学部門を受賞した名著です。
もともと自由民権運動の文脈の中で社会批判と風刺の「歌による演説」であった明治・大正期『演歌』が昭和初期に廃れ、戦後1960代後半に全く別の文脈で復興され、やがて「真正な日本の文化」とみなされるようになった史実を、添田唖蝉坊「ラッパ節」からひもとき、半田健人におけるサブカルチャー的受容までコンパクトに一冊に整理されています。
個人的に以前から気になっていた『演歌』におけるショーアップ的な地名ソング、襟裳岬、長崎、横浜、神戸、津軽海峡、天城、等々、昨今のJ-POPにおいては消えてしまったこの「旅情」感度のルーツとは「股旅者」であったという指摘は大変に腹落ちました。改めて「忘れ去られようとしている伝統」は忘れて「創られてきた伝統」を通観した上で『演歌』を聴いてみるのはいかがでしょうか?

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