釣り上げては: 詩集

  • 思潮社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (109ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784783712008

作品紹介・あらすじ

記憶はひんやりした流れの中に立って、糸を静かに投げ入れ釣り上げては、流れの中へまた放すがいい。来日して10年、ミシガン州に生まれ育った著者の伸びやかな感性がいま、日本語という言語によって、あざやかに開花する。珠玉の32篇を収録。注目の第一詩集。

感想・レビュー・書評

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  • 「記憶は ひんやりした流れの中に立って/糸を静かに投げ入れ 釣り上げては/流れの中へまた 放すがいい。」(釣り上げては)

    「屋上で/バナナを食べた/半分ずつ/遠い南国のこと/搾取のこと/農薬、死んでいく愛のこと/一つも/考えないで/霞んだ街/見下ろしながら/バナナを頬張った」(バナナ)

  • 3.7

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
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  • アーサー氏の作品を
    ほぼ読破していますが
    これが初めて読む詩集です。
    なんて瑞々しい感性なんだろう
    成人しても少年の言葉のような
    絵が浮かんでくるような
    物語調の詩がなんとも素敵です。
    故郷ミシガンの大自然から
    「釣り上げては」という詩を
    釣り上げたのでしょう。
    あくまでも子供目線に近いので
    一人称の「ぼく」で詩を書いている
    のが…なんともピュアです。
    一人称でも「オレ」では
    全ての詩が台無しです。
    この作品で中原中也賞受賞ですね

    いつまでもピュアな感性で
    いてください。
    美しくも楽しい日本語を
    ありがとうとエールを
    おくります。
    表紙の絵もステキでした。

  • 詩の面白さのひとつは、的を射た表現(ズバリ!ああそれそれ!…なんていうやつですね)にあるでしょう。それ以上でも以下でもない、もうそのことについて他の誰もが書けなくなってしまうようなピンポイントの言い表し。米国出身の著者が日本語で綴った作品たちのなか、その職人技が光ることに感服します。あまり追いかけすぎると釣り上げられてしまいますから、皆さんどうかお気をつけて。

  • 以前大学に講演に来られた方です。詩集。

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著者プロフィール

詩人。1967年、米国ミシガン州に生まれる。高校時代から詩を書き、ニューヨーク州の大学で英米文学を学ぶ。卒論の際、日本語に出合い、魅了されて来日。日本語での詩作も始める。『釣り上げては』で中原中也賞、『日本語ぽこりぽこり』で講談社エッセイ賞を受賞。2022年春、宮沢賢治の英訳『やまなし Mountain Stream』を出版。

「2022年 『ハナミズキ A Hundred Years』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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