青い城 (New Montgomery Books 4)

  • 篠崎書林
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本棚登録 : 68
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784784101900

感想・レビュー・書評

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  • 最後の「君を愛していることに気付いたんだ」って愛の告白が大好き。展開自体は陳腐だけれど、言い回しが良いから好き。

    ヴァランシーの高慢で、親戚を見下す態度が気に入らない。悪人が悪人でしかないような描き方も好きじゃない。モンゴメリが優遇しているキャラクター(シシイ、ヴァランシー、バーニイとか)は人物描写がとっても上手いと感じるけど、嫌味な親戚とかの描写になると途端に気持ち悪いタイプのライトノベルみたいになってしまうのは嫌。

    解説にあるとおり、普段のよくあるような情景をモンゴメリ語に言い換えてしまうのはとっても良かった。

  • 記憶が正しければ、10代の頃に読んで以来の再読。

    ストーリー展開が秀逸で、きっと筆が走ってノリノリになったに
    違いないという箇所がたくさん見受けられる。
    モンゴメリらしいユーモアが詰め込まれた大人向けの小説である。

    前半は主人公のヴァランシーが気の毒になるぐらい人の言いなりで、
    暗くて陰気で悲観的なので読むのもイヤになってくる。
    しかし頑張って読み進めていくと、ある事をきっかけにして
    ヴァランシーは「やっぱり私は自分に正直にいよう」と
    突如自分を取り戻すのだ。
    籠から解き放たれた鳥のように心を解き放った
    ヴァランシーは別人のように自由に物を言い、
    思うがままに振る舞う。
    自信に満ち溢れユーモアたっぷりに、これまでが嘘のように
    生き生きする。自分らしさという唯一無二の魅力が全開になると
    物語は俄然面白くなり、最後まで一気に読んでしまうのだ。

    このヴァランシーのギャップは作者の狙いどころだと私は思う。
    うんざりするような陰気な状況を描き続け、読者の我慢も限界
    というところでヴァランシーを開放すると同時に
    読者の心まで解き放って痛快な気分を味合わせてくれる。
    物語に読者を繋ぎ止めることに成功するどころか虜にしてしまうのだ。

    心の中に「青い城」という想像の世界を築いて、
    そこにいる間だけは豊かで幸せを感じられるというのは
    理解できる。ヴァランシーのような境遇にあればさもありなん。
    けれど「青い城」は現実逃避の城でもあるのだ。
    現実世界を「青い城」に変えられたらどんなに良いだろう。
    それができるのは結局自分だけなのだ。
    分かっているけれど踏み出すのは怖くてたまらない。
    「恐れは原罪である」
    その言葉に後押しされるように行動し、
    ヴァランシーが他の何を差し置いてでも、
    本当の自分自身であろうと決心し変わろうとする場面は
    何度読んでも感動する。

    その後は、本来の自分を取り戻したヴァランシーと
    謎多きバーニーとのロマンスが描かれる。
    うっとりしたりヤキモキしたり。
    何度読んでも少女漫画的にロマンチックで良い。

    しかし最後の展開には不服申し立てをしたい。
    なんですか、あのお金が全てを良い方に解決するみたいな展開は!
    せっかくいい感じだったのに。
    バーニーが百万長者だと知った後のヴァランシーの親族たちの
    振る舞いがこれまた絵に描いたように浅ましい。
    でもそのおかげで諸々の問題はすぐに解決するのだ。
    こういうことは最初に読んだ10代の頃は気にならなかったが、
    大人になって読むと何だか急に世俗的な感じがして幻滅してしまう。
    私はバーニーはお金持ちの設定じゃなくても良かった。
    お金など無くても十分に幸せになれる2人なのに。
    でもバーニーにはそれが原因で苦しんだ過去があるわけだから、
    恋愛を面白くするためには必要な設定だったと言えるのかも。
    うーん、結局、モンゴメリの手腕に降伏するしかないということかな。
    (え、もう降参?)

  • 初めて読んでから長い年月が流れましたが、それでも一番好きな物語です

  • 赤毛のアンファンなのですが、なぜか今までアン以外を読んでいませんでした
    ストーリーは途中から予想できてしまったけど、モンゴメリらしい文章、楽しめました
    他のも読んでみよう

  • あー面白かった!!!
    余命1年と宣告されて、ここまで思い切った行動をとれるでしょうか?
    主人公が29歳のオールド・ミス、なのに魅力的
    お母さんが強烈でした('▽,)笑
    単行本買おう!

  • 大好きな作品。ことあるごとに読み返している。既成社会のしがらみに疲れたときに読むといいかも。勇気をもらえる一冊です。

  • アマゾンのレビューで評判が良かったので期待して読んだけど面白くなかった・・・
    ラストのハッピーエンドもできすぎ。
    文章も読みにくかった。

  • 中学時代に友達から借りて読んだ本。
    もう一度、読み返したいと思っている本。

  • 赤毛のアンのイメージのモンゴメリー作品とは異なり大人向けのものになっています。
    納得できる部分も多くラストは予想外で面白かったです。

  • モンゴメリ作品で一番好きな作品なのです。
    もちろん、アンだってエミリーだって大好きだけど。大人向きストーリーとしては『もつれた蜘蛛の糸』なんかのほうがよく出来ていて面白いのだけど。
    この話の主人公ヴァーランシーは現実の恋をしたことがない30歳直前のオールドミス。
    暗くて冴えなくて、いつもビクビク物事におびえていたヴァーランシーが、ある出来事をきっかけに自分の殻を脱ぎ捨て、幸せになっていくお話。
    相手役の男の設定など、なんとういうのか元祖少女小説版ハーレクインロマンス。話の筋としてはありきたりでなのですが、読むたびに、幸せな気分になる本。
    落ち込んだ時の回復薬として万能です。

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著者プロフィール

1874年、カナダ、プリンス・エドワード島に生まれる。幼い時に母と死別、祖父母に育てられ教師になる。『赤毛のアン』シリーズのほか、小説、短篇集を残し、世界中で多くの読者の心を捉えた。

「2022年 『赤毛のアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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