江戸時代の図書流通 (佛教大学鷹陵文化叢書 7)

著者 :
  • 佛教大学通信教育部
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784784211197

作品紹介・あらすじ

江戸時代は出版文化が開花し、その中心となる版式は整板であった。この整板等による書籍の製作は、江戸時代までの日本古典籍の九割以上を占めるとまでいわれている。それでは、江戸時代の整板本全盛期のそれらの書籍、広い意味で図書一般の流通はどのように行われていたのであろうか。読者はどのようにしてそれらの図書を入手し、どのように読んでいたのであろうか。これらの疑問について、わかりやすく、具体的に説明したのが本書である。

感想・レビュー・書評

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  • 2013 2/16読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。
    図書館系勉強会で近代日本の出版流通について扱うにあたり、まずは江戸時代がどうったっかを調べようと思って借りてきた本。
    主に1章、2章、4章、5章を中心に読んだ。
    絵図の転載や原資料/史料の翻刻がかなりの部分を占めていて、資料/史料ガイドとして使えそう。
    反面、著者自身による記述は必ずしも多くはない。

    江戸期も全国的な図書流通のネットワークはあったが、主な対象は町人である、三都はじめ各地域で版元・書店etcを兼ねる出版業が築かれていた、というようなことはこの本から言えそうか。

    以下、各章のメモ。

    ○1章:江戸時代の図書流通の話
    ・商品としての本の流通は板本時代に既にある
    ・主な読者は町人(p.6表より)
    ・活字は桃山時代に日本に既にある(古活字)
     ⇒・まだ印刷能力で劣る
     ⇒・板本に一度は敗れる
    ・江戸⇔大阪⇔京都での本の行き来は存在
     ⇔・地方にも本屋は多々有り、出版するとろこもあれば小間物屋を兼ねるようなところも
    ・様々な業種の未分化・・・表紙屋ですら本を作り、売る時代

    ・当時の流通速度/範囲は?

    ○2章:読者の諸相
    ・読み聞かせ商売が当時、存在・・・
     ⇒・そういえばヨーロッパで貸本屋がそういうサービスをやっている話が先の本に書かれていたな・・・
     ⇒・音読/黙読論とか読書体験の共有とかの話に絡められるか?

    ○5章:近世後期・大阪
    ・近世後期大阪で流通していたタイトル・・・約4,440
    ・その作者は全国におよぶ
    ・全国への販売網/全国からの販売網が存在している
     ⇔・地方ごとの出版産業があるのが前提(三都+α)

  • 司書課程のレポート書くために、図書館で借りて読んだ本。結局レポートには使えなかった記憶が。でも、かなり面白かった。日本に古くからの図書館が少ないのはこうゆう理由だったのか!と納得。

  • 江戸時代は出版文化が開花し、その中心となる版式は整板であった。この整板等による書籍の製作は、江戸時代までの日本古典籍の九割以上を占めるとまでいわれている。それでは、江戸時代の整板本全盛期のそれらの書籍、広い意味で図書一般の流通はどのように行われていたのであろうか。読者はどのようにしてそれらの図書を入手し、どのように読んでいたのであろうか。これらの疑問について、わかりやすく、具体的に説明したのが本書である

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著者プロフィール

長友千代治(ながとも・ちよじ)
昭和11年宮崎市生まれ。35年佐賀大学卒業、45年大阪市立大学大学院博士課程修了。大阪府立図書館司書、愛知県立大学・京都府立大学・佛教大学教授を歴任。
著書に、『近世貸本屋の研究』(昭和57年)、『近世上方作家・書肆研究』(平成6年)、『近世上方浄瑠璃本の研究』(平成11年)、『江戸時代の書物と読書』(平成13年。以上東京堂出版)、『江戸時代の図書流通』(思文閣出版、平成14年)、『江戸庶民の読書と学び』(勉誠出版、平成29年)、『江戸庶民のまじない集覧』(勉誠出版、令和2年)など。編書に、『重宝記資料集成』全45巻別巻総索引(臨川書店、平成16~21年)、『江戸時代生活文化事典』(勉誠出版、平成30年)など。

「2023年 『江戸時代の貸本屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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