惑星のさみだれ (7) (ヤングキングコミックス)

著者 :
  • 少年画報社
4.22
  • (80)
  • (60)
  • (39)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 647
感想 : 23
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784785931537

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白い。
    子供側として半月の背中を追っていた夕日が、今度は大人側として子供たちを引っ張る役割に回っている。
    滅茶苦茶熱い展開。
    と同時に、さみだれからは半月に似てきたと警戒される。
    良いバランスですね。

    そして、本巻はその子供側である茜太陽を中心とした巻でもあります。
    家族の中に繋がりを見出せず世界を呪っていた少年が、他の騎士たちとの交流の中で自分の好きなもの、大切にしたいもの、繋がりが育まれていく。
    これまで夕日を中心にそういった物語を見てきましたが、そういう世界を呪う役回りが茜くんに移り、そして彼の中でも少しずつ形が変わっていっている感じですね。
    こうなってくると、世界を呪う気持ちは作品の中から消えていって、「世界を壊す」動機(アニムスにしろさみだれにしろ)がそういった後ろ向きなものじゃなくなっていくのかな。
    そのとき、さみだれが独りになってしまわないかがちょっと心配です。

  • 半月が登場した第2巻の頃から大人と子供という視点の違いは意識して描かれてきたわけだけど、この巻を持ってその構図は大成したように思える
    半月を前にしていた頃の夕日や三日月はまだまだ子供だった。しかし、太陽など年下組が登場し関わるようになった頃から、夕日や三日月は彼らに対して年上の大人として振る舞うようになってくる
    それは含蓄のある言葉を言うとか、頼りになるとか、そういうのではなくて大人として子供に対して人生は楽しいのだと見せつけるような在り方であるのがとてもいい
    特に半月から受け継いだあのダサカッコイイヒーローポーズを二人がするシーンは惚れ惚れとするね

    第42話で再び激突した夕日と三日月。以前戦った際は夕日の心と半月から受け継いだ技が一体となっていなかった為に三日月に全く及ばなかった
    それが今回は戦いを心の底から楽しめるように成り、技を使うために前へ出て戦った。
    それらが良い変化となり遂に三日月に打ち勝った夕日。彼の成長を感じられた描写だった

    そしてこの巻のメインとなるのは満を持しての太陽少年
    登場当初から影のある少年として描かれ、背景には家庭内に居場所がないという事情も描かれた
    周囲が彼に対して見守る姿勢を取った事も関係しているけど、太陽の境遇に積極的に寄り添ってくれるものは居なかった。
    そこに現れたのが人に擬態し人を理解しようとする11体目の泥人形
    11体目は太陽の境遇を共有してしまった。その為に太陽は自分の家庭の可怪しさを外側から見て、尚更絶望してしまった

    そんな中で太陽が遭遇するのは倒しても倒しても溢れるほどに復活する10体目の泥人形。そして大人として太陽に接する夕日や三日月、同年代の昴と雪待
    何度も復活しその度に強くなっていく泥人形は、太陽が家族に期待しては裏切られ、いつの間にか家族どころか世界にすら絶望してしまった心の内の比喩であるように感じられてしまう
    だからこそ、同時期に太陽に感情豊かに接する夕日達の態度が彼にとっては硬くなった心を溶かすきっかけとなっていく

    でも、太陽に最も影響を与えたのはやっぱり雪待なのかな?
    何度も世界の破滅を望んできた太陽は死んでもいいなんて思えてしまう、大人しくしてた方が苦しまないなんて言えてしまう
    それを雪待はぶん殴って、叱って、その上で「生きて帰って ラーメン食べるよ みんなで食べる」と太陽の心に最も響いた経験を呼び覚ますような言葉をぶつける
    そこからの太陽の変化は目覚ましい
    ただ、時間を戻すだけだった「因果乱流」を怪我を治すために使えるようになり、その為にもしかして太郎を助けられたのではとショックを受ける
    その衝撃は凄まじい程に太陽に響く。また、先代のフクロウの騎士の顛末を聞き、更にロキの言葉で自分は未来が欲しかったのだと気付いた太陽は走り出す。

    家に潜んでいた10体目を倒した太陽の行動には思わず感動してしまいそうになる
    あれ程絶望していた家を守るため、そして自分から居場所を奪った赤ん坊を守った。
    10体目を倒した後で太陽は「何をすべきか 何がしたいかなんて …そんなのわからないよ わかるわけないだろ…」とロキに返す。それでも彼はアニムスに逆らい10体目を倒した。その変化はとても尊いものであるように思えた


    そういや仕方ないとはいえ、八宵の告白を聞かなかったフリをする夕日はちょっと……というかかなり格好悪かったよ?

  • まさかのへたれ眼鏡。
    そしてロキィイイイイイイイイイイ

  • 最高でした。やっぱバトル漫画はこうでなくっちゃなぁ。超々王道なのにベタじゃない、古臭くもない。キャラ一人一人もすごい魅力的だしそのキャラクターも死ぬときはあっさり逝ってしまうので戦闘時の緊張感もなかなかのもの。

    んてまた今回は夕日と三日月がかっちょいいんだ。序盤でウジウジと悩んでた夕日が最近になってやっと一皮剥けてきて彼等の言う「大人」に変わりつつあるのが見てて堪らんすね。

  • 綿々と続く個別キャラ巻。実際は全体としての戦いを描いているので変な語りはないのが上手いところ。
    意外と不思議ちゃんなアニマがいいな。

  • 惑星を砕く物語、今巻は「子供」、特にフクロウの騎士・茜太陽がメインの話。
    半月に助けられて成長した夕日と弟である三日月が子供たちにとってのヒーローとして参上する展開は本当にそつがなくて舌を巻いた。ただただやられたと言う気持ち。
    東雲兄弟の話から夕日対三日月、そして太陽の話と続いていく話の展開もまた上手い。
    太陽は初登場の時から何となく気になっていた。今巻は十体目・十一体目との戦闘の中で揺れる太陽の心情がすごく伝わってきて、これから太陽がどんな風に変わっていくのかが楽しみで仕方ない。
    前巻のような派手さはないけど、この巻もよかった。

  • ヒーローになるチャンス! 大人だからこそ憧れる。さりげないパンチラが素敵。「このヘタレ、なかったことにする気だ〜」は爆笑した。

  • 太陽の話が凄く良かった。

  • なんか今巻でどーでもよかった三日月がけっこう好きになった!雨宮とのコンビがいい。
    てもこの巻の最後はえぇーて感じで終わった。

  •  完結記念にレビュー(大遅刻)。少年まんがの王道を踏まえながら、常に読者を(いい意味で)驚かせることを意識した良作でした。一番好きなキャラは姫様や白道さんや氷雨さんやアニマといった並み居る女性陣を押しのけぶっちぎりで太陽くん。太陽くん超可愛い。10巻以降も可愛い。超可愛い。真くんも可愛い。あれだけでも小冊子を買ってよかったと思った。
     そういえば夕日と太陽くんは異父兄弟かと思ってたのですが、年齢計算すると違うのかな。あと夕日よ、何故幻獣の三騎士分類を聞いてくれなかったんだとちょっぴりショック。あんなに気にしてたくせにー!
     6巻も9巻も10巻も好きですが、雑誌で7巻収録エピソードを読んだのが購入の切っ掛けだったので、ブクログチョイスは7巻で。

全23件中 1 - 10件を表示

水上悟志の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×