- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784785955618
感想・レビュー・書評
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日常ものにおいてどう意味付けをして、どう味付をしていくかでいったらそれ町ほど他の追随を許さない日常ものは無いのではないかと思える。
それぐらいお話は練られていてミステリーもの、ホラーもの、SFもの(少し不思議も含む)、コメディーものなどと挙げていったらきりのないバライティに富んだジャンルから幅広く構成された話と時系列シャッフルから積み重ねられていく話が繋がりだし、浮かび上がらせていく全体像からくる物語としてのダイナミズムある奥深さと醍醐味の巧妙さは舌を巻く。
今巻のテーマは「似たもの」「似て非なるもの」と静ねーちゃんと歩鳥が中心となった夢現小説、夢幻小説が秀逸たるや。素晴らしいしかない。 -
第106話図書館の回し者
第107話歩鳥撃沈
第108話続・夢現小説
第109話ドッペルゲンガー
第110話お姉さんといっしょ
第111話夢幻小説
第112話エビの恩返し
第113話赤 -
<Soredemo Machi ha Mawatteiru>
Digital Composting/雷門風太in竹工房 -
「あとがき」で著者は、「歩鳥と亀井堂の因縁の師弟関係を中心に描きました」と述べており、まず「夢現小説」で高校時代の静がえがかれるとともに、歩鳥が彼女の小説の読者となる経緯が明かされます。
一方「夢幻小説」は、おなじく歩鳥と静の関係がえがかれながらも、歩鳥が彼女の存在しなかったパラレル・ワールドに紛れ込むというSF仕立てのストーリーのなかで、二人の関係が重要な役割を果たす作品になっています。
「赤」は、夏休みの補講中に歩鳥が偶然出会った卒業生の室伏涼(むろふし・りょう)と再会し、二人で森秋先生の実家を訪問する話です。本作で提出される謎の解決はえがかれていませんが、これはこれできれいにまとまりがつけられていると感じられるところに、著者の手際のよさが示されているように思います。 -
「似たもの」「似て非なるもの」がテーマの14巻。
『歩鳥撃沈』の真田と歩鳥で小学校に侵入する青春小説感が好き。
「人間は思い出のかたまりなんだよ それを考えると怖くなってくんの」
「思い出ってでっかいんだよ!何年分もあるし色んな人の事覚えてるし そのでかいのがさ…例えば私が死んだらどうなるんだろう?フッと消えるのかな…時々 思い出が増えていく事がシンドイような気がしてくる 戻れない時間がどんどん増えてくのが怖い…」
この歩鳥の述懐が好きだ。真田の意見の「良い思い出なら増えても良いんじゃないの?」は、良い思い出だからこそ怖くなるんじゃないかと。歩鳥は真田の意見ではなくて、励まそうとしてくれたことに「そだね」と返したんだと感じた。
『夢現小説』での静の過去話もいい。北村の探偵脳と創作日記の発想が面白かった。ここが静と歩鳥の起点になってるんだね。「探偵失格」のくだりも「似たもの」なんだなって感じさせてくれる流れだった。
『お姉さんといっしょ』はエビちゃんをジャンケンで勝たせるために手を握ったところがよかった。照れ方が可愛い。最後はタケルがマッキーにわざと負けたってことなんだよね。
「野球の才能がある人がバットで書道やってるような人だ」
タケルが歩鳥を評したこの言葉も絶妙な表現。
『夢幻小説』も好きな話。周りの人たちや場所を愛してる歩鳥だからこそ、そこに自分が存在しないことが根源的な恐怖なんだなと。その世界からの戻り方もよかった。静が鍵になるってところが象徴的。
2巻の『それでも町は廻っている』は生命としての死がテーマだったけど、今回は存在としての死がテーマでかなり読み応えがあった。 -
全話クオリティ高い。
面白い! -
コミック
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「歩鳥撃沈」全巻読み終わって共感度が高いセリフでした「思い出ってでっかいんだよ。(中略) 戻れない時間がどんどん増えてくのが怖い…」このくらいの年齢特有の感覚だけど、一生拭えない不安ベストかもしれない。
「夢幻小説」は、ザ・石黒先生な完璧にカッコいい回でした。 -
良い師弟関係だ