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- Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787274168
作品紹介・あらすじ
尾形光琳――17世紀後半から18世紀にかけて京都や江戸で活躍した琳派を代表する絵師のひとりで、当時の主流派の狩野派とは違う作風で一世を風靡した。
本書は、『松浦屏風』と『燕子花図屏風』の構図を精緻に分析して、残っている画稿などと図像を比較をすることで2つの作品の類似性や表現上の特徴を指摘する。そして、制作時期も作者も不明とされているこの2作が、実は「風俗絵師」としての光琳の手によるものではないのか、と謎に迫っていく。
「風俗図」「美人図」の絵師としての視座から光琳に新しいアプローチを試みることで、これまで見逃されてきた光琳絵画の根幹を明らかにし、同時に、近世の主要作品としては、その由来の解明が進んでいない事例と言える『松浦屏風』をめぐる未確定事項、とりわけ作者像について一つの推論を加える労作。カラー写真多数。
目次
第1章 多様性がある図像表現を生んだ江戸文化
第2章 『松浦屏風』の画面構成と絵画としての特質
第3章 風俗図としての『松浦屏風』
第4章 『松浦屏風』と元禄様式
第5章 『松浦屏風』と光琳芸術の意匠性
第6章 『松浦屏風』と『燕子花図屏風』の近似性
第7章 光琳作品と『松浦屏風』とのさまざまな共通点
第8章 繊細な動勢によって拡張する光琳風空間
第9章 『松浦屏風』の構成美と革新性
第10章 『松浦屏風』と『誰が袖図屏風』との関連性
第11章 「小西家旧蔵資料」画稿から『誰が袖美人図屏風』の世界へ
終 章 京の伝統と光琳
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