ライトノベルよ、どこへいく―一九八〇年代からゼロ年代まで

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著者 : 山中智省
  • 青弓社 (2010年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787291974

ライトノベルよ、どこへいく―一九八〇年代からゼロ年代までの感想・レビュー・書評

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  • ライトノベルという名前が生まれる前の10年+生まれた後の20年の歴史をまとめた労作。特に巻末の年表に努力の跡が忍ばれる。「ライトノベル」というものが狭義のジャンルではない以上、遠回しに周りから語るという手法しか適用できないのだろうなあ。

  • 新聞や特集からライトノベル評価の流れを読み解こうとした試みはおもしろい

    ライトノベルと文学の関係って成り金と貴族の関係に似てるなと思った

  •  ラノベってアニメ系で萌え系でオタク的なイメージがもたれてますが
    実はあらゆゆジャンルがせめぎあう天下一武道会なんです。
     それぞれの魅力は簡単には語れません。だからこの本に解説してもらいます。
     しおりの本は本学図書館でも読めますよ。おためしあれ。

  • ライトノベルとは、何なのか。

    ライトノベルを定義づけるのは難しい。そもそも、いわゆる“文学”と”ライトノベル”を分けることができるのか。なんだって、今はブンガクサクヒンと呼ばれている小説だって、発表された頃は娯楽を提供するだけだ、と下に見られていたものもあっただろう。そんなことを言いだすと、ボーダーなんて溶解して、定義なんて崩壊してしまう。

    確かに、中心部のラノベは「萌え」ありき、キャラクターありき。だから、イラストが重要。挿絵も入っている。けれど、周縁部に位置する越境作家たちは、ラノベとして出た作品を、一般向けに再販する。そのとき、イラストの表紙はオシャレなものに替えられ、挿絵はなくなる。さらに、一般的な小説が、漫画家やイラストレーターの描くカバーに替えられて、いわゆる“ラノベ読者”向けに売られる。そもそも一般的な文庫のレーベルだって、内容を考えると、軽すぎない? と思う小説も入っているし、ラノベと見まがうイラスト表紙を付けているものもある。さあ、ライトノベルって何?

    結論まで辿りついた感じはせず、それで? とも思ったけど、研究対象にして、これまでの言説をまとめたのは好印象。

  • 2000年代になって隆盛してきたライトノベルに関する評論。

    各々の作品についてというよりも、新聞や文芸誌でどのようにライトノベルが扱われているかを述べている。

  •  修士論文をベースにしたライトノベルの来歴に関する分析本。主に90年代の黎明期、00年代前半の爆発期、00年代後半の越境・拡大期について、新聞、雑誌、評論などの記事をベースに、いかにしてライトノベルが一般化するに至ったのかをひも解いている。

     大まかな論旨は次の様になろう。
     90年代にゲーム・アニメなどにおけるファンタジーの基本設定を前提とした作品群が、SF・ファンタジー・ジュヴナイルなどのジャンルに散見されるようになる。これを受けて、各ジャンルのコミュニティを作る読者たちは、それまでの文脈で語れない前述作品群を切り分け、名付けようとする。このときの候補のひとつとして登場したのがライトノベルだ。そして出版社は、ここに潜在的な市場があることを嗅ぎ付け、様々な作品を出版していく。
     これらの名前のないジャンルの作品を愛読書として育った人々が、00年代前半に作家としてデビューし始める。彼らはそれまでの流れを受け継ぎ、独自のスタイルを確立していく。彼らは当然このジャンルに対して肯定的であるため、このジャンルを宣伝していく。その時に定着したのがライトノベルという表現だった。そしてこれを出版社が後押しして、どんどん拡大していく。

     00年代後半、ライトノベルで育った作者たちの中には、一般文芸の方向へ進出していくものも現れ始める。そして、一般文芸における文学賞を獲得するものも現れる。いわゆる越境作家と呼ばれる人々だ。出版社は彼らを前面に押し出し、これまで限られた市場だったライトノベルを、一般文芸の読者たちにも売り込み始める。
     ここには活字離れと言われ読み手を失いつつあった一般文芸も、読者を連れた新たな書き手を喜び、文学は芸術だと言う純文学的見地からの葛藤を孕みながらも、大筋で受け入れていくようになる。そしてさらに新たな市場を求める出版社は、ライトノベルを児童文学方面に回帰させるようにもなる。

    時代時代の切抜きを列挙し、そこから当時の空気を汲み取っていく試みは面白いと思う。ただ、書き方として、「おわりに」に書かれているような内容を「はじめに」で示して欲しかった。学術論文は、最初に結論がないとその後の内容が分かりにくい。結論が初めにあるからといって続きを読まないようなことはないので、出し惜しみのあらすじみたいな書き方はやめて欲しかった。
     また、盛んに”力学”という単語が使われるが、著者が感じるほどの力学は感じなかった。どちらかというと、ライトノベルは読者の違和感から発し、その読者が作家になることによってジャンルとして確立していったのであって、出版社はその後を追ったに過ぎないという印象を受けた。もし、著者が力学の構図を重視するのであれば、その構図を図示するなど、分かりやすい表現をしていただければありがたかったと思う。

  • (推薦者コメント)
    若者向けの小説に「ライトノベル」というジャンルがある。電車の中で中学生くらいの快活そうな子、それも決してオタクっぽくないような子が、男女問わずライトノベルを読んでいるのをしばしば見かける今日、若者向け小説としてのライトノベルの担ってきた役割とは何だったのかを考察する。

  • ライトノベルの歴史の教科書みたいな感じ。
    特別面白くも、つまらなくもない。歴史が知りたい人はどうぞ。
    ここから興味のある批評家や作家を探していくのがいいかと。

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ライトノベルよ、どこへいく―一九八〇年代からゼロ年代までの作品紹介

ゼロ年代の文化の一面を象徴するライトノベルは、どのようなジャンルとして認識されてきて現在の地位を築いたのか。1980年代からゼロ年代までの新聞・雑誌を読み込んで、ライトノベルの「誕生」過程を出版動向や人々の文学/文芸観の変遷を交えて読み解く。

ライトノベルよ、どこへいく―一九八〇年代からゼロ年代まではこんな本です

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