ライトノベルよ、どこへいく: 一九八〇年代からゼロ年代まで

著者 :
  • 青弓社
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本棚登録 : 66
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787291974

感想・レビュー・書評

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  • ライトノベルとは、何なのか。

    ライトノベルを定義づけるのは難しい。そもそも、いわゆる“文学”と”ライトノベル”を分けることができるのか。なんだって、今はブンガクサクヒンと呼ばれている小説だって、発表された頃は娯楽を提供するだけだ、と下に見られていたものもあっただろう。そんなことを言いだすと、ボーダーなんて溶解して、定義なんて崩壊してしまう。

    確かに、中心部のラノベは「萌え」ありき、キャラクターありき。だから、イラストが重要。挿絵も入っている。けれど、周縁部に位置する越境作家たちは、ラノベとして出た作品を、一般向けに再販する。そのとき、イラストの表紙はオシャレなものに替えられ、挿絵はなくなる。さらに、一般的な小説が、漫画家やイラストレーターの描くカバーに替えられて、いわゆる“ラノベ読者”向けに売られる。そもそも一般的な文庫のレーベルだって、内容を考えると、軽すぎない? と思う小説も入っているし、ラノベと見まがうイラスト表紙を付けているものもある。さあ、ライトノベルって何?

    結論まで辿りついた感じはせず、それで? とも思ったけど、研究対象にして、これまでの言説をまとめたのは好印象。

著者プロフィール

目白大学人間学部専任講師。専攻は日本近代文学、サブカルチャー研究。著書に『ライトノベルよ、どこへいく』(青弓社)、『ライトノベル史入門 『ドラゴンマガジン』創刊物語』(勉誠出版)、共編著に『ライトノベル・フロントライン』全3巻(青弓社)など。

「2020年 『小説の生存戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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