絶版文庫万華鏡

著者 :
  • 青弓社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787292636

作品紹介・あらすじ

ぜっぱん【絶版】……何らかの事情で、その本の以後の印刷・販売を中止すること。
ぶんこ【文庫】……小型のシリーズによる、名著(普及の望まれる本)の廉価版(の名)。「――本」(『新明解国語辞典』第6版、三省堂)

本書は、戦前期(1910-45年)から戦後期(1945-90年)、そして平成以降(1990-2020年)の3つの時代区分に沿って、さまざまな事情で絶版になった文庫本の作品を紹介・解説する。岩波文庫、新潮文庫、角川文庫など現在まで続く老舗文庫をはじめ、春陽堂文庫や金星堂名作叢書、アカギ叢書などのいまはもう失われた文庫まで、ありとあらゆる絶版文庫を、著者が掘り出した希少なコレクションのなかから91点厳選し、作品の見どころから作者のプロフィール、当時の出版事情などのトリビアをふんだんに交えながら1点ずつ解説する。

菊池寛や尾崎紅葉ら文豪たちの作品の貴重な文庫判、トルストイやリンドグレーンらの海外の名作、かつてサンリオが出版していた少女向け作品を集めたサンリオ・ギフト文庫や、先駆的なSFやマニアックな現代文学を集めたサンリオSF文庫、大手版元のものとほとんど変わらない品質の希少な文庫判同人誌、九州で活動する新しい出版社・伽鹿舎の文庫など、「文庫」と名の付くものは徹底的に網羅している。さらには文庫本それ自体にとどまらず、矢口進也『文庫そのすべて』(図書新聞)をはじめとする「文庫ガイド本」の詳細なリストまで所収する。

古書好き、文学好きは必読のガイドであり、文庫を縦軸にして戦前から現在までの出版史の一側面を照らし出す書でもある。貴重な書影も多数所収。

感想・レビュー・書評

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  • 絶版文庫万華鏡 | 青弓社
    https://www.seikyusha.co.jp/bd/isbn/9784787292636/

  • 絶版文庫の山から選んだ、名作・傑作91点を紹介し、解説。
    第1章 戦前の絶版文庫 1910―45年
    第2章 戦後の絶版文庫 1945―90年
    第3章 新しい絶版文庫 1990―2020年
    適宜、本文中に参考文献有り。
    老舗文庫から失われた文庫まで、数々の絶版文庫から、
    91点を紹介し、当時の出版事情も含めて解説する。
    古書好きには堪らないであろう作品の絶版文庫紹介本です。
    戦前のアカギ叢書、改造文庫、春陽堂文庫等の、
    貴重な文庫の数々。戦前戦後の文庫でも、既に無かったり、
    絶版や品切れになった文庫が次々に登場します。
    勿論、単行本や全集、図書館の蔵書やネット等で読める
    作品もありますが、文庫で手に取って愉しんでみたくなる。
    また、その文庫でなければ読めない作品もあります。
    だから、出版社の目録を読んで、品切れの多さに涙した
    こともありました。デュマの『王妃の首飾り(上・下)』や
    学研M文庫の伝奇の匣シリーズは既に絶版なのか~。
    ここで紹介されている作品には、革命文学や抵抗文学、
    深刻で暗いもの、差別用語と偏見等、現在に文庫化するには
    難なものもあります。う~む、蘊蓄満載だなぁ。
    文学館や小出版、同人誌等の発行の、部数の少ない文庫に、
    他では未収録の作品が載っていることは初耳でした。
    但し、時折り出てくる、詳細は著者の他の本でというのは、
    現時点での興味をはぐらかされる感じがして、残念。

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著者プロフィール

1962年、愛知県生まれ。中京大学経済学部教授。専攻は国際経済学。著書に『クラシックCD異稿・編曲のたのしみ』『辺境・周縁のクラシック音楽1』『辺境・周縁のクラシック音楽2』『絶版文庫万華鏡』『絶版新書交響楽』『絶版文庫交響楽』(いずれも青弓社)など。

「2022年 『クラシック偽作・疑作大全』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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