見えない死

著者 : コーネル・ウールリッチ 門野集

• 新樹社 (1999年11月1日発売)

作品紹介・あらすじ

サスペンスの巨匠、待望の傑作選。都会のミステリ。『幻の女』『裏窓』で有名なウールリッチの名作サスペンス6編を収録。大都会の孤独と死をつねに描きつづけた著者の鋭い眼差しの背後には、愛へのかぎりない希求が存在している。

感想・レビュー・書評

[bukuroseさんの感想 · 2021年8月8日]

「妄執の夜」　悪友にマリファナバーに連れていかれた男。根は真面目らしいのだが、驚愕のド展開。わらしべ長者の逆版、悪友のさそいで地獄に堕ちる。どうしたらこういう展開を思いつくのか、ウールリッチの頭の中をのぞいてみたい。最後の最後、その逆わらしべともなった女性が再度登場。これがすっごく頭にくる。こういう女、いるなあ。ウールリッチは女がきらいなのか、といった気がする。

「私の死」これもまさかの展開。最初の判断を誤ったよねえ。

「ショウボート殺人事件」、「二本立て」ともに警官のオフタイム。でもおちおち休んではいられない。２件とも１件落着。

「見えない死」男女の関係の形。

「義足をつけた犬」盲目の老人と義足をつけた犬と。ほっとする終りかた。

「ショウボート殺人事件」The Showboat Murders（ディテクティブ・フィクション・ウィークリー誌　1935年12月14日号）
「私の死」The Death of Me（ディテクティブ・フィクション・ウィークリー誌　1935年12月7日号）
「妄執の夜」Marihuana（ディテクティブ・フィクション・ウィークリー誌　1941年5月3日号）
「二本立て」Double Feature（ディテクティブ・フィクション・ウィークリー誌　1936年5月16日号）
「見えない死」Death Escape the Eye（シャドウ・ミステリ・マガジン誌1947年4-5月号）
「義足をつけた犬」The Dog with the Wooden Leg「ディテクティブ・ストーリー誌1939年2月号）

1999.11.20初版　図書館