アウトサイダーズ―ラベリング理論とはなにか

  • 新泉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787793195

感想・レビュー・書評

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  • 社会学の古典。ラベリング理論の名著です。翻訳がうまくとても読みやすいです。アウトサイダーが生み出される仕組みを見事に描いた作品。社会学が権力構造を暴き出すおもしろさを教えてくれます。

  •  
    ── ベッカー/村上 直之・訳《アウトサイダーズ Outsiders 1963‥‥
    現代人文社 ~ ラベリング理論とはなにか 19781001 19931015 新泉社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4787793195
     
     Becker, Howard S. 19280418 America /
     
    …… それまでの社会病理学的なアプローチでは、たとえば“髪を染め
    ている者が「不良」だ”などと勝手に定義することによって「《不良の
    定義》は客観的に成立する」としてしまうような、非常に単純な考え方
    をしていた。だが、ベッカーは(略)そうした考え方を排し「逸脱など
    の行為は、他者からのラベリング(レッテル貼り)理論 Labeling theory)
    とはによって生み出される」と指摘した(Wikipedia)。
     
    (20190613)
     

  • 逸脱とはなにか、どのように生み出されるかについての論考。
    1.逸脱研究についての概要
    実例としての
    2.マリファナ使用について
    3.ジャズミュージシャンについて
    の大まかな三題が順番を前後しながら構成されている。

    また、表題のラベリング理論についての概要は訳者の解説に詳しい。
    「社会集団によって設けられた規制を特定の人々に適用することで、逸脱は生み出される」
    これが本著での要点。
    罪や罰は自然状態には存在しない。

    犯罪に限らず、逸脱のもとには規則がある。どのように、誰によって制定されるかも考慮すべきである。ことにレッテル張りは現代においても広義な階層分断の元凶となっている。
    ラベリングに関してはネットで人が集まるところを覗いていれば実感がわく。
    言葉にするから、良くも悪くも数段の段階を経て概念として共有されてしまう。

    ちなみに本書はバップ時代のジャズを取り上げており、特に前衛とされていた側の視点から当時の雰囲気が伝わるという点でもおもしろい。

  • 1978に翻訳された本の新装版である。さすがに文字はかなり薄くなっている。名著とされている。マリファナとダンス・ミュージックについての参与観察を通した研究結果である。村上直之がラベリング理論について40ページぐらい書いて紹介しているが、現在はどの程度学生が卒論で扱おうとしているかはわからない。

  • ある社会集団の合意形成の元にした規則の遵守or違反行為への他者の反応が逸脱を決めちゃうらしい。

  • 規則がどのように作られるか、マリファナ中毒者はどのように出来上がるか、ミュージシャンと外部の人間との葛藤などをがっつりと参与観察で研究したもの。
    少々中身が重いけど、面白いです。

  • ジャズ・ミュージシャンだったというだけで、読みたくなるな。

  • ラベリング理論の本。

  • 広い目で見れば、特定のルールに決まって違反するという点で逸脱者も規範に従っており、焦点となるのは定義そのものではなくて、それに対して他者がどのような反応を起こすかである。

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