病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解

  • 新曜社
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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788507593

作品紹介・あらすじ

私たちのからだはこんなにもうまくできた構造をしているにもかかわらず、なぜ、病気にかかりやすくさせるような欠陥やもろさを無数に抱えているのだろうか。…進化的アプローチは、この神秘を一連の返答可能な疑問に変えてくれる。

感想・レビュー・書評

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  • 何故人は病気になるのか。
    風邪をひかず、老いを知らず、子孫に遺伝病を残さない人間は何故生まれないのか。
    この単純だが奥深い疑問に対して進化医学という視点からアプローチしたのがこの一冊。

    進化医学というだけあって部類としては医学書になるのだが、作者が序章で述べているように、多くの人に理解してもらえるように注意して書かれている。なんとも読みやすい!医学書なんて難しそうと考えている人はまずはその偏見を払拭して読んでみてほしい。


    恐らく、日本のような医療の発展した社会においてでも、病気に対する恐怖心をまったく抱いていない人はいないだろう。そして、そのなかの少数しか病気がどのようなメカニズムで発生するのかを知らず、さらにそのなかの少数しか病気が何故存在しているのかを知らない。
    つまり思うに、多くの人は病気を“理不尽”なものとしてとらえているのではないだろうか。

    そして、本書を読むとそのような認識が一変するに違いない。何故なら、病気が存在する理由がわかるからだ。理由がわかれば病気は理不尽な存在ではなくなる。個人的な感想としては病気がただ恐怖すべき対象ではなくなった。

    病気に対する恐怖心を持っているのであれば、是非とも一読してもらいたいと思える良書であった。

  • ふむ

  • たとえ話をたくさん入れてくれてあるので、作者さんがたの意図や説明が分かりやすい。
    (ただし自分は脳内変換で『はたらく細胞』のキャラクターになってしまう)

  • 病気について、それはまるでシーソーのように、一面では利益をもたらし、一方では不利益をもたらすことがわかった。

    つまり、何かしらの病気にかかったときに、素人判断は一番よくない。
    そして何でもかんでも症状をなくしてしまうことがよいことではない。

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  • はたして人間にとって病気は憎むべき存在なのか? 進化生物学で得られた知見を医学に応用すると‥、ダーウィニアン医学から病気やケガ、老化などを読み解くとどうなるか。遺伝性の病気や感染症ばかりではなく、アレルギー、精神障害、さらには嫉妬や妊娠といった性の問題にまで踏み込んでいる。
      ――2009/09/30

  • 教授からお借りして読んだ。二度読んだ。とても興味深い内容だった。三周しようと思ったが、流石に教授に返さねばと思い、返した。でも、また読みたい。

  • 進化医学について包括的に描いてあって、とても面白かったです。
    個々の問題について深くというよりは、全体について広く浅く易しくといった本です。
    そのため今まで自分が興味がなかった分野など、見識が広まったと思います。

  • 体の完全さは妥協にもとづいている。
    進化も常に妥協していかねばならない。

    感染のチャンスが少なくなると、ウイルスの毒性は弱くなるよう進化する。

    デザインには、歴史的なものと機能的なものがある。
    歴史的に進化したデザインは、賢明な計画のもとにではなく、既にあるものをわずかばかり変更して進んで来た。

    女性が魅力的な男性を望む。彼女の子供を繁殖に有利にするためだ。
    身体は遺伝子を運ぶ容れものにすぎない。そして、遺伝子は個体の幸福や健康に関心はない。遺伝子が興味を持っているのは繁殖だ。遺伝子は少しでも繁殖に有利になるためなら、少しくらいの不都合には目をつむる。

    感情も繁殖や適応に有利になるよう進化してきた。

    子供の十人に一人が発達障害を背負っている。発達障害は、遺伝的要因が大きい。発達障害を引き起こす遺伝子が、適応や繁殖、生存に有利に働くから淘汰されずに残されてきたのか?
    何かの間違いじゃない?どうかしてる。十人に一人は多すぎる。その十人に一人が、どうして私の母親なんだ。

    Q.こんな遺伝子がなぜ遺伝子プールの中に維持されているのだろうか?
    A.場合により、または、他の遺伝子との組み合わせにより、そのような遺伝子は、何らかの利益をもたらしているのだろう。

    Q.適応度を下げるような遺伝子が、なぜこんなに高い頻度で残っているのだろうか?
    A.精神分裂病を引き起こす遺伝子にかかる淘汰は非常に強いので、突然変異と淘汰のバランスだけに依るのならば、その頻度はもっとずっと低くて当然のはずだ。さらに、精神分裂病の頻度が比較的一定していることから、この遺伝子は最近現れたものではなく、何万年にもわたって維持されてきたと示唆される。精神分裂病を起こす遺伝子は、その強度な損失にもかかわらず、何らかの利益をもたらしているに違いない。

    愛着理論 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E7%9D%80%E7%90%86%E8%AB%96

    遺伝子について、もっと知りたくなった。

  • 再読中。

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