ワードマップ ゲノムと進化 ――ゲノムから立ち昇る生命

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  • 新曜社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788509122

作品紹介・あらすじ

遺伝情報すべてを含むゲノムは、生命現象理解への前進基地だ。「進化」を軸に、31のキーワードで読む、ゲノムの基礎知識から研究最前線まで。

感想・レビュー・書評

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  • 2015.6.3ゲノム研究に関する広範囲な知識を与えてくれる本。化学の基礎知識に欠けてる私だが、DNAは巻物のようなもので、そこには何か書かれてるが意味をなさないとこと為すとこ、つまり遺伝子があり、その巻物を巻いたものを染色体、そして細胞核の中にある46本の染色体含めその生物を生物たらしめてる全体、設計図的なものをゲノムと理解した。我々を構成する細胞の核にある30億塩基対によるヒトゲノム、そこにある遺伝子、それらには生命誕生からの38億年の歴史がある。つまりひとつのゲノムを知ることが、その長大な歴史及び多様な種を知ることに繋がる。一は全、全は一とはこのことだと思った。約500万年前にヒトとチンパンジーは分岐し、DNAレベルでは1.2%しか変わらない。なのにこの差は何なのか。現生のヒト以外にも様々なヒトという種がいたのに、なぜ絶滅しヒトだけ残ったのか、また北京原人とかネアンデルタール人がもし生きていたら我々はどう共生していたのか、38億年前の無生命から生命がなぜ生まれたのか。疑問は尽きない。マクロに突き詰めれば宇宙の果てが見えず呆然とするけど、ミクロに突き詰めても私を構成する37兆個の細胞のひとつすら、その複雑さに呆然とする。人間理解、世界の理解に、ゲノムというミクロの視点を与えてくれた良著。人間の細胞の37兆個分の1の中には空間的時間的宇宙、森羅万象の記憶があると思った。

  • ゲノムについての解説から、著者の専門であるヒトや類人猿のゲノムまで。わりと読みやすく、生物学の素養があって進化ゲノミクスに興味がある人のための入門書、といった趣。

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著者プロフィール

1957年、福井県生まれ。東京大学理学部生物学科卒業。国立遺伝学研究所教授。東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻教授。人間の進化を、DNAのゲノム情報の解析を中心に研究している。著書に『核DNA解析でたどる 日本人の源流』(河出書房新社)『ラリルレロボットの未来』(太田聡史との共著 勁草書房)など。

「2021年 『デイビス&サットンの科学絵本 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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