システム現象学―オートポイエーシスの第四領域

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  • 新曜社
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  • Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788510036

作品紹介・あらすじ

行為の継続を通して自己を形成してゆくオートポイエーシスの思想。眼で見て頭で考える西欧の知の行きづまりを、身体知と行為知にもとづくこの斬新な思想とシステム現象学によって乗り越え、セラピー、リハビリ、トレーニングなどの実践の現場にまで新境域を拓く。

感想・レビュー・書評

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  • 感覚という作用は、不変化な主体と客体があるわけではなく、感覚=認知しながら主体自体が(非目的的に)形成されていくという二重作動である。
    行為の中での内感というのはもっぱら調整に用いられるのであり、そこで何が感じられているかを外部から捉えようとした途端に別のものになってしまう。しかし、内部から捉える目線として現象学を採用しても、生成途上にある過程を記述することはできない。そこで、みずから外部と内部を形成していくオートポイエーシスがシステムとして採用される。
    オートポイエーシスは芸術作品の制作にも当てはまる。作者はある意図を持って制作するが、同時に作品自体も作者の意図を超えて自ら制作されていく。
    行為から離れた認識の知と、行為のさなかで作動する行為の知がある。行為については、いくら知ってもそれは高級なウンチクにすぎず、学問の価値は行為あるいは経験の可能性をどのぐらい拡張するかで測られなくてはならない。

  • まあ良くも悪くも相変わらずの河本節ですな。

  • 恩師の本。恩師に半ば強制的に買わされた本ですが(苦笑)思っていたより分かり易く、面白い。そうなんだ、と思える一冊。

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著者プロフィール

1953年、鳥取県生。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(科学史・科学基礎論)。現在、東洋大学文学部哲学科教授。専門は哲学・システム論・科学論。著書に『オートポイエーシス』『〈わたし〉の哲学』『哲学の練習問題』など多数、編著に『iHuman──AI時代の有機体-人間-機械』『見えない世界を可視化する「哲学地図」──「ポスト真実」時代を読み解く10章』など多数。

「2022年 『創発と危機のデッサン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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