パーソナルネットワーク―人のつながりがもたらすもの (ワードマップ)

著者 :
  • 新曜社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788512467

作品紹介・あらすじ

◆人と人のつながりの影響力◆

友人や恋人は人生を豊かにします。相性の悪い上司や先生は意欲を低下させます。人間関係こそ、私たちの生きがいの源であり、ときに絶望の源です。本書のテーマは、「意識や感情をもった人間」を構成要素とする、パーソナルネットワークです。爆発的現象を起こす口コミやソーシャル・ネットワーキング・サービスの力、集合知を活用するウィキペディアのような知識創発、イノベーションを引き起こすチームワークのあり方、コミュニティにおけるソーシャルキャピタル、児童虐待や無縁死を防ぐための地域のサポートネットワークなど、ミクロからマクロ、ウェブから現実社会まで、幅広く人間の関係のあり方とその影響力について、わかりやすく解説。

感想・レビュー・書評

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  • 1 パーソナルネットワークの調べかた
    関係がもたらすもの―ネットワークへの期待
    関係の欠如がもたらすもの―ないものの効果
    関係定義と効果計測―ネットワーク構造に潜む特性
    ネームジェネレーターの限界―データと情報の質
    複雑ネットワークー新しい指標と手法

    2 パーソナルネットワークに関する論争
    ソーシャルキャピタル―関係に内在する力
    橋渡し型と結束型―人的ネットワークの型と性質
    強い紐帯vs弱い紐帯―弱さの強さ
    ランダムネットvs凝集的ネットワークー伝染・普及はどちらが速いか
    認識vs実際のネットワークー関係の見えにくさ

    3 パーソナルネットワーク研究の最前線
    結婚願望とネットワーク―選択のトレードオフ
    転職とネットワーク―本人・上司・職場
    日本一長い商店街のつながりー町内のかかわり方
    ネットワーク上の伝播―年代効果・世代効果
    6次の隔たり電子版―オンラインのスモールワールド

    4 パーソナルネットワークの設計とデザイン
    雪崩は止められるか―私語のカスケード
    ネットワークの形成メカニズム―成長するネットワーク
    ネットワークビジネスー社会関係と経済関係の交錯
    孤独―距離の設計
    関係のアフォーダンスーつながりを可能にするもの

    5 パーソナルネットワーク研究の倫理と展望
    パーソナルネットワーク調査の倫理―関係の顕在化の問題
    異分野に学ぶ、異分野と競う―関係研究の融合へ
    関係を扱う現場と道具―研究の暗黙知

  • 課題図書でしたが、面白い本でした。
    特に面白かったのは、2つ。
    1つ目は、橋渡し型の人間関係を作る人と結束型の人間関係を作る人。上司と部下がそれぞれどういったタイプの時、組織はうまく回っていくのかといったことの調査の結果についての項目。
    2つ目は、口コミなどの拡散においては、遠く弱いつながりよりも同質的な局所的な凝集性の強い集団のほうが広まりやすい場合もあるという項目

  • 課題図書
    大学生向け教科書っぽい

  • 安田雪先生 2冊目。本書も大変興味深い。ネットワーク分析の重要な理論とユニークな実証研究。結婚願望と仕事、マルチ商法、天神橋筋商店街を、ネットワーク分析から読み解く。
    面白い。面白すぎて、修論の方向が迷走しそうである(^^;

  • パーソナルネットワークの先行研究まとめ、概念整理。weak tie、ソーシャル・キャピタルにも言及。読みやすい。

  • 大学生向けの学術書で難しい表現が多く理解しにくかった。
    しかし、所々に著者の学者としての良心や、人としての意識の高さを感じる箇所が有り感動した。
    ネットワーク・ビジネスに対する自分の違和感も理解できた。
    人をコントロールしようとすることのリスクも理解できた。
    読んで良かった。

  • 人と人とのつながりを学術的に研究した理論の概要、問題点、展望など、この一冊で全体像がつかめるようになっている。最近はやりのソーシャルグラフなど、生のつながりからWeb上でのつながりまで研究され注目されている。

  • 人とのつながり理論。人とのつながりが人生を豊かにする。人間関係が離職の一番の理由でもある。人に情報を伝達するハブ的人間と人が集まるオーソリティ的な人間がいる。情報を伝達するためには、人とのつながりを上手く利用する必要がある(ティッピングポイント)。

  • 読んでから大分時間がたってしまったので、メモ書きで。

     調査の時の、認識と実際の混在。アンケートで調べると、回答者が実際を知っていて回答できるものと、あくまで、事実をしっているわけではなく想像で答えているものとが混在する、そもそも、他人のネットワークなど、完全に把握できるわけがないのだ。

     ソーシャルキャピタル。関係の中に存在する力、
     
     ネットワークとして、橋渡し型と結束型がある。結束型は内部指向で情報や価値観が同質で、直接的にかかわることで力を発揮する。
     橋渡し型は、関係の重複を嫌う。お互いに面識のない人々の結節点として機能する。寄せ集め、で脆弱な面がありますが、情報収集力にまさる。

  • ソーシャル・メディアについて卒論を書く学生にとっては必読であろう。この本で概要をつかんで、適宜必要な部分を読み、そこで引用されている本を基本書にしてそこから卒論が書ける。

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著者プロフィール

関西大学社会学部教授

「2018年 『社会ネットワークと健康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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