検閲・メディア・文学―江戸から戦後まで

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制作 : 鈴木 登美  堀 ひかり  宗像 和重  十重田 裕一 
  • 新曜社 (2012年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788512849

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検閲・メディア・文学―江戸から戦後までの感想・レビュー・書評

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  •  コロンビア大学と早稲田大学の研究者が中心となって編集した日本近世・近代の検閲・表現規制に関する論文集。すべての論文が日本語と英語の両方で収録されている。
     江戸時代の戯作や歌舞伎や浮世絵に対する規制から、戦前の出版法・新聞紙法による内務省・警察等の検閲を経て、占領期のSCAPによる検閲に至るまでをフォローし、特に詩歌や紙芝居のような従来の研究では重視されなかったメディアの検閲にも目配りされている。
     個々の論文は短く、平易なので、日本近世・近代におけるメディアと検閲の関係を学ぶ上での入門書としての価値があろう。

  • 検閲・メディア・文学─目次


    目次─検閲・メディア・文学

    序 検閲と検閲研究の射程鈴木登美

    第Ⅰ部 江戸から明治・大正・昭和前期にかけての出版文化と検閲

    解説 抑圧と抵抗の諸相宗像和重
    江戸歌舞伎の検閲埋忠美沙
    江戸後期戯作の検閲佐藤至子 
    浮世絵の検閲サラ・E・トンプソン 
    明治期文学者とメディア規制の攻防紅野謙介 <
    コラム 「時鳥啼くなと申す人もあり」─正岡子規、検閲、公共言説としての俳句ロバート・タック
    内務省の検閲と第二次世界大戦前日本の出版文化大日方純夫<
    永井荷風「つゆのあとさき」の本文と検閲中島国彦

    第Ⅱ部 戦前・戦中から占領期・戦後にかけての文学と検閲

    解説 内務省とGHQ/SCAPの検閲と文学
       ─一九二〇─四〇年代日本のメディア規制と表現の葛藤十重田裕一 
    事象としての検閲と幻想としての読書─谷崎潤一郎をめぐってアンヌ・バヤール=坂井 
    検閲、自己検閲の連続性─川端康成の作品において セシル・坂井 
    コラム 刑務所の中の言葉─葉山嘉樹の獄中記を読むネイト・シャッキー 
    拡張する検閲「帝国」と「非合法」商品─玄海灘に交錯する雑誌『戦旗』の読者網高榮蘭 
    コラム 二重化された両義性─李光洙と帝国空間の矛盾クリスティーナ・イ 
    かいくぐることと自粛と─昭和モダニズム文学者・久生十蘭の検閲対応川崎賢子 

    第Ⅲ部 戦中から占領期にかけての大衆メディアと検閲

    解説 大衆メディア検閲研究―メディア特殊性そして間テクスト性堀ひかり 
    映画検閲と天皇イメージ─『日本ニュース』における昭和天皇の例を中心に堀ひかり
    振り子の揺れ─連合国軍占領下における紙芝居と検閲シャラリン・オルバー 
    コラム ローマ字化勧告をめぐる「誤解」─石黒修の検閲事例から 塩野加織 
    純血への頌歌─占領期詩歌の検閲にみるタブー・トピックとしての「親密交際」マーリン・J・メイヨ 

    コラム 坂口安吾と「チャタレイ裁判」時野谷ゆり
    あとがき編者 
    執筆者一覧

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検閲・メディア・文学―江戸から戦後までの作品紹介

◆日本における検閲を通史的に論じた初めての試み◆

言論弾圧や禁書は政治権力の歴史とともに古いが、それが高度に組織的になされるようになったのは、印刷術の発達による大量出版とともにです。その徳川時代の歌舞伎・戯作・浮世絵の検閲から始めて、戦前・戦中の国家主義のもとでの強圧的な検閲、そして敗戦後の占領軍による、検閲の痕跡を見せてはならないとする検閲までのさまざまな検閲を取り上げ、いつ、なぜ、どんな法規や制度がつくられ、どんなメディアやジャンルが対象となったか、規制はどのように受け入れられ、抵抗され、記憶され、忘却されてきたかを、ジャンル横断的に通史的に、国内外の学者が論じます。そしてそれを、日本語版と英語版を組み合わせたバイリンガル出版として、世界に発信していきます。

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